いつまでも過去の栄光にすがってしまう「新・大企業病」って?:サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(3/3 ページ)
「フツーはそうじゃないだろう」と、部下を叱ったことはありませんか。しかしよく考えると、部下のフツーは自分のフツーと違うのかもしれない。「普通」とは、前提や環境を共有している中でのみ成立するからです。……ということは、転職した場合の「フツー」って?
今、どこで働いているのか、という「フツー」を忘れない
新しい大企業病にかかっていないか、以下でチェックしてみましょう。
(1)「ウチの会社では」の「ウチ」は、以前勤めていた大企業を指している
(2)古巣のニュースに敏感に反応、自分のことのように周囲に話す
(3)「常識的に考えて」という言葉を、部下との会話でよく使う
(4)「レベルが」という言葉を多用して「高い」「低い」と評価しがち
(1)は分かりやすいポイントですが、(2)は話をしている本人も気がつかないケースが多い。何年も前にその企業を離れているのに、未だにその企業に在籍しているかのような発言は、周囲を遠ざけてしまっても仕方ありません。(3)(4)は、そもそもの基準が今の場所ではないことがほとんどなので、ネガティブな利用方法だと「ああ、また言っているよ、あの人」と、部下の心は離れてしまうでしょう。
このコラムのメインターゲットである中間管理職の皆さんが、組織の中で求められる役割を果たそうとした時に、部下の心が離れてしまっては、たちまち困ったことになるはずです。もしあなたが、規模の大きな企業から迎え入れられているなら、組織の改革も要求されるでしょう。多少の衝突や摩擦は必要なのかもしれませんが、別の場所での常識を押し付けるだけのやり方では、誰も従いません。
当たり前のことですが、「今、どこで働いているのか?」という視点を忘れてはいけない。さらに、自分の常識は周囲の非常識かもしれない、という視座も同様です。
もしあなたが、「自分の意見や指導に、周囲が賛同しない」と感じているならば、周囲の常識のなさやレベルの低さを嘆く前に、自分の立ち位置を、いま一度見直してみては。そのように、ここではオススメしておきます。
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