1年で2600万円稼ぐ――杉村太蔵氏に学ぶ株投資の極意:マネーの達人(2/2 ページ)
2013年の1年間で2600万円もの利益を出したという元衆議院議員の杉村太蔵氏。彼がどんな投資術を用いたかのぞいてみましょう。
キーワード3:ナンピン買い
もう1つ、杉村氏がオススメする株式投資の極意はこちらです。
「買った株が値下がりすると損をしたとお思いでしょう。確かにそうですが、下がったときこそ買い増しのチャンスなのです。私が今回のアベノミクス相場で、資産を1000万円以上増やすことができたのも、株価が下がったときにコツコツと買い増しをしたからです」
(引用元:元証券マン杉村太蔵が株必勝法指南「下がった時こそ買い増し」――NEWSポストセブン)
簡単に言うと、「ナンピン買い」をオススメしているわけです。ナンピン買いというのは、例えば1000円で買った株が900円に下がってしまったものの、900円でもう一株買い増しする。2株購入平均価格が950円となり、仮に今の株式価格から50円上がれば、損益±0円になるという道理です。杉村氏はこのナンピン買いで資産を1000万円以上増やすことに成功したというわけです。
道理から言えば、ナンピン買いは有効手法の1つなのですが、それが有効となるには条件が整っていなければなりません。
その条件とは、基本的に「上昇トレンド」であることです。
杉村氏がナンピン買いで買い増ししたのは、アベノミクス効果による上昇トレンド発生中のときのことです。上昇トレンド中に株価が下がっても、それはあくまでもポジション調整や利益確定といった要因による下落であって、トレンド自体が下降し始めたわけではありません。その上昇トレンドが続いているという条件を満たしている時に限り、ナンピン買い手法は有効なのです。
逆に、下降トレンドに反転していることが確認されたなら、ナンピン買いは危険です。杉村氏が最後に指摘しているように、その会社の業績が悪化していることから株価が下落しているのであればすぐに損切りが不可欠、さもないと損失が拡大します。
ナンピン買いは、株式投資初心者には難しい手法ですので、個人的にはオススメしません。ナンピン買いの道理を口で言うのは簡単なのですが、実際のところ、株価が下落したときにそれがポジション調整による下落なのか、それとも下降トレンドの始まりなのかを見極めるのがとても難しいのです。ここでは、ナンピン買いという手法もある、ということを知っておくだけで十分でしょう。
当たり前のことをやり遂げる難しさ
さて、今回は杉村太蔵氏の投資術から3つの教訓を学ぶことができました。
- これだ! と思う銘柄に集中投資
- 独自の観点で今後値上がりする銘柄を探し当てる
- 場合によってはナンピン買いで買い増し
こうして見ると、「当たり前のことしか言ってないじゃん」という声が聞こえてきそうですが、全くその通りです。株式投資を含め資産運用で資産を増やすためには、結局、“当たり前のこと”が有効で、セオリー通りに資産運用すれば高い確率で資産を増やすことができるのです。
ただし、その当たり前のことをやり遂げるのが非常に難しく、さまざまな要因が人間の心理と感情を揺さぶり、セオリーに忠実でいられなくなるのが人間という生き物であることを決してお忘れなく。(堀聖人)
関連記事
- そもそも「株」って何?
今さらですが、「株」とは何でしょうか? そして、株を買うことでどんなメリットがあるのでしょうか? 今すぐ分かる株式投資の基礎の基礎をおさらいしましょう。 - 初心者の「株と投資信託」の選び方
投資には興味があるけど、不安や疑問があるため、はじめの1歩が踏み出せない。初めて投資をする人への銘柄選び、どんな投信が向いているのか――そんな疑問にFPの目黒陽子さんが答えてくれました。 - 株をやると人生を“2倍”楽しめる!?
土曜不定期連載でお送りする『カブ・ジェネレーション』。今回は、家族が増えるのはいいことですよね? というおはなし。 - 株高企画が急増する影で、“総強気モード”がヤバい
週刊誌の中吊り広告や経済誌などで株高特集が目に付くようになった。安倍首相が主導するアベノミクスで市況は活況を呈しているが、いまのような“総強気モード”でいいのだろうか。
関連リンク
copyright (c) "money no tatsujin" All rights reserved.