女の子の学力をぐーんと伸ばしてきた、長野雅弘さんをインタビュー:働くこと、生きること(6/7 ページ)
「自分が行きたい学校に行ける」「自分がなりたい職業に就ける」――。さまざまな不安から伸び悩む生徒たちを、次々に有名大学に導いた教育者は、何を考え、何を行ってきたのだろうか。
先生が変われば、子どもも自然と変わっていく
だからいまでも、子どもたちからは多くのものを感じているのだという。
「というのも、子どもはひとりひとりまったく違う。個性が同じ子どもなんていないんです。現代においてはDNAで個人を断定できますが、強く納得できますね。DNAで判断できるのは、『みんな違ってるから』。子どもたちを見ていると、それを実感できる。だからおもしろいんですよ。
『この子はどんなふうに変わっていくんだろう?』。そう考えると、こちらまでワクワクしてきます。だからこそ、やらなければならないことは多く、壁をつくらず、規制なく自由にやらせてもらうのが一番だと思っています。そういう考え方を、周囲の先生にもさらに伝えていきたいですね。そうすれば、結果的に子どもたちも変わっていくわけですから」
教育の現場で強く実感できるには、「子どもたちが変わっていく」ということ。
「確かに、毎日見ていると気づきにくいかもしれません。でも、入学してきたときには自信のなさそうな表情をしていた子でも、時間の経過とともにどんどん変わっていくんです。具体的には、1カ月前、2カ月前、3カ月前のデータや写真を見てみると、その差がはっきり分かります。中学校入学時の顔と中学3年生、または高校1年生と3年生では全く違いますしね」
でも、それは当然のことなのだとおっしゃる。
「なぜなら人って、誰しも自信がないものなんですよ。けれど先ほどの話にも出たとおり、小さな成功体験の積み重ねが大きな自信になります。例えば中学受験の模擬試験で何度かいい結果を出すと、それが大きな自信になったりするじゃないですか。最初は誰も自信なんてありません。一歩を踏みだし、続けることですね」
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