丸亀製麺「うどん」だけでなく、「鉄板焼き」で勝負する事情:仕事をしたら“タイ”で売れた(4/5 ページ)
トリドールが運営する「丸亀製麺」のうどんが、海外の人たちにウケているという。中でもタイでの売り上げが好調だというが、どんな展開をしているのだろうか。海外事業を担当する経営企画室の人に聞いた。
人手不足が深刻
土肥: タイの店も好調のようですが、課題はありませんか?
経企: 今の日本と同じように、外食産業で人手不足が深刻になりつつあります。
土肥: それは問題ですね。日本の讃岐うどんチェーンで丸亀製麺がトップに立てた要因のひとつに、店舗展開のスピードがあったからだと思うんですよ。次々に新店舗を出店していったので、他の競合はついていけなかった。しかし、人手が足りなければ、タイでその作戦を実行するのが難しくなりますね。
経企: あと、インドネシアではひとつの会社で長く働く人が多い。一方のタイでは、インドネシアに比べて長く働く人が少ない。長く勤める人が多くなれば、お店のクオリティを高いレベルで維持することができます。なので、タイの人たちにもできるだけ長く働いていただきたいのですが……。
土肥: 長期間働いてもらうために、どのようなことをされているのですか?
経企: 「これをクリアすれば、あなたは次のステップに進むことができますよ」ときちんと説明することがポイントかなあと。論理的にきちんと説明して、納得してもらわなければいけません。長期的に働いてもらうためには、これは欠かせないですね。
土肥: 今後も同じような店を増やしていかれるのですか?
経企: バラエティに飛んだメニューを用意したところ、現地の人たちに支持されたので、今後は日本食レストランに近い形態も検討しています。例えば、いまはセルフ式ですが、セミセルフ式を導入するかもしれません。
土肥: セミセルフ式?
経企: 経済発展が遅れている国の人たちが、外食をするということはいわゆる“ハレの日”なわけですね。昔の日本でもそうでしたよね。百貨店の最上階で家族が食事を楽しむことは“ハレの日”でした。そうした意識が強い中で、自分で料理を運ばなければいけないセルフ式はどうなのか。お店のスタッフが運んでくれることを求めているのかもしれません。
グローバルに展開しているチェーン店が多い都市部ではセルフ式でも問題がありませんが、地方は違うと思っているんですよ。2015年、都市部での出店はほぼ終わるので、次は地方への展開を予定しています。オーダーはその場で注文していただき、料理はスタッフが運びますという「セミセルフ式」を導入するかもしれません。
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