新時代の教育を受けた新入社員がやってくる。その時、あなたは?:サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(2/3 ページ)
多くの職業は、未来永劫存在するわけではありません。消えていく仕事もあれば、新しく生まれる仕事もあります。新しい時代に必要な能力を身につけた人たちを育てるため、教育も急速に変わりつつあります。
教育制度が新しくなり、今までとは異なる能力を持つ部下が出現する?
中央教育審議会で話し合われているのは、“教育すべき内容を変えるために、入試制度を変えてしまおう”ということです。高校と大学を上手く接続して、新たな時代=いままでとは職業のあり方が異なる時代に、どのように国民を対応させるのか、という視点で話し合われています。
教育とは職業とダイレクトに結びついていないといけないのか、学問とはそういう観点だけで語ってはいけないなど、この辺りにも違和感を持つ人も少なくないでしょうが、ここでは言及しません。あくまで、国が「新しい時代に必要な能力が身についた人を教育で作りましょう。そのための能力はこういうことだと考えています」という点だけに注目してみると、とても興味深いことがわかります。以下がそれです。
(前略)こうしたことを踏まえ、高等学校教育、大学教育を通して育むべき「生きる力」を、それを構成する「豊かな人間性」「健康・体力」「確かな学力」それぞれについて捉え直すと、以下のように考えることができる。(出典:新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた 高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(案)より)
教育を通して育むべき力を「生きる力」と題して、さらに人間性、健康、体力、学力と分解して定義しています。本稿では、働く上で関連性が高いだろうと推測される「確かな学力」について、さらに見てみましょう。
学力の三要素を、社会で自立して活動していくために必要な力という観点から捉え直し、高等学校教育を通じて(i)これからの時代に社会で生きていくために必要な、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度(主体性・多様性・協働性)」を養うこと、(ii)その基盤となる「知識・技能を活用して、自ら課題を発見しその解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力」を育むこと、(iii)さらに その基礎となる「知識・技能」を習得させること。大学においては、それを更に発展・向上させるとともに、これらを総合した学力を鍛錬すること。(出典:新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた 高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(案)より)
としています。ちょっと分かりにくい文章ですが、読んでいて「どこかで聞いたような話だ」と思った方も少なくないと思います。これって、社会人基礎力などと称して、ビジネスパーソンが備えておくべき能力だと「いま」語られているものばかりです。裏を返せば、これまではこういう観点で教育は行われていなかったということになります。
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