重要なことは、“何を書かないか”:売れる文章術(1/2 ページ)
伝えたいことを1つの文章にあれもこれもと詰め込んでしまうと、逆に伝わりにくくなってしまいます。「1記事=1メッセージ」を心がけると、文章がスリムになって伝わりやすくなります。
集中連載「売れる文章術」について
本連載は中野巧著、書籍『売れる文章術』(フォレスト出版)から一部抜粋、編集しています。
文章というものは書くのに時間がかかり、面白い文章を書くには難しく、何を書いていいか分からないという人が少なくない。ビジネスにおける文章となると売り込まなくてはならない、読んでもらえない、自分の気持ちを文章にまとめられないなど、苦労しても売上げや集客につながらないなど悩みは尽きない。
この本では、
・売り込み文、あおり文に疑問を感じている人
・忙しくて、文章を書く時間がない人
・売上げ、集客など目標を達成したい人
・自分の文章スタイルを確立したい人
・自分らしい情報を発信していきたい人
などの書く苦しみから解消される文章作成法を紹介。
「共感されるセールス文章」が、あなたのビジネスにさらなる飛躍をもたらす。大手企業から教員、女子高生や小学生まで、簡単に文章が書けたという実績のあるノウハウをビジネス、つまり「売れる文章」の書き方に特化した内容です。
第六の落とし穴:自分の言いたいことや気持ちを文章にまとめられない
Q:ちゃんと伝わっているかどうか不安です。
A:重要なことは、“何を書かないか”。
コーヒーを飲みたいとき、次のうち、あなたはどちらを選びますか?
- そば屋のコーヒー
- スタバのコーヒー
選べるとしたら、ほとんどの人が「スタバのコーヒー」を選ぶと思います。
それは、なぜでしょうか? 何にでも手を出している感が漂う、そば屋の中途半端さではなく、コーヒーに特化しているスタバのエキスパート性を選んでいるからではないでしょうか。
「何でもできる≒何にもできない」
ということを、本能的に知っているからかもしれません。
「何をするかより、何をしないか」が、エキスパート性につながります。私が尊敬するスティーブ・ジョブス氏も、「最も重要な決定は何をするかではなく、何をしないかを決めることだ」と言っています。
文章も同じです。「何を書くかよりも、何を書かないか」これが大切です。私が昔よくやっていた間違いは、言いたいことをあれもこれも、何でもかんでも詰め込んでしまうこと。ちょうど図のような141の機能を持つ多機能ナイフのようでした。
何だかすごそうですが、いろんなものを欲張りすぎて、いったい何のための道具なのかよく分かりません。
文章においても、あれもこれものてんこ盛りをやめると文章がスリムになって伝わりやすくなり、記憶にも残りやすくなります。
関連記事
- 時間がない人こそ、売れるセールスレターの力が必要
なぜ多くの人がセールス文章を書くのに苦しむのでしょうか? 本連載では7回にわたって、セールス文章に潜む「7つの落とし穴」とその突破口を紹介します。 - 「売り込まないと売れない」という思い込み
相手が必要なものや手にすると幸せになるものを受け取りやすいように伝えることがセールスの役目だとしたら、それはとても意義のある仕事なのかもしれません。それに気付いた後、私の営業成績は飛躍的に伸びていきました。 - 文章の8割は「見出し」で決まる
もし、あなたの文章が思うような結果につながるものになっていなければ、まずは見出しを作り、伝える順番を考えることから始めてください。 - 「何を書いたらいいのか分からない」
「何をどういう順番で書いたらいいのか分からない」という人のために、穴埋め文章作成テンプレートを用意しました。これを使えば、相手を引き込み内容をきちんと理解してもらえる文章が書けるようになります。 - まずは、2行目を読んでもらう
時間や手間をかけて書いた文章も、最後まで読んでもらえなければ意味がありません。今回は、2行目、3行目と読み進んでもらうためのタイトルや書き出しの10パターンを紹介します。 - 会社が知りたいのは“あなた”――「志望動機」の書き方教えます
就活のエントリで誰もが苦しむ「志望動機」。しかし、学生は会社について書きすぎるという問題点があると筆者は指摘。大切なのは、自分自身を売り込むことなのである。 - 「企画書」「始末書」「お詫び文」書くのに苦労するのはどれ?
1日の業務内容を上司に提出する日報――。「忙しいのに毎日書くのは面倒くさい」といった不満を抱いているビジネスパーソンも多いだろう。また報告書の類を「書くのは苦手」といった人もいるはず。 - 筆者が「職務経歴書」を書き、プロに採点してもらった
転職活動をする際、「職務経歴書をどのように書けばいいのか」と悩んだことがある人も多いのではないだろうか。そこで筆者は「職務経歴書」を書き、それを転職コンサルタントの今村勝さんに添削してもらった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.