高機能化へのアンチテーゼ~QVGAの小型携帯「A1402S」(1/2 ページ)
2.3インチのQVGA液晶を搭載しながら、世界最小ボディ。そしてユーザーが真に求める部分はハイエンド機にも勝るパーツを採用し、BREW2.1にも対応。ただし不必要に高機能を追い求めず、コンパクトで使い勝手のいいボディサイズに作り上げた。ソニー・エリクソンに、A1402Sの狙いを聞いた。
この小ささには驚くほかない──。そんなCDMA 1X端末がソニー・エリクソンから登場する。「A1402S」だ(2月16日の記事参照)。
「今の携帯電話は高機能化一直線。カメラ競争であったり機能競争であったりという状況の中でも、一般の中では絶対に、自分に合った(サイズの)携帯をほしい層がある」と、企画を担当した元木杏奈氏は話す。
auの最新ハイエンド端末と並べて見れば、A1402Sのコンパクトさは一目瞭然。「車で例えれば、A5404SがBMWの7シリーズとか誰もが見てカッコイイというイメージ。A1402Sは、アウディでいえばA3だけどクアトロだとか。小さいからといって安かろう悪かろうではない」(佐藤氏)
幅47ミリはau端末の中でも最もスリム。高さ89ミリはダントツだ。何しろ、ほかの高さ90ミリ台の端末はアンテナが付いており、実際はさらに10ミリ程度の長さがある。厚みは三洋電気製「A5503SA」に2ミリ譲って22ミリだが、適度なボリュームがあって逆に持ちやすい。
「QVGAで世界最小容積を狙った。携帯以外で、小さいものは何があるか? タバコだと大きい。ほぼミルクキャラメル箱のサイズ」とクリエイティブプロデューサーの佐藤敏明氏。
サイズの数値だけでなく、「アンテナ内蔵でヒンジも見えないデザイン」(元木氏)のため、すっきりとしてどんなポケットにも入れやすい。無理に薄型化していないだけあって、ボタンも大きくストロークが深い。重量バランスも良く、操作性は良好だ。
小さいとはいっても“本当にほしい機能”はしっかりと盛り込んでいる。例えば、液晶はQVGA対応の2.3インチ。これより大きな液晶を積んだau端末は、京セラの「A5502K」しかない。
「大きな液晶は必要条件でした。それからキー周り、ボタンの大きさとジョグ。これは絶対に落とせないところ」と元木氏。
盛り込む機能と削る機能がメリハリつけて選ばれている。そんな印象だ。では、盛り込まれた機能と削られた機能を一覧で見てみよう。
BREWは、EZナビウォーク対応端末などと同じ、バージョン2.1に対応。GPS機能を備えないため、EZナビウォークこそ使えないが、QVGA対応のBREWアプリを楽しめる。
当然、CPU/ベースバンドチップは最新の「MSM6100」。ソニー・エリクソンとしては初の採用だ(2003年10月の記事参照)。実は、A1402Sが小型化できた背景には、この部分も関わっている。
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