ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009で見た“ケータイの近未来”:ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009(2/2 ページ)
無線通信の最新技術を紹介するイベント「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009」のNTTドコモブースでは、研究開発段階のアプリケーションや技術の展示も見ることができた。そこには近未来のケータイの使い方を想定した研究成果があった。
レンチキュラーレンズを用いた3Dディスプレイ
ブースの片隅では、携帯電話に適した、頭の動きやディスプレイの傾きに応じて見え方が変わる、“実物を手に持ったような感覚”を実現する携帯型3Dディスプレイも展示していた。
auの「Woooケータイ H001」などに採用されている3Dディスプレイは、電気的に制御されたフィルター「視差バリア」を搭載し、透過と遮断を制御して、右目と左目ぞれぞれに異なる映像を送ることで立体表示を実現するステレオ方式と呼ばれるもの。この方式では、なるべくディスプレイに正対して見る必要があるほか、多少角度をずらして見ても映像の視点は変わらない。
一方ドコモが展示していた3Dディスプレイは、XGA(1024×768ピクセル)表示に対応した高精細な液晶パネルの表面にレンチキュラーレンズを配し、8方向の画像を1枚に合成して表示するため、見る位置によって見え方が変化する。ディスプレイを左右に傾けると、それに合わせて立体物の側面が見えたり、前後のものの重なり方が変わったりするのだ。視点1方向あたりの解像度はQVGA(320×240ピクセル)程度のものだという。
写真で紹介するのは難しいが、説明員によると「視点を左右に動かすことで、立体物の側面などをのぞき込むような感覚で画像や映像を見せることができるのが特徴」とのこと。このパネルと加速度センサーを組み合わせ、端末を手に持って動かしながら立体映像を鑑賞したり、ゲームを楽しんだりできるデモもしていた。
関連記事
多人数で臨場感ある通話が可能に――ドコモ、新たな音声伝送技術を開発
NTTドコモは、複数のユーザーの音声をリアルコミュニケーションに近い音質で再生する、サラウンド音声伝送技術を開発した。同技術を使った具体的なサービスなどは未定。ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009:KDDI、LTE導入までの取り組みを解説――2010年後半導入の「マルチキャリアRev.A」は“下り9Mbps”
パシフィコ横浜で開催された「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2009」で、KDDIコンシューマ技術統括本部の湯本敏彦氏が講演を行い、マルチキャリアRev.Aによる現行システムの高速化とLTE導入までの課題について解説した。ワイヤレス・テクノロジー・パーク2008:ドコモのHSDPA網は14Mbpsに対応済み──スーパー3G、4Gの研究開発も順調
NTTドコモの無線アクセス開発部部長、尾上誠蔵氏がワイヤレス・テクノロジー・パーク2008で講演し、ドコモのFOMAネットワークの現状とスーパー3G、4Gへの取り組みを紹介した。ワイヤレス・テクノロジー・パーク2008:瞬時に切り替わるダイヤルキー、ホームネットワークのデモも──ドコモブース
ワイヤレス・テクノロジー・パーク2008の会場では、NTTドコモがブースを構えて研究開発中の技術を展示していた。瞬時に表示が切り替わるダイヤルキーやiアプリで制御するホームネットワークのデモなどを行っている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.