レビュー

写真で解説する「dtab」

「dtab」は10.1インチのディスプレイを搭載するWi-Fi専用のAndroidタブレット。ドコモが運営する「dマーケット」を家庭でも快適に利用してもらうことを狙いに開発された戦略的なモデルだ。本稿では、同端末の独自UIやハードウェアを見ていこう。

 NTTドコモの「dtab」は、Android4.1を搭載するHuawei製のタブレット端末だ。ネットワークはWi-Fiに対応しており、3G/LTEは非対応となる。販売は、3月下旬以降にドコモオンラインショップで、4月中旬以降に全国のドコモ取扱店で開始する予定だ。通常価格は2万5725円だが、2013年9月末までは、ドコモ回線とspモードに契約しているユーザーを対象にしたキャンペーンが展開され、同キャンペーンを適用すると9975円で購入できる(「dビデオ」の6か月契約が条件)。

「dtab」。カラーはAluminium Silverの1色展開。背面には「dtab」のロゴを記載

dマーケットの使いやすさを追求した独自UI


dtabをはじめとする機器を利用して、シームレスにコンテンツを楽しめる「スマートホーム」のイメージ

 dtabは、ドコモが提案する「スマートホーム」構想を実現する要素のひとつだ。スマートホームとは、スマートフォンと家庭の機器を連携させ、映像や音楽などのコンテンツを自由に楽しめる環境を提供するという、ドコモの新戦略。dtabは、その構想を担う端末の第1弾として開発された。

 端末の最大の特長は、Android端末の標準的な機能を備えつつ、ドコモが運営する「dマーケット」のコンテンツを手軽に楽しめるようUIがカスタマイズされていることだ。ちなみにこのdtab、先述の通りキャンペーン価格は1万円を切る低価格を実現している。これは、コンテンツから収益を得るAmazonの「Kindle」のようなビジネスモデルを意識してのことだろう。dマーケットの販売を活性化させるための施策、と言い換えてもいい。

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「オススメ情報」を表示するウィジェット。各ストアの最新情報をチェックできる

 そんな端末であるから、ホーム画面の中央部にはdマーケットの「オススメ情報」を表示する巨大なウィジェットが配置されている。このウィジェットには、アニメやゲーム、電子書籍、音楽などの最新情報が表示される。説明員によれば、これらの情報は専任スタッフによって毎日更新されるとのことだ。購入履歴などからおすすめ商品を推薦するものではないので、自分のニーズに合致するかはやや不明瞭だが、新着情報を手早く確認できるという点では便利だろう。

「dショッピング」では米や水などの商品のほか、「らでぃっしゅぼーや」の生鮮食品などを購入可能

ホーム画面右側に配置されたストアメニュー。ショッピング、電子書籍、ビデオ、音楽、ゲームなど全部で9つのストアが並ぶ。下部にはアプリメニューを開くボタンとブラウザ、Google Playのアイコンを配置

 ウィジェットの右側には「dマーケット」「dショッピング」「dブック」といった具合にストアのリストを表示する。タップするとブラウザが起動し、目的のストアにアクセスできる。ストアの並び順は任意で変更することはできない。dマーケットで新たなストアが開始された場合は、ソフトウェアの更新によってリストに追加されるそうだ。

 dtabでdマーケットのコンテンツを利用するには、「docomo ID」が必要になる。ドコモのスマートフォンユーザーであればdocomo IDを入力することで、追加の契約なしでdマーケットのコンテンツを楽しめる。

 なお、dtabはdマーケットの利用を主眼に置いたモデルだが、一方でYouTubeやGoogleマップなど、Android標準のアプリがプリインされており、ブラウザでウェブを閲覧したり、Google Playからアプリを取得したりといった操作が行える。

ドコモが提供するクラウドサービスにも対応。今回は試用できなかったが、「しゃべってコンシェル」「フォトコレクション」「スマートフォンあんしん遠隔サポート」の3サービスが利用できる(写真=左)。ドコモのスマートフォンで利用しているdocomo IDでログインする

10.1インチのディスプレイ、Android4.1を採用

 ディスプレイは、10.1インチワイドXGA(1280×800ドット)TFT液晶を採用した。フルHDには解像度でやや劣るが、HDの解像度を備えているので、動画の視聴や写真の閲覧を快適に行える。dマーケットのコンテンツも、大画面でストレスなく楽しめる。

 ボディサイズは約257(幅)×176(高さ)×9.9(厚さ)ミリで、重量は610グラム。同じく10.1インチのディスプレイを搭載した「Xperia Tablet Z SO-03E」(重量495グラム)と比較すると、やや重くなっているが、ソファやベッドなど端末を置いた状態で操作できる環境なら、快適に利用できるだろう。

端末の上部にはmicroSDカードのスロットを搭載(写真=左)。底部にはボタン類や端子などはない(写真=右)
右側面には電源ボタンを配置(写真=左)。左側面には3.5mmイヤフォンジャックと、microSDコネクタを備える(写真=右)

背面の左右にスピーカーを搭載。音質技術「Dolby Digital Plus」に対応し、音楽や動画などのコンテンツを高音質で楽しめる

 OSにはAndroid4.1を採用。チップセットには、Huaweiの関連会社、HiSilicon Technologies製のクアッドコアCPU「K3V2T」(1.2GHz)を採用している。実際にホーム画面やアプリメニューを操作すると、引っかかりを感じることなく滑らかに動作した。ブラウザやカメラなどのアプリも機敏に動いていた。


dtab専用のカバーなどの周辺機器もサードパーティから発売される予定。dtabはBluetooth3.0に対応しているので、キーボードやスピーカーなどの外部機器をワイヤレスで接続できる

 バッテリー容量は6020mAhで、脱着することはできない。メモリ(RAM)は1GB、内蔵ストレージ(ROM)は8GBで、背面には有効約300万画素CMOSカメラを搭載。前面には有効約130万画素CMOSのフロントカメラも備える。

 外部メモリは最大32GBのmicroSDHCカードに対応。ワンセグや赤外線通信、おサイフケータイ、防水・防塵、テザリング、spモードメールなどには非対応だ。

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