2画面スマホ「MEDIAS W」にアプリ業界も注目:MetaMojiとスパイシーソフトの場合
2画面スマホ「MEDIAS W N-05E」の活用には、対応アプリの存在が欠かせない。プリセットアプリ以外では対応版の登場を待つ必要があるが、いち早く開発を行っているのがMetaMojiとスパイシーソフトだ。
2つの液晶ディスプレイを持つNTTドコモのAndroidスマートフォン「MEDIAS W N-05E」(4月発売予定)。それぞれの画面を活用するにはプリセットされた対応アプリの利用が欠かせない。もちろんそれ以外のアプリも動作するが、画面の使い分けなどはアプリ側のアップデートが必要だ。
NECカシオモバイルコミュニケーションズが行った商品説明会では、「Android SDKがあれば2画面対応アプリの開発は可能であり、特別なツールはいらない」ことが紹介された。しかし画面の切り替えなどの動作が異なるため、いくつか注意すべきポイントがあるという。そうした開発者向けの情報は、今後開示していく予定。MEDIAS W発売前の3月には、dメニューを提供するドコモの公式コンテンツプロバイダー向けに情報が提供され、端末発売後にはドコモの開発者向けサイトで一般公開されるという。
すでに2画面対応アプリを開発している企業もある。NECカシオの商品説明会には、ゲストとしてMetaMoji代表取締役社長の浮川和宣氏が出席。現在開発中のAndroid版「Note Anytime」を2画面対応させると述べた。またスパイシーソフト代表取締役CEOの山田元康氏も、次期バージョンのAndroid版「マンガ★ゲット」が2画面に対応することを表明した。
Note Anytimeは、手書きのアナログな感覚にこだわったノートアプリ。現在はiOS版とWindows 8版があるが、Android版の開発は“ハードの断片化”により難航していた。しかし2画面スマホのMEDIAS Wが登場したことで「その形状とカチっとした質感と折りたたんだ際の薄さ。ハードのできの良さに私を含めて開発陣のモチベーションが上がった」(浮川氏)という。待望のAndroid版は、近日中に公開される予定だ。
「iPadに感銘を受けて手書き文字入力の『mazec』を開発した。キーボードを使った文字入力の壁を乗り越えるには、ひらがなも漢字も混ぜた手書き入力しかないと考えている」という浮川氏。タッチパネルを搭載して手書きに対応したスマートデバイスが処理能力と通信速度を向上させていることから、今後はMEDIAS Wのように2画面化などのマルチウィンドウに対応すると予想する。
「1つの画面で動画を見ながら、もう1つの画面でメールを送る――こんな使い方がスマホでも当たり前になるだろう。いかに未来を作るかが私たちの仕事だが、ハードがなければソフトは作れない。MEDIAS Wは閉じても薄くてコンパクト、ものすごく未来を感じる存在」(浮川氏)
スパイシーソフトのマンガ★ゲットは、その名の通りコミックを読むための電子書籍アプリ。サービス自体は漫画の投稿や共有を目的としており、アップされた作品は無料で楽しめる。ページでなくコマごとに分割して表示することで、ディスプレイが小さいフィーチャーフォンにもいち早く対応した。
「マンガは特殊な存在。絵と文字があり、高解像度でないと表示できない。そしてコマだけでなく、見開きなどページ全体で演出されている。フィーチャーフォン向けのコマ割り表示は好評だが、投稿者からは『めんどくさい』という声もあった」(山田氏)
スマホ版ではコマ割に加えてページごとの表示が可能、さらにタブレットなら見開きでも表示できる。そのどちらの特徴も持つMEDIAS Wでの利用も考え、数週間前から2画面対応の次期バージョンの開発に着手した。
「2画面対応は難しいと思ったが、特殊な対応はいらなかった。スマホとタブレットに共通する処理を行うだけで、2画面に対応したアプリができる。電子書籍業界のなかでマンガはブレークスルーしていないジャンル。そしてマンガは暇つぶしに読むもので、どこでもいつでも楽しめる気軽さが大事。さまざまなスタイルで読めるMEDIAS Wの登場をきっかけに、マンガアプリもブレークして欲しい」(山田氏)
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