2015年に登場!? 組み立て式スマホとは:R25スマホ情報局
ユーザーが部品を組み合わせて好みのスマートフォンを作れる「Project Ara」。Googleが進めるこのプログラムはいったいどんなものなのだろうか。
好きなアプリを入れて自分好みにカスタマイズできる――というのはスマホの大きな魅力。そんなカスタマイズがスマホ自体でできるようになるという話をご存じだろうか。それはユーザーが部品を組み合わせ、自分好みにカスタマイズ可能なスマホを実現する「Project Ara」。このプロジェクトを手がけるGoogleが、4月15日、2015年からAraの販売を開始すると発表し話題を集めている。そもそもAraとは一体どんなスマホなのか、ITライターの三橋ゆか里氏に教えてもらった。
「Araはメーカーや個人開発者などがGoogleの規格に沿って制作したパーツを、Googleが提供する『Endo』と呼ばれるフレームにはめ込み、カスタムできるようにしたスマホのこと。カメラやバッテリー、センサー、アンテナなどの各機能が、タイル型のプレートとして独立しており、それらを組み合わせて、独自のスマホを作ることができます。特殊な電磁石で接続するため、パーツは簡単に脱着可能。パーツを購入するECサイトは、アプリを購入するGoogle Playのような形で用意される予定です」(三橋さん)
写真の質にこだわりたいなら高性能なカメラを選んだり、外出が多めなら長持ちするバッテリーを選んだり…と自分のライフスタイルに応じたパーツを選べるのが、最大のメリット。もしカメラが不要な場合は、代わりに予備のバッテリーをつけかえるだけ。つまり、自分の好みに合わせた世界でひとつだけのスマホをひとりひとりが持てるということだ。
「スマホにかけるコストが低くなるのもメリットのひとつです。現状だと、スマホを買い替える場合、そのつど新しいデバイスを購入する必要があり、大きな出費になります。けれどAraは、パーツを買い替えられるため、現状よりもコストを抑えながらスマホを最新の状態に保つことができるんです」(同)
一方で、“選択肢の多さ”から生じるデメリットもある。
「パーツ×メーカー×種類で掛け算すると、大量の選択肢が生まれます。また、作り手によっても品質にバラつきが出てくるはず。消費者がどこまで各パーツの品質を判断できるのか、販売側が品質への不安に対処できるのかは課題といえるでしょう」
そして、消費者が最も気になる具体的な価格だが、機能を最小限に抑えたスターターモデル「Gray Phone」は50ドルから提供される予定だという。
「パーツの作り手によるので価格はピンキリですが、高いものだと機種全体で500ドルほど。品質にこだわったり、より高機能を求めたりすると当然高価になりますが、最低限の機能で十分という場合は、より安価に購入できます」(同)
Googleは発展途上国の人々を中心に、高額なスマホを買えない人々にAraを届けたいとしている。「Araのプラットフォーム提供も、そのような国々から優先的に開始される予定」と三橋さん。
スマホに革新をもたらすであろうAra。今後の続報に期待したい。
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「Porject Ara」は、サードパーティー製のモジュールを組み合わせたスマートフォンを購入し、後からカメラやプロセッサを付け替えたりすることもできるようにするオープンハードウェアプラットフォーム構想だ。
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