格安スマホ利用したい人は36.8%!見えてきたみんなの本音:SIM通
MMD研究所が「格安スマホに関する意識調査」を発表。格安スマホの利用意向は36.8%、購入しない理由は「今の携帯会 社が安心だから」が56.8%と最も多い結果でした。
3月30日、MMD研究所の「格安スマホに関する意識調査」が発表されました。
これによると、格安スマホの利用意向は36.8%、購入しない理由は「今の携帯会 社が安心だから」が56.8%と最も多いという結果になりました。
本調査は、16歳以上のスマートフォン・携帯電話を所持ししている男女1,670名を対象に実施され、調査期間は2015年3月13日から16日まで。この調査結果を元に、格安スマホの現状や今後の展望について考えていきたいと思います。
「認知率9割」「利用者1割」など様々な結果が明らかに
まずは「格安スマホを知っているか?」という質問。
「知らない」と解答したのはわずか9.8%で、残りの90.2%の方が「認知している」と言えます。
「知っており、詳しく説明ができる」20.1%、「知っているが、あまり説明はできない」が38%、「名前は知っているが、内容は知らない」が32.2%ですので、知っている人でもその理解度には大きな開きがあることが分かります。
続いては、格安スマホの利用率。
「利用している」が10.9%で、約9割の方は使っていないという状況です。
競争の激化、テレビCMや広告などで認知率は圧巻の9割でしたが、実際に理解している人が約6割、詳しく説明できる人が2割、実際に使用している人が1割と「認知」から「契約」までの高い壁を感じる結果となりました。
ポイントは、38%の「知っているが、あまり説明はできない」人を「知っており、詳しく説明ができる」という項目まで引き上げることができれば、口コミなどで全体的な理解度は深まるのではないでしょうか。
格安スマホのシェア1位は「OCN モバイル ONE」、利用者の8割が料金の安さを重視
続いては、格安スマホ利用者(全体の10.9%)を対象とした設問を見ていきます。
利用している格安スマホ会社は上位から「OCN モバイル ONE」30.8%、「IIJmio」26.9%、「楽天モバイル」15.9%、「BIGLOBE LTE・3G」12.1%、「イオンモバイル」11.5%となっており、全てドコモの電波を使用した格安スマホ会社となりました。
また、上位3社のシェアを合計すると73.6%となり、強すぎる印象も持ちました。
格安スマホを選ぶ際に重視したポイント(複数回答可)は、「月額料金の安さ」が81.3%とかなり多く、「通信速度の速さ(LTE対応の有無)」42.3%、「通話プランがあること」28%、「最低利用期間が短いこと」20.3%、「料金プランの豊富さ」19.8%と続きます。
特に選択が多い上2つの項目は「安く使いたいけど、通信速度は速い方がいい」という一見すると矛盾するようなユーザーの要望がキッチリ出た結果ではないでしょうか。
また購入時の不安については、「契約がわかりにくそう」が26.4%、「乗り換えがめんどくさそう」24.2%、「サポートがよく無さそう」21.4%、「自分がどれくらいのデータ容量を使うかわからない」18.7%と続く反面、「不安に思った点はない」も22%でした。
「格安スマホ利用したい」36.8%、「2015年内の購入」11.9%
現在格安スマホを利用していない人への設問。
格安スマホの利用意向は「とても利用したいと思う」10.9%、「やや利用したいと思う」25.9%と合わせて36.8%。
「どちらとも言えない」が33%、「あまり利用したいと思わない」18%、「全く利用したいと思わない」12.1%と、【利用したい】【どちらでもない】【利用したくない】がほぼ3分割される結果となりました。
また格安スマホの購入予定については、「2015年3月中には購入を考えている」が1.3%、「2015年6月頃までには購入を考えている」5.4%、「2015年年内には購入を考えている」が5.2%、「時期は未定だが、購入を考えている」が23.2%。
「今のところ購入予定はない」が64.9%とシビアな結果となっております。
今後格安スマホが普及する鍵は?
最後にまだ格安スマホを使っていない方の「格安スマホを購入するにあたって不安な点」と「格安スマホを購入しない理由」を見て、今後の展望を考えたいと思います。
格安スマホを購入するにあたって不安な点(複数解答可)は「乗り換えがめんどくさそう」36.8%、「契約がわかりにくそう」35.5%、「実際に料金が安くなるかわからない」33%、「サポートが良くなさそう」29.6%、「自分がどれくらいのデータ容量を使うか分からない」と並んでおります。
1位・2位の項目に関しては、いずれも事務手続きの項目になっており、最初の契約の時点でのハードルの高さが結果として出ています。
また「格安スマホを購入しない理由」については「今の携帯電話会社の方が安心だから」が56.8%と断トツで多く、「今使っている端末と同じように使えるかわからないから」が25.2%、「つながりやすさに不安があるから」22.9%、「サポートが不安だから」22.6%、「通信速度が遅そうだから」19.9%と続いています。
ざっくりとまとめると「格安スマホは事務手続き含めて不安で、今の携帯電話会社の方が安心だからそのままでいい」ということではないでしょうか。
さらなる利用拡大にはサポート体制を整えることが急務
今後、格安スマホを普及・拡大するためには、まずは格安スマホの内容を知ってもらい、説明できる段階まで理解を深めてもらう。そうすることで、様々な不安がかなり軽減されます。
そして実店舗の拡大、申込システムの簡素化でより間口を広げ、格安スマホを理解している方を実際の行動に移しやすくする。
またあわせて、大手携帯電話会社が顧客の信頼を失うような対応、問題が発生した場合は格安スマホへの以降を後押しするかもしれません。
例えばメッセージアプリ「LINE」が日本でここまで爆発的に普及したのは、ドコモが提供していたスマホ向けキャリアメールアプリ「spモード」の評判が悪かったのも理由の一つと分析する方も結構います。
それと同じようにして、大手携帯電話会社の判断ミス・トラブルが格安スマホをアシストするのか、この辺りもあわせてチェックしたいものです。(文:モバイルプリンス)
基本情報から価格比較まで――格安SIMの情報はここでチェック!→「SIM LABO」
関連記事
格安SIMは昼に速度が低下する傾向に――MMDが10社+3キャリアの通信速度を調査
MMD研究所が、格安SIMの通信速度調査の結果を発表。格安スマホは朝、昼、夕で平均スピードに差が出たが、3キャリアに大きな差はなかった。スマートフォン所有率は62.5%、「SIMロック解除」認知度は73.3%――MMD研究所の定点調査
MMD研究所の「2015年4月携帯端末購入に関する定点調査」で、スマートフォン所有率や「SIMロック解除」の認知度、使用している端末のシリーズなどが発表となった。MVNOを利用しない理由は「詳細が分からない」――SIMフリースマホ&MVNOのSIMカードに関する調査結果
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は、SIMフリースマートフォンの販売動向と、MVNO SIMカードの利用意向について調査を実施。認知度が高まる一方、利用しない理由では「詳細が分からない」が最も多くなった。NTTレゾナントが格安スマホの利用実態に関する調査結果を発表――購入者の約2割が「失敗した」経験あり
NTTレゾナントは格安スマホの利用実態に関するアンケート調査を実施。購入に際し「失敗した」経験があるのは全体の約2割で、60代以上のその理由はサポート面が中心となっている。MM総研「2014年国内携帯電話端末出荷概況」発表――フィーチャーフォン出荷台数が7年ぶりに前年を上回る
MM総研は、2014年1月~2014年12月までの国内携帯電話端末における出荷台数調査結果を発表した。総出荷台数は2年連続で減少したが、フィーチャーフォンは前年比5.7%増の1058万台となった。
関連リンク
Copyright:(C) NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.