MVNOを利用しない理由は「詳細が分からない」――SIMフリースマホ&MVNOのSIMカードに関する調査結果
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は、SIMフリースマートフォンの販売動向と、MVNO SIMカードの利用意向について調査を実施。認知度が高まる一方、利用しない理由では「詳細が分からない」が最も多くなった。
ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン(GfK Japan)は、4月3日に「SIMフリースマートフォンの販売動向およびMVNO SIMカードの利用意向調査」の結果を発表した。
販売動向に関する調査は、ダイレクト販売を除く全国有力家電量販店・携帯電話専門店などの販売実績をもとに、小売市場規模相当に拡大推計した値を調査結果として報告。
利用意向については、18〜69歳の男女が調査対象で、調査期間は1月29日〜2月8日。サンプル数はプレ調査で7836人、本調査は3カ月以内にスマートフォンを購入した438人、1年以内にスマートフォンを購入する予定の430人、合計868人。調査方法はインターネットとなっている。
本調査によれば、スマートフォン販売においてSIMフリー端末が占める割合は2015年1-2月期で1%、家電量販店・インターネットに絞ると5%となった。SIMフリースマートフォンの認知度は約8割に達し、64%だった半年前の調査に比べ、アップしたことが分かる。
一方、MVNOのSIMカードの非ユーザーに利用意向をたずねたところ、10%が「利用したい」、48%が「比較検討したい」と回答。利用しない理由では「詳細が分からない」が最多となり、「サポートや保証が不安」と続く。通信を比較的低価格に抑えられるMVNOサービスだが認知度や安心感の向上、分かりやすい仕組み作りが必要といえそうだ。
リリース本文
以下、リリースの本文です。
「SIMフリースマートフォンの販売動向およびMVNO SIMカードの利用意向調査」
【概要】
- スマートフォン販売に占めるSIMフリー端末の数量構成比は2015年1〜2月期で1%、家電量販店・インターネット販売では5%
- MVNO SIMカードを利用しない理由のトップは「詳細が分からない」
【SIMフリースマートフォンの認知度上昇。スマートフォン販売に占める割合は1%】
スマートフォン販売に占めるSIMフリー端末の数量構成比は2015年1〜2月では1%であった。ただし、家電量販店およびインターネット販売に購入チャネルを絞ってみるとこの割合は5%に達した。SIMフリースマートフォンの販売モデル数は2月時点で20モデルを超えるが、売れ行きの良いモデルは限られており、今後の拡大は市場に投入されるモデルのスペックやメーカーの認知度等にある程度の影響を受けることが考えられる。端末の税抜き平均価格はおよそ26,000円でミドルレンジのモデルが主流となっている。
SIMフリースマートフォンの認知度について、3カ月以内のスマートフォン購入者、および1年以内のスマートフォン購入検討者を対象に調査を行ったところ、知っている割合※2は78%に達した。半年前に実施した調査ではこの割合は64%にとどまっており、CMやキャンペーンなどによる露出増加に伴い認知度は高まっているといえる。
【MVNO SIMカードの利用意向】
SIMフリースマートフォン購入の主な目的としては海外やMVNOのSIMカードを使用し通信費を抑えることがある。MVNOのSIMカードの利用意向について調査したところ、非ユーザー※3の内10%が「利用したい」とし、48%が「比較検討したい」とした(図1)。通信費はスマートフォンの主要な不満点の一つであり、MVNOが提供する比較的低価格なSIMカードはフィーチャーフォンユーザーとスマートフォンユーザーの双方をターゲットに今後拡大すると見込まれる。一方で、MVNOのSIMカードを利用しない理由としては、「詳細が分からない」が最多回答となっており、「サポートや保証が不安」がそれに続いた(図2)。
MVNO市場の更なる拡大には、認知度や安心感の向上に加え、フィーチャーフォンからの買い替えも視野に入れた分かりやすい仕組み作りが必要といえる。また、既に一部始まっているキッティングサービスや端末の保証サービスの充実にも期待がかかる。
※1 全国有力家電量販店・携帯電話専門店等の販売実績を基に小売市場規模相当に拡大推計(ダイレクト販売を除く)
※2 利用している、利用したことがある、知っている、名前は聞いたことがあるの合計
※3 携帯電話使用者かつMVNOのSIMカードの非使用者
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