Xperia Z4が“一枚板の完成形”と呼べる理由/発熱は「基準値は満たしている」:開発陣に聞く「Xperia Z4」(前編)(2/2 ページ)
ソニーモバイルが「完成形」と呼ぶほどの自信作となった「Xperia Z4」。光沢感の増したメタルフレームや、厚さ6.9ミリにまでそぎ落とされたボディは、どのようにして作られたのか? インタビューの前編では、デザインと機構設計について聞いた。
6.9ミリまで薄くできた秘密
Xperia Z3の厚さ約7.3ミリ、重さ約152グラムから、Xperia Z4は厚さ約6.9ミリ、重さ約144グラムになり、さらなる薄型化と軽量化を果たした。その秘密の1つは、厚くなりがちなカメラ部の積み重なる部品を極限まで排除したこと。従来機種ではカメラ窓とリングを別物にして厚みをロスしていた箇所を、Xperia Z4では、一枚のガラスの中にカメラ窓と背面デザイン要素を合わせ込んだことで、完全にフラットな背面となり、さらなる薄型化につながった。
加えて、バッテリー容量をZ3の3100mAhから2930mAhへと減らしたことも大きい。実際のスタミナはZ3に分があるが(→「Xperia Z4」のバッテリーはどれだけ持つ?――Z3と比較してみた)、必要最低限のスタミナは確保したという。「バッテリー容量は、電気的パフォーマンスと商品パフォーマンスを最適化しました。電池の容量を減らしてもZ3と同等のパフォーマンスを確保できるよう最適化しています」と金田氏は話す。
発熱の基準値は満たしている
Xperia Z4では発熱問題も気になるところ。Xperia Z3に比べてZ4は明らかに使用中の温度が高いと感じるが(→「Xperia Z4」はどれだけ“熱い”のか? 放射温度計で測定してみた)、金田氏は「安心して使ってもらえるよう、発熱の基準値は満たしている」と言う。「上部に発熱源の基板がありますが、ヒートパイプというシートで熱を下へ拡散できるよう工夫をしています」(同氏)。ちなみに、カラーバリエーションによる発熱の差はないそうで、太陽光が当たったときも「体感的な差分があるという認識はない」(同氏)とのこと。
電源キーとボリュームキーの距離にも変化が
実際にXperia Z4を使っていて気づいたのが、電源キーやボリュームキーの押し心地がXperia Z3よりも良くなっていること。クリック感が向上していると感じるのだ。これは、「ボタンと押し込む部品を仲介するガスケットの構造を、ラバーからプラスチックに変えた」(金田氏)ことによる。
細かいところでは、電源キーとボリュームキーの距離を従来よりも大きくした。これは「ボリュームキー(上)を押したときに、電源キーに触れてしまい、引っかかる感じがする」「通話中にボリュームキーを押したつもりが、電源キーを押して電話を切ってしまうことがあった(電源キーで終話は設定からできる)」という声があったためだそう。
こうしたさり気ない配慮は、目に見えづらいが、ユーザーの満足度向上につながりそうだ。
後編ではディスプレイと今後のXperiaについて聞きます。
関連記事
「Xperia Z4」の性能はどこまで向上した?――ベンチマークスコアをZ3と比較
Xperia Z4は、Z3よりも1世代上のプロセッサ「Snapdragon 810」を搭載しているが、どこまで性能が上がったのか? 3つのベンチマークテストで比較してみた。「Xperia Z4」はどれだけ“熱い”のか? 放射温度計で測定してみた
Xperia Z3と比べて明らかに「熱い」と感じる「Xperia Z4」。実際どれくらいの温度なのか? 放射温度計を使い、さまざまなシチュエーションで測ってみた。「Xperia Z4」のバッテリーはどれだけ持つ?――Z3と比較してみた
Xperia Z4のバッテリー容量はZ3の3100mAhから2930mAhに減っているが、実際のスタミナはどうなのか。Z4とZ3でいくつかのテストを実施して比べてみた。「Xperia Z4」発売!――開封リポート&ファーストインプレッション
6月10~12日に「Xperia Z4」が3キャリアから発売された。さっそく購入してきたので、開封リポートとファーストインプレッションをお届けしよう。Xperia Zシリーズは終わりを迎えるのか?――「Xperia Z4」で感じた“疑問と期待”
Xperia Zシリーズの完成形とうたう「Xperia Z4」が日本で今夏、発売される。今のところ海外展開は決まっていないが、その理由は? そして今後のXperiaはどうなっていくのだろうか?「Zシリーズの命題に答える完成形だ」――ソニーモバイルが「Xperia Z4」で見せる自信
「Xperia Z4」の発表会で連呼されたのが「完成形」という言葉。それだけに、ソニーモバイルがいかに本機に自信を持っているかがうかがえる。また、フラッグシップスマートフォンを日本で発表したのも珍しい。その理由とは――。Z2から約0.9ミリ薄く、約11グラム軽くできた秘密とは?――「Xperia Z3」の中身はこうなっている
Xperia Z3を手に取ると、Xperia Z1やZ2から薄く、軽くなっていることを実感する。それでいて、機能は進化しているのだから驚きだ。Xperia Z3の厚さ約7.3ミリ、重さ約152グラムは、どのような工夫で実現したのだろうか? インタビュー第1回では商品企画と機構設計の担当者に話を聞いた。「Xperia Z3」でパープルを採用しなかった理由は?――デザインとカラーの意図を聞く
従来のオムニバランスデザインを進化させ、さらに洗練された「Xperia Z3」。インタビューの第2回では、デザインとカラーのこだわりを聞いた。ホワイトは前面も白く塗装した理由、そしてパープルを採用しなかった理由とは――。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.