KDDI、無線でワイヤレス給電できる「Cota」を開発――CESでデモを披露
KDDIは、資本提携している米Ossiaと共同でワイヤレス給電システムを共同開発。電波を伝送することで、理論値で10メートル離れた場所からでも給電ができるという。
KDDIは12月22日、米Ossia(オシア)と共同で、離れた場所にある端末をワイヤレスで給電できる技術「Cota(コータ)」の実用化を目指し、ワイヤレス給電システムを共同開発したことを発表した。OssiaはKDDIは2015年1月に資本提携を行った会社。
Cotaは、従来のモバイル端末に加え、ウェアラブルやIoTデバイスのワイヤレス給電を可能にする技術。2.4GHz帯の無線による電波電送方式にて、理論値で最大10メートル離れたところから、複数のデバイスを1wまで給電ができるほか、障害物がある場合や、受電する端末が動いていても給電が可能だという。受電側のデバイスが搭載するレシーバーは、ローコストで実装できるため、IoTデバイスに適しているとしている。
現在も「Qi」や「WiPower」などのワイヤレス給電技術が提供、開発されているが、いずれも専用の充電台に端末を置く必要がある。無線での充電が可能になれば、端末を置く場所を意識することなく、より手軽に充電ができるようになる。
KDDIとOssiaは、2016年1月6日から9日まで開催される2016 International CESにて、Cotaのワイヤレス給電と認証給電のデモを実施する。ワイヤレス給電では、スマートフォンのバッテリーケースとIoTデバイス内のバッテリーをワイヤレスに給電。デバイスごとの給電状況をアプリで確認したり、給電のオン/オフを制御したりできる。認証給電では、「au ID」を用いて、チャージャーが給電するデバイスを設定・登録すると、認証されたデバイス(スマホのバッテリーケース)のみを給電する。
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