「BIGLOBE LTE・3G」好調! 新参の「エキサイトモバイル」はどう?――「格安SIM」19サービスの実効速度を比較(ドコモ回線7月編):通信速度定点観測(2/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。2015年7月から続けている本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2016年7月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
アイティメディア社内:移転後初測定はドコモ強し 次点は「FREETEL SIM」
前述の通り、アイティメディアは7月に、東京都千代田区の紀尾井町ビルに移転した。今回の測定は、移転後初めての測定となる。新本社は旧本社(東京都港区赤坂)を見通せる場所にあり、都心部での昼過ぎの状況を測定するという意味では環境的に大きな変化はない。
測定はアイティメディアの来客用会議室で行った。天候は曇り。周辺は官庁街やビジネス街があり、ランチタイムに出歩いている人も大人がほとんどだ。ビジネスマンがバリバリ仕事でスマホを使っていそうなイメージもあったが、外に出ている人は意外とスマホをいじっていない印象だ。果たして実測値はどうか……?
やはりネットワークは混雑しているらしい。13サービスが下り平均1Mbps未満で、2サービスが下り平均10Mbps以上となった。
トップは下り平均38.27Mbpsのmopera U。先月に続き、ドコモ純正の強さを見せるダントツぶりだ。2位も先月と同じくFREETEL SIM。速度は下り平均18Mbps超だった。
2位から少し間を取って、3位には下り平均4.02MbpsでWonderlink(LTE F)がランクインした。下り平均1Mbps台のサービスは、おかわりSIM、楽天モバイル、U-mobile(LTE使い放題)の3つ。ラインアップはランチタイムの横浜駅と似たような感じだが、U-mobileが加わり、下り平均0.88Mbpsのエキサイトモバイルが脱落している。
下り平均速度のワーストワンは0.3Mbpsの「NifMo」、ワーストツーは0.34Mbpsのmineo(Dプラン)、ワーストスリーは0.4Mbpsのロケットモバイルとなった。。
一方、どのサービスも上りの平均通信速度は好調で、9サービスが上り平均10Mbps以上を記録した。ワーストワンでも上り平均7.74Mbpsだから、どのサービスも上り通信なら快適に使えそうだ。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 12:20 | 0.79 | 8.14 |
OCN モバイル ONE | 12:20 | 0.56 | 10.3 |
BIGLOBE LTE・3G | 12:24 | 0.93 | 12.54 |
b-mobile(おかわりSIM) | 12:24 | 1.7 | 10.44 |
So-net モバイル LTE | 12:34 | 0.6 | 10.93 |
楽天モバイル | 12:34 | 1.35 | 9.37 |
NifMo | 12:38 | 0.3 | 8.7 |
FREETEL SIM | 12:39 | 18.6 | 11.19 |
ロケットモバイル | 12:41 | 0.4 | 8.48 |
U-mobile(LTE使い放題) | 12:41 | 1.12 | 7.99 |
DMM mobile | 12:44 | 0.75 | 9.34 |
Wonderlink(LTE I) | 12:48 | 0.85 | 8.82 |
mineo(Dプラン) | 12:47 | 0.34 | 10.24 |
Wonderlink(LTE F) | 12:51 | 4.02 | 8.61 |
0 SIM | 12:51 | 0.37 | 9.71 |
DTI SIM | 12:53 | 0.6 | 10.56 |
イオンモバイル | 12:53 | 0.91 | 7.74 |
エキサイトモバイル | 12:55 | 0.88 | 13.19 |
ドコモ(mopera U) | 12:44 | 38.27 | 10.39 |
まとめ:主に3タイプに分かれた19サービス
7月の測定結果を振り返ると、BIGLOBE LTE・3Gが下り平均で2度トップを飾り目立っているが、ランチタイムは苦手であることもハッキリと分かる。同じく上位争いに絡んできたIIJmioは、午前中と夕方に強い反面、ランチタイムは下り平均1Mbps未満と弱くなってしまう。今回の測定から新たに加わったエキサイトモバイルも、これらのサービスと同じ傾向にある。ランチタイムに下り平均1Mbps以上を維持できるかどうかが、今後の品質面でのカギとなるだろう。
ランチタイムの強さではドコモ純正のmopera Uが圧倒し、MVNOではFREETEL SIMが一番強く、それにWonderlink(LTE F)が続くというパターンが成立している。おかわりSIMや楽天モバイルも、下り平均1Mbps以上を維持しているという観点では底堅い。この観点ではイオンモバイルは実は惜しい結果であった。
時間帯を問わず下りの平均速度がいまひとつだったのはOCN モバイル ONE、So-net モバイル LTE、NifMo、ロケットモバイル、U-mobile(LTE使い放題)、mineo(Dプラン)、0 SIM、DTI SIMあたりだ。今後の改善に大いに期待したい。
各サービスの傾向をまとめると以下の通り。
- IIJmio……午前と夕方に強い
- OCN モバイル ONE……上りに期待
- BIGLOBE LTE・3G……午前と夕方に強い
- b-mobile(おかわりSIM)……常に底堅い
- So-net モバイル LTE……上りに期待
- 楽天モバイル……常に底堅い
- NifMo……上りに期待
- ロケットモバイル……上りに期待
- FREETEL SIM……底堅くランチタイムに強い
- DMM mobile……午前と夕方に強い
- U-mobile(LTE使い放題)……上りに期待
- Wonderlink(LTE Iシリーズ)……午前中は強力
- Wonderlink(LTE Fシリーズ)……底堅くランチタイムに強い
- mineo(Dプラン)……上りに期待
- DTI SIM……上りに期待
- 0 SIM……上りに期待
- イオンモバイル……横浜で底堅く午前中は強い
- エキサイトモバイル……午前と夕方に強い
- ドコモ(mopera U)……終始底堅く強い
今回は傾向が似ているサービスが多く、大きく3グループに分けられる。
「上りに期待」と表記したサービスは、言い方を変えれば「下りの平均速度は大した結果が出なかった」ということだ。下りの速度が期待できないのであれば、アップロード主体のサービスを積極的に利用したほうが良いのかもしれない。
「ランチタイムは低速」というサービスは、これまた言い方を変えれば「午前と夕方には強い」ということになる。ランチタイムはむしろ通信しない、という人にはある意味でぴったりだ。
、「常に底堅い」としたサービスは、「混雑時でもそれなりの速度が出るサービス」ということだ。通信の快適さという意味では「オールラウンダー」である。ただし、この結果がずっと続くとは限らないのがMVNOサービスの悩ましいところでもある。
今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。
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