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FREETEL、Wonderlink、DTIが安定の御三家――「格安SIM」18サービスの実効速度を比較(ドコモ回線4月編)通信速度定点観測(1/2 ページ)

格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。2015年7月から続けている本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2016年4月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。

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 MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。

 そこで、2015年7月から各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。今回は2016年4月における、ドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたい。au系MVNOについても同時に調査したので、別途記事化する。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。

通信速度定点観測

通信速度の調査方法

 今回、テストを行ったのは以下の19サービスだ。

  • IIJmio
  • OCN モバイル ONE
  • BIGLOBE LTE・3G
  • b-mobile(おかわりSIM)
  • So-net モバイル LTE
  • 楽天モバイル
  • NifMo
  • ぷららモバイルLTE(7GBプラン)
  • ワイヤレスゲート
  • FREETEL SIM
  • DMM mobile
  • U-mobile(LTE使い放題)
  • Wonderlink(LTE Iシリーズ)
  • Wonderlink(LTE Fシリーズ)
  • mineo(Dプラン)
  • DTI SIM
  • 0 SIM
  • イオンモバイル
  • ドコモ(mopera U)

 本家ドコモのサービスであるmopera Uを除くと、MVNOのサービスは計18。前回(3月)からSo-netの500MB未満まで無料のサービス「0 SIM」と、多彩な料金プランで話題となっている「イオンモバイル」のSIMを追加している。

 なお、いずれのSIMもLTEの高速通信に対応したものを使っている。

 調査条件は以下の通り。

  • 計測端末:ZenFone 2×2台
  • 計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
  • 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時20分〜)、夕方(18時〜)の3時間帯
  • 計測場所:JR横浜駅西口(午前、午後、夕方)、東京都港区のアイティメディア社内(午後のみ)
  • 計測回数:各時間帯・場所で1サービス、上下3回ずつ(平均値を掲載)

 各サービスの測定を開始した時刻は、以降の各時間帯の表を見てほしい。通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。

 人力のテストなので、全てのサービスを同時に測定しているわけではないことはご理解いただきたい。またau回線の記事でも触れるが、測定の前半はauのMVNOも同時に計測しているため3台同時の測定となり、前半のサービスは測定を始めるまでの準備に時間がかかっている。

 本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。

午前は「イオンモバイル」がトップ、2位が「OCN モバイル ONE」

 今回の測定は4月25日(月)にJR横浜駅西口前、4月28日(木)に東京都港区のアイティメディア社内で行った。まずは横浜駅での午前中の測定結果をお伝えする。

通信速度定点観測

 当日の天候は晴れ。爽やかで気持ちよく、ゴールデンウィークが近付いている時期らしい。筆者はこの日、半袖で過ごしたほど。春先のそわそわした雰囲気は消え、4月後半ということもあって周りの通勤通学の人々も落ち着いた様子。朝から待ち合わせの人もそれなりにいて、周辺にはケータイを使ったネット利用者も多そうだ。

 今回最も速度が出たのは「イオンモバイル」で、下り平均19.81Mbpsだった。上りの速度でも2位につけており文句なし。3月も下り14.22Mbps、上り12.28Mbpsの好成績だったが、いきなりトップを奪うとは予想していなかった。

 2位も意外な「OCN モバイル ONE」で下り平均17.85Mbps。3月は6Mbps台だったが、4月にかけて大幅な設備増強をしたのかもしれない。3位は「DMM mobile」、4位は「BIGLOBE LTE・3G」で上りの速度でもトップと好調だ。5位にこれまた新規組の「0 SIM」、3月に1位の「mineo(Dプラン)」が6位で、ここまでが下り平均10Mbps以上となる。

 3月に測定エラーが多発した「楽天モバイル」と「FREETEL SIM」が、今回は好結果を残し、それぞれ下り平均9Mbps台だった。ワーストは下り平均2Mbps台の「ワイヤレスゲート」で、その他下位には下り平均4Mbps台の「U-mobile(LTE使い放題)」と「b-mobile(おかわりSIM)」が並ぶ。いつもはワースト1の「ぷららモバイルLTE」が下り平均5.45Mbpsとなり、少々速度が回復してきた。

JR横浜駅西口での測定結果(午前)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 8:50 7.34 9.12
OCN モバイル ONE 8:50 17.85 9.91
BIGLOBE LTE・3G 8:55 12.5 14.89
b-mobile(おかわりSIM) 8:55 4.81 9.33
So-net モバイルLTE 9:02 7.82 7.84
楽天モバイル 9:02 9.95 5.65
NifMo 9:05 6.25 5.69
ぷららモバイルLTE 9:05 5.45 5.48
ワイヤレスゲート 9:08 2.08 2.61
FREETEL SIM 9:08 9.55 9.89
DMM mobile 9:10 15.81 6.29
U-mobile(LTE使い放題) 9:10 4 8.81
Wonderlink(LTE I) 9:13 7.13 6.09
Wonderlink(LTE F) 9:16 9.12 7.2
mineo(Dプラン) 9:16 11.6 6.36
DTI SIM 9:19 8.06 9.75
0 SIM 9:19 12.54 8.51
イオンモバイル 9:21 19.81 10.57
ドコモ(mopera U) 9:13 8.57 5.99

午後は「FREETEL SIM」「Wonderlink(LTE F)」が本家を追撃

 昼過ぎも引き続き天候は良く、筆者だけでなく周囲にも半袖の人や腕まくりをしている人を見かける。駅前のデパートも開店しており、大変にぎやか。待ち合わせの人が非常に多く、もちろんその人々は大半がケータイの画面を見ている。

通信速度定点観測

 やはり午前中と比べ、インターネットの利用が多くトラフィックが混雑しているのか、7サービスが下り平均0Mbps台だった。それでも3月よりは少ない。

 成績上位の下り平均10Mbps以上のサービスは4つ。トップは混雑時に強い本家ドコモの「mopera U」で19Mbps超え。2位にはこちらも混雑時に強いことでおなじみ、FREETEL SIMの16.22Mbps。FREETEL SIMは上りの速度でも2位にランクインしている。

 3位には「Wonderlink(LTE F)」が15Mbps台でこれまた速い。こちらも上りの速度も3位という成績。ただし同じWonderlinkでもLTE Iは下り平均0.7Mbpsと大きな差をつけられた。実はこのLTE Fの方がやたら速いパターンは4月以外にもよく見られる。

 4位にはやはり混雑時に上位に来ることが多い「DTI SIM」で、下り平均12Mbps台。以降は一気に速度が遅くなり、下り平均1.89Mbpsの「So-net モバイルLTE」が5位となる。ただし下り平均1.06Mbpsの「BIGLOBE LTE・3G」が上りではトップの11.65Mbpsを出しており光るところを見せた。

 一方、下位はぷららモバイルLTEが下り平均0.42Mbpsで最下位。午前中は踏ん張っていたのだが……ただし上りの速度は悪くない。午前中好調だったOCN モバイル ONEがワースト2位で下り平均0.57Mbps。b-mobile(おかわりSIM)とNifMo、午前中は成績の良かったmineo(Dプラン)とイオンモバイルも下り平均0Mbps台だった。特にイオンモバイルは3月はランチタイムも強かったのだが……。

 また、ワイヤレスゲートは上下ともに1Mbps台。低速ながら速度はあまりぶれない、というのがこのサービス。長所ととるか短所ととるかはユーザー次第だ。

JR横浜駅西口での測定結果(午後)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 12:20 1.21 5.56
OCN モバイル ONE 12:20 0.57 6.23
BIGLOBE LTE・3G 12:24 1.06 11.65
b-mobile(おかわりSIM) 12:24 0.68 6.82
So-net モバイルLTE 12:30 1.89 6.26
楽天モバイル 12:30 1.25 6.16
NifMo 12:33 0.81 7.91
ぷららモバイルLTE 12:33 0.42 6.16
ワイヤレスゲート 12:36 1.59 1.63
FREETEL SIM 12:36 16.22 9.84
DMM mobile 12:39 0.72 5.63
U-mobile(LTE使い放題) 12:39 1.11 8.02
Wonderlink(LTE I) 12:41 0.7 5.92
Wonderlink(LTE F) 12:44 15.57 9.66
mineo(Dプラン) 12:44 0.74 6.47
DTI SIM 12:46 12.47 8.59
0 SIM 12:46 1.68 8.84
イオンモバイル 12:50 0.77 8.55
ドコモ(mopera U) 12:41 19.04 5.88

夕方は「DTI SIM」が下り平均6Mbps台でトップに

 夕方になると横浜駅周辺は大変混雑しており、大型駅らしいにぎわいになり、人ごみであふれていた。待ち合わせの人は1日で最も多く、当然トラフィックの量も増えているはずだ。

通信速度定点観測

 下り平均0Mbps台のサービスは2つ。昼間よりは改善したが、全体的な通信速度は伸び悩んでいる。3月はFREETEL SIMが下り平均で20Mbps近い数値を出していたが、今回のトップはDTI SIMの下り6.69Mbpsで、10Mbpsにすら至っていない。上りの通信速度のほうが全体的に良い結果だ。

 そんななか下りの通信速度で上位陣を見ると、2位に本家ドコモのmopera Uが入る。さすがの存在感だが、下りは平均4.45Mbps。3位に下り平均3.51MbpsのNifMo、4位に3.04MbpsのFREETEL SIMと奮わない。ただ、NifMoとFREETEL SIMは3月の測定でも夕方に上位に入っているので、得意な時間帯ではあるのだろう。

 ワースト1位はまたもぷららモバイルLTEで下り平均0.56Mbps、ワースト2位にこれまたランチタイムと同じくOCN モバイル ONEが入り下り平均0.87Mbps。他は下り1〜2Mbps台だった。

JR横浜駅西口での測定結果(夕方)
計測開始時刻 下り平均(Mbps) 上り平均(Mbps)
IIJmio 18:00 2.25 4.25
OCNモバイルONE 18:00 0.87 4.73
BIGLOBE LTE・3G 18:04 1.24 4.81
b-mobile(おかわりSIM) 18:04 1.65 7.57
So-net モバイルLTE 18:10 4.1 7.31
楽天モバイル 18:10 1.36 6.79
NifMo 18:13 3.51 5.51
ぷららモバイルLTE 18:13 0.56 6.05
ワイヤレスゲート 18:16 1.22 1.47
FREETEL SIM 18:16 3.04 6.14
DMM mobile 18:19 2.33 4.65
U-mobile(LTE使い放題) 18:19 1.01 6.5
Wonderlink(LTE I) 18:22 2.74 5.59
Wonderlink(LTE F) 18:25 2.52 6.19
mineo(Dプラン) 18:25 1.11 5.82
DTI SIM 18:29 6.69 5.32
0 SIM 18:29 2.12 6.03
イオンモバイル 18:32 1.71 5.24
ドコモ(mopera U) 18:22 4.45 6.85

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