「技適」の話をあらためて整理する:MVNOの深イイ話(2/3 ページ)
SIMロックフリー端末を選ぶ際に、必ずチェックしていただきたい項目として「技適マーク」があります。そもそも技適マークとは何を示しているのでしょうか。法令の話を交えて説明します。
「技術基準適合証明」とWi-Fi、Bluetooth
最近の携帯電話(スマートフォン)は、無線LAN、Bluetoothなどの電波を送受信する能力も持っています。これらの電波を日本国内で送信する際は、やはり電波法に基づく必要があります。無線LAN、Bluetoothに関しては、技術基準適合証明を取得した無線機器に限り、無線局の免許が必要ありません(電波法第4条第1項第3号)。また同じく技術基準適合証明を取得した端末については、無線局を操作するための免許(無線従事者免許)も不要です(電波法第39条、電波法施行規則第33条第1項)。
無線LAN、Bluetoothについては、「もともと家の中で使うものだし……」「技適マークなくても大丈夫だよね」と思ってしまいがちなのですが、免許が不要である条件は技適マークの取得が条件となっていますので、技適マークのない端末では無線LAN、Bluetoothも利用することは禁止されています。
時折、技適マークのない端末について「SIMカードを挿さず、無線LANで使用してください」的な売り方をされているケースがあるようですが、無線LANであっても電波を出すことは電波法違反となりますので注意が必要です。
技適マークの取り方
技術基準適合証明を取るためには、国の認証を受けた審査機関(登録証明機関)に検査をしてもらい、パスする必要があります。代表的な登録証明機関として一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)が有名です。このような登録証明機関にハードウェアを持ち込み、1台ずつ検査してもらうことも可能です。
携帯電話のように同一の設計書面に従って量産されるような無線機器については、設計書面をベースに製品全体を包括的に審査してもらうことも可能で、広く行われています(工事設計認証)。
このようにして技術基準適合証明を取得した端末は、総務省の「電波利用ホームページ」に登録され、誰でも検索できます。当然、登録証明機関での検査を経ず、勝手に技適マークを貼付してはいけません。
また、海外の端末メーカーが日本で携帯電話を発売するといった場合は、日本における検査ではなく、日本が「MRA」と呼ばれる相互承認協定を結んでいる外国(欧州・米国・シンガポール)の評価機関で検査を受け、その結果により日本の技適マークを取得することも可能です。
技適マークの調べ方
お手持ちの端末の技適マークを見てみたい場合は、端末の裏やバッテリーパックを外した部分などを調べてみてください。技適マークが印刷されたシールを見つけることができます。
最近のスマートフォンでは、シールを貼れる場所が少なくなっていることもあり、設定画面を開くことで液晶に技適マークを表示できるスマートフォンも増えてきています(iPhoneの場合は「設定」→「一般」→「認証」)。
国内で販売されているSIMロックフリースマートフォンは、基本的に全て技適マークは取得していますが、海外で発売されている端末には、必ずしも技適マークがあるとは限りません。海外のSIMロックフリースマートフォンを購入して、MVNOのSIMカードとセットで使うことを想定している場合、スマートフォンに技適マークがあるかを必ず確認しましょう。
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