主役は楽天モバイル? LINEモバイルは“普通”に――「格安SIM」17サービスの実効速度を比較(ドコモ回線7月編):通信速度定点観測(2/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では、主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。今回は2017年7月のドコモ回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
夕方:下り平均速度トップは楽天モバイル! 2位はFREETEL SIM
夕方の計測も27日に実施した。18時の横浜駅周辺は午前中や昼どきよりも人が多い。その割にランチタイムより通信速度は改善する。結果を見てみよう。
下り平均トップはまたもドコモのmoepra Uで44.25Mbps。MVNOサービスの最速もランチタイムと同じく楽天モバイルだが、速度はグンと伸びて30.4Mbps。続くFREETEL SIMも14.24Mbpsだ。
他のMVNOは下り平均1~2Mbps台に8サービスが入った。1Mbps未満のサービスは0.22Mbpsの0SIMがワースト1で、以下0.53Mbpsのnuroモバイル、0.62Mbpsのロケットモバイル、mineoの0.63Mbpsと続いた。
上り平均速度は全てのサービスが伸び悩み1~4Mbps台となった。トップはおかわりSIMの4.54Mbps、2位はmineo(Dプラン)の3.89Mbpsだった。逆にワースト1は「DTI SIM」で1.03Mbps、そして0SIMはランチタイムから急降下してワースト2の1.18Mbpsとなった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
IIJmio | 18:05 | 2.35 | 1.65 |
OCNモバイルONE | 18:05 | 0.86 | 2.29 |
BIGLOBE SIM | 18:05 | 1.24 | 2.34 |
b-mobile(おかわりSIM) | 18:10 | 0.78 | 4.54 |
LINEモバイル | 18:10 | 1.34 | 3.19 |
楽天モバイル | 18:10 | 30.4 | 3.05 |
NifMo | 18:10 | 0.85 | 1.38 |
ロケットモバイル | 18:14 | 0.62 | 2.66 |
FREETEL SIM | 18:14 | 14.24 | 2.69 |
DMM mobile | 18:14 | 2.29 | 2.65 |
U-mobile LTE使い放題 | 18:14 | 1.34 | 1.38 |
mineo(Dプラン) | 18:19 | 0.63 | 3.89 |
DTI SIM | 18:19 | 2.4 | 1.03 |
0 SIM | 18:19 | 0.22 | 1.18 |
イオンモバイル | 18:19 | 1.55 | 1.44 |
エキサイトモバイル | 18:23 | 2.25 | 1.23 |
nuroモバイル | 18:23 | 0.53 | 1.69 |
ドコモ(mopera U) | 18:23 | 44.25 | 3.25 |
まとめ:楽天モバイルがMVNOトップに! 上りは全体的に伸び悩む
従来強さを見せていたLINEモバイルがすっかり大人しくなってしまった。午前中こそ下り20Mbps以上で十分な速度だが、ランチタイムには1Mbps切りと“普通の”MVNOサービスになってしまった。5月の横浜駅前では「最強」と評価していたのだが……。通信速度は水物であるとつくづく思い知らされる。
速度ではドコモ純正のmopera Uが常に速い。MVNOサービスで活躍が目立ったのは楽天モバイルだ。午前中は下り40Mbps以上で、通信速度が落ちやすいランチタイムや夕方でもMVNOサービス最速をキープした。今後も好調を維持してくれれば嬉しいが、果たしてどうだろうか。
午前中に下り80Mbps超の派手な結果を残したmineoは、あっさり失速しランチタイムと夕方は1Mbps切りとなった。「帯域が空いているときは激速」「帯域が逼迫(ひっぱく)すると遅い」という分かりやすい結果である。
一方、FREETEL SIMについてはいっときの勢いは見られないものの、それでも混雑時に比較的強い傾向にある。今回のランチタイムはギリギリだが下り1Mbps以上、夕方は10Mbps以上を達成している。
全ての時間帯でパッとしないままのMVNOサービスは4つある。「常連」の0SIMは一瞬だけ上りの速度に光明があったものの、下りは常に1Mbps未満で絶望的。ロケットモバイルとnuroモバイルも常に遅い感じだ。おかわりSIMはランチタイムに下り1.09Mbpsを記録し健闘したが、午前中と夕方は遅く成果がかすんでしまった。
また7月は、上りの平均通信速度がかなり抑えられている点にも注目したい。どのサービスも、全時間帯で10Mbpsを超えることがなかった。アップロードが多い人は少々気になる傾向だろう。ただし、1Mbpsを切ることはまれなので、実用上問題はなさそうである。それでも、今後の動向は気になるところだ。
各サービスの傾向をまとめると以下の通り。
- IIJmio……午前中と夕方に期待
- OCN モバイル ONE……午前中に期待
- BIGLOBE SIM……午前中は激速
- b-mobile(おかわりSIM)……ランチタイムに希望
- LINEモバイル……午前中と夕方に期待
- 楽天モバイル……いつでも高速!
- NifMo……午前中に期待
- ロケットモバイル……上りのほうがマシ
- FREETEL SIM……午前中と夕方に期待
- DMM mobile……午前中と夕方に期待
- U-mobile LTE使い放題……午前中と夕方に期待
- mineo(Dプラン)……午前中は激速
- 0 SIM……昼の上りが救い
- DTI SIM……午前中と夕方に期待
- イオンモバイル……午前中と夕方に期待
- エキサイトモバイル……午前中と夕方に期待
- nuroモバイル……上りのみに期待
- ドコモ(mopera U)……常に抜群の速度
今回の測定結果はあくまで参考データの1つとして役立てていただき、他のさまざまな情報も踏まえて、より良いMVNOを選んでほしい。
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