狭額縁化やデュアルカメラには追随しない? Xperia新機種の狙いを聞く:IFA 2017(1/2 ページ)
ソニーモバイルがIFA 2017に合わせてXperiaシリーズの3機種を発表した。中でも「Xperia XZ1」と「Xperia XZ1 Compact」は日本での発売が期待される。3機種投入の狙いを、ソニーモバイルの安達晃彦氏に聞いた。
ソニーモバイルコミュニケーションズは、2017年9月1日から6日までドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2017」において、Xperiaシリーズのスマートフォン3機種を発表した。
その中でも「Xperia XZ1」と「Xperia XZ1 Compact」の2機種は例年の傾向から日本での発売を大いに期待できる存在だ。また、スーパーミッドレンジの「Xperia XA1 Plus」も、指紋センサーの搭載により確実に使い勝手が上がっている。
この3機種をIFAに投入してきた狙いはどこにあるのだろうか。IFA会場のソニーブースで同社 UX商品企画部門 UX商品企画2部 統括部長の安達晃彦氏に話を聞いた。
Xperia XZ Premiumの特徴を多くの人に届けるのが「Xperia XZ1」
―― Xperia XZ1シリーズの位置付けとは?
安達氏 これまでフラグシップの最上位機種として、2017年2月にMobile World Congressで発表した「Xperia XZ Premium」を提供してきた。そのテーマや特徴をできるだけ多くの人にお届けすべく、「Xperia XZ1」と「XZ1 Compact」の2機種を発表した。
―― XZ Premiumからどのような機能がXZ1、XZ1 Compactに受け継がれたのか。
安達氏 共通しているのは、継ぎ目のないボディーを実現する「ループサーフェスデザイン」、最新SoC(プロセッサ)の「Snapdragon 835」、ソニーと共同開発したカメラシステム「Motion Eye」だ。さらに最新の「Android 8.0 Oreo」を搭載することで、最新のXperiaとAndroid体験をお届けできる商品になった。
XZ Premiumの機能のうち、4Kの解像度以外は基本的にXZ1に入っている。XZ1 CompactではHDR対応がなく、LTEネットワークの対応がXZ1のCat.16に対してCat.15まで、USB Type-Cの仕様がXZ1の3.0に対して2.0といった違いがある。
―― Xperia XZ1の背面デザインを見ると、アンテナ設計が変わっている。
安達氏 アンテナは大きく変更した。XZ Premiumではループサーフェスデザインをガラスで表現したが、XZ1ではアルミの押し出し素材による剛性感の向上を狙い、金属で表現したかった。
―― 最近のスマホはベゼルが細くなっているのに対し、Xperiaは上下のベゼルが太いとの指摘がある。
安達氏 他社の動向は注視しているが、XZ Premiumで好評だった考え方は変えていない。今回はフロントスピーカーを強化し、横に持ったときにステレオ感を楽しんでいただける。薄型化のために、Motion Eyeのカメラ部品をディスプレイと重ねないよう配置したという構造的な理由もある。
デュアルカメラには追随しない?
―― カメラで人物の顔などを3Dスキャンできる「3Dクリエーター」は、どのように実現しているのか? 赤外線センサーなどは使っていないのか。
安達氏 イメージセンサーの光学的な特性と、キャプチャー後に高速に処理してレンダリングするSnapdragon 835を組み合わせたもので、本質的にはソフトウェアのテクノロジーだ。今回発表したXZ1、XZ1 Compactに加え、Xperia XZ Premium向けにも提供する。
―― 3Dクリエーターをこのタイミングで搭載した理由とは?
安達氏 業界全体でARやVRがキーワードになっており、平面だけではない体験を提供したいという流れがある。ノウハウの蓄積やパートナーと連携したいという思いがあり、まずは3Dクリエーターというアプリを提供した上で、技術の熟成と発展を進めたい。
―― 他社ではソニー製のセンサーを用いたデュアルカメラが増えている。なぜXperiaでは採用しないのか?
安達氏 ソニーグループとしては、たくさんセンサーを買っていただいてありがたい(笑)。だがソニーモバイルとしては、Motion Eyeを一押しする。単純にキレイなだけでなく、スーパースローモーション撮影や先読み撮影、さらに今回は笑顔検出やオートフォーカス連写にも対応した。今後も、単純な二眼ではなく、新しいユニークな体験を提供できないか、という方向で検討している。
―― 他社のスマホがMotion Eyeを搭載してくる可能性はあるのか?
安達氏 Motion Eyeとは、メモリ積層型のCMOSセンサーとGレンズ、画像処理エンジンであるBIONZ for mobileという3つの要素を組み合わせたカメラシステムだ。その中でメモリ積層型CMOSセンサーの外販についてはソニーのセンサー部門の判断次第だ。だが、その3つを合わせたMotion Eyeを搭載するのはXperiaだけになる。
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