Apple、「Face ID」の仕組みを説明するサポートページとホワイトペーパーを公開
Appleが、「iPhone X」のウリの1つである顔認証機能「Face ID」についての説明ページを公開した。認証に5回失敗するとパスコード入力を促されることなどが説明されている。
米Appleは9月27日(現地時間)、11月発売予定の「iPhone X」に搭載する顔認証機能「Face ID」について説明するサポートページと6ページのホワイトペーパーを公開した。
Face IDの顔認証は、TrueDepthカメラの画像と赤外線画像を「A11 Bionic」プロセッサのニューラルエンジンが数学的モデルに変換し、それを登録済みの顔のデータと照合することでロックを解除する仕組み。
サポートページでは、ヒゲを生やしたりメガネをかけたりしてもFace IDが使える仕組みや認証に失敗した際の復旧方法、プライバシーを守るための対策などについて説明している。
顔全体に生やしていたヒゲをそるなど、外見が大幅に変わった場合は、認証できない可能性がある。認証に5回失敗するとパスコードの入力を促されるので、パスコードでログインしてから顔のデータを更新すればいい。
12日の発表イベントでも説明していたが、他人がFace IDで本体のロックを解除できる確率は、100万分の1と、指紋を使う「Touch ID」の5万分の1よりかなり低いとしている。ただし、双子や似ている兄弟姉妹、または13歳未満の子どもについてはこの数値は変わるという。また、目を閉じていると解除できないので、眠っている間に勝手に顔を使われることもないという。
Face IDでロック解除できないのは以下のケースだ。
- 端末の電源を入れた直後や再起動したとき
- 端末が48時間以上ロック解除されていないとき
- 端末のロック解除に過去6日半パスコードが使われておらず、過去4時間にFace IDで端末のロックを解除していないとき
- 端末でリモートのロックコマンドを受信したとき
- 顔認証に5回失敗した後
- 音量ボタンのどちらかとサイドボタンを同時に2秒間長押しして電源オフ/緊急SOSを作動させた後
12日のイベントのデモでソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏がFace IDでのログインに失敗し、代替端末に持ち替えたのは、デモ前にフェデリギ氏以外の複数のスタッフが誤って顔認証を試みてしまっていたからだとAppleは説明していた。
プライバシー面では、Face IDの顔の画像を含むすべての関連データは端末内に暗号化して保存され、iCloudやAppleのサーバにバックアップされることはないと説明する。
PDFのホワイトペーパーでは、Face ID診断の仕組みなどをさらに詳しく説明している。
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