「d払い」アプリにログインできない? 他キャリア+ドコモ回線のユーザーは要注意
ある日、d払いアプリを起動したら、突如ログアウトしてしまい、再度ログインしようとしても、エラー画面が出てしまい、いっこうにログインできない。アプリを終了したり、Wi-Fi接続をオフにしてspモードで接続してもダメ。なぜこのような事態になったのか?
筆者は複数のコード決済サービスを使っており、ドコモが提供している「d払い」もその1つ。ある日d払いアプリを起動したら、突如ログアウトしてしまい、再度ログインしようとしてもエラー画面が出てしまい、いっこうにログインできない。アプリの再起動、Wi-Fi接続をオフにしてspモードでの接続を試みたがダメ。
なぜこのような状況に陥ったのか? まず突如ログアウトする挙動についてNTTドコモ広報部に確認したところ、「最初のログインから90日以上がたつと、再度認証が必要」とのことだった。また「それ以外の場合でも、セキュリティの都合上、同様の事象(ログアウト)は起こりうる」とのこと。
続いてログインできない理由について。ログインに失敗すると、いくつかエラーコードが出る。筆者の画面に表示されたのは「FES1003」だが、これが関係しているのだろう。ドコモによると、d払いでは2019年1月22日から、d払いアプリの初期設定や支払い方法の変更には、dアカウントとひも付くドコモ回線からのアクセスが必要になるよう、仕様を変更したそうだ。
筆者は、ソフトバンク回線の「iPhone X」でd払いを使っている。ドコモ回線は保有しておりdアカウントはドコモ回線にひも付いているが、メイン端末がソフトバンクiPhone Xなので、ドコモ端末は決済にはほとんど使っていなかった。早速、ドコモSIMをiPhone Xに入れて、再度ログイン操作を試みたところ、無事にログインできた。なお、ログインするにはWi-Fi接続を切ってspモード(モバイル回線)に接続する必要がある。
気になるのは、なぜこのような仕様に変更したのかということ。ドコモは「d払いをより安全に使ってもらうためにセキュリティを強化した。本変更により、SIMロック解除ができない他社デバイスにて、ドコモ回線とひも付くdアカウントでログインし、d払いを初期設定できなくなる」と説明する。つまり、例えば筆者がiPhone Xを紛失し、万が一dアカウントの情報が漏れた場合でも、ドコモ回線がなければ第三者からの不正利用が防げる……という理屈だ。
ただ、画面オフの状態でも使える非接触決済とは異なり、コード決済のd払いは、スマートフォンのロックを解除しないと使えない。加えて、アプリ自体にロックをかけることもできる。ここまで厳格な対策を施すべきかどうかは疑問だ。店頭でd払いアプリを起動したものの、いつの間にかログアウトし、再ログインできればまだしも、それすらできないとなれば、店舗側や他のお客さんを待たせて迷惑を掛けてしまう。
仕様が変更されたにもかかわらず、エラー画面が表示されるのみで、アプリ上で「ドコモ回線で接続する必要がある」という解決法を教えてくれないのも不親切だ。筆者はネットを調べて、ようやくドコモのお知らせページにたどり着いて理解したが、アプリで知らせてくれれば、すぐに解決できた。
実際、App StoreやGoogle Playのアプリレビューでは、ログインできない旨のコメントが多く投稿されており、アプリ自体の評価を下げてしまっている。特にApp Storeで不満のコメントが多く、半ば炎上状態になっている。「他社ユーザーはd払いを使えない」と誤解するコメントも見られた。
さらに重要な問題は、筆者のように、ドコモ回線と他社回線を併用しているユーザーが、他社回線でd払いに再ログインするには、SIMロックのかかっていないスマートフォンを使う必要があること。筆者のiPhone XはたまたまSIMロック解除済みだったので事なきを得たが、SIMロック解除できなければ、ドコモ回線にひも付いたdアカウントでiPhone Xからd払いを使えなくなる。
ちなみに、ドコモ回線にひも付かないdアカウントを使用する場合(つまりドコモ回線を契約していないユーザー)は、Wi-Fi経由でd払いアプリにログインできる。ドコモ回線にひも付くdアカウントを使って、他キャリア回線でd払いを使っているユーザーは注意したい。
関連記事
「d払い」も20%還元 ドコモが3月にキャンペーン PayPayやLINE Payに対抗
ドコモが「d払い」で20%を還元するキャンペーンを実施する。期間は3月1日から31日まで。キャンペーンで還元されるポイントの上限は5000ポイント。「d払い」を実際に使ってみて分かった、メリットとデメリット
ドコモが提供している「d払い」は、バーコード/QRコードを読み取ってもらうことで買い物ができるサービス。dアカウントがあれば利用でき、ドコモ回線の契約がなくても利用できる。実際に使ってみて感じたメリットとデメリットをまとめた。「d払い」を使う理由、使わない理由
ドコモが4月に開始する決済サービス「d払い」。バーコードを見せるだけなので、簡単に決済ができます。では、自分がd払いを使うかというと……。ドコモの「d払い」は誰に向けたサービスなのか?
スマートフォンでバーコードを表示して決済できるドコモの「d払い」。既におサイフケータイがある中で、誰に向けたサービスなのか。店舗側にはどんなメリットがあるのか。「PayPay」アプリ、一定期間がたつと強制ログアウトする仕様
「PayPay」アプリが、一定期間経過後に自動ログアウトする仕様であることが判明。セキュリティの観点からこのような設定にしたという。現時点で、自動ログアウトを回避することはできない。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.