Apple Payの「PASMO」がスタート 何ができる? できない?(3/3 ページ)
10月6日、Apple Payで「PASMO(パスモ)」のサービスが始まった。何ができて、何ができないのか、詳しめにまとめた。
Apple PayのPASMOで「できないこと」
逆に、Apple PayのPASMOには以下の通り「できない」こともある。
- 一部の自動券売機やチャージ機などでのチャージ(構造上の問題)
- 「Suicaグリーン券」の購入
- エクスプレス予約の「EX-ICカード」と重ねての新幹線乗り換え改札の通過
- 小児用PASMOとしての利用
- 高校生以下の通学定期券としての利用
Suicaグリーン券が必要な場合、あるいはエクスプレス予約と組み合わせて使いたい場合は、Apple Payの「Suica」を別途発行すれば対応できる。
Suicaグリーン券を使いたい場合
Suicaを発行した上で、「Suicaアプリ」から「モバイルSuicaグリーン券」を購入することで対応できる。購入にはSuicaの会員登録が必要で、代金はSuica会員情報にひも付けたカード(Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club)またはApple Payに登録したカードで支払える(Apple Pay利用時の制約事項は先述の通り)。
なお、一部の駅には駅ホームに「Suicaグリーン券専用券売機」が設置されているが、モバイルタイプのSuicaやPASMOには対応していない。
また、東海道線のJR東海エリア(熱海~沼津間)はモバイルタイプを含むSuicaグリーン券に一切対応していない。JR東日本の普通列車グリーン券の対象線区の駅、または全国のJR駅などにある「みどりの窓口」で事前に「普通列車用グリーン券」を購入しよう。
EX-ICサービスを使いたい場合
Apple PayでSuicaを発行した上で、Suicaアプリ経由でJR東海のWebサイトにアクセスし、所定の手続きを経ることで利用できる。
ただし、Apple Payでは2つの交通系ICカードを同時に使うことはできないため、Apple PayのPASMOで乗り換え駅まで行く場合は「Apple PayのPASMOで最寄り駅から乗車→新幹線の乗り換え駅でいったん改札を出る→エクスプレス予約とひも付けたApple PayのSuicaに切り替えて新幹線改札を通る(または在来線改札を通ってから乗り換え改札を通る)」という手順を経なければいけない。また、新幹線の運賃の決済に利用できるクレジットカード会社も限られる。
「どうしても東海道・山陽新幹線をチケットレスで乗りたい!」という場合は、手持ちの交通系ICカードを乗車用ICカードとして使える「スマートEX」を使うことを推奨する。年会費は無料で、Apple PayのPASMOのカード番号を事前に登録しておけば、乗り換え改札もスムーズに通過できる。登録できるカードも、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubのブランドが付いていれば原則として何でも良い。
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