NTTコムは2021年夏頃にドコモの子会社に 個人向けMVNO事業はレゾナントが担当
NTT持株が、NTTドコモの完全子会社化に伴うグループ再編の詳細を公表した。テップ1として、2021年夏頃をめどに、NTTコミュニケーションズとNTTコムウェアをドコモの子会社とする。ステップ2として、2022年春~夏頃をめどに、ドコモとNTTコムらが担う役割を整理する。
NTT持株(以下、NTT)が12月25日、総務省開催の「公正競争確保の在り方に関する検討会議(第2回)」にて、NTTドコモの完全子会社化に伴うグループ再編の詳細を公表した。
NTTは2020年9月にドコモの完全子会社化を発表した際、詳細は未定ながら、NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアをドコモに移管して連携強化することを検討しているとした。
今回明らかになったのは、具体的な連携方法とその時期。まずはステップ1として、2021年夏頃をめどに、NTTコミュニケーションズとNTTコムウェアをドコモの子会社とし、NTTとドコモの研究開発における連携を強化する。
そしてステップ2として、2022年春~夏頃をめどに、ドコモとNTTコムらの役割を整理する。個人向け事業はドコモが中心となって展開し、MVNO事業とISP事業はNTTコムがVNE(Virtual Network Enabler:他社のネットワーク事業を支援する)事業を担い、NTTレゾナントが個人向けサービスを提供する。
現在NTTコムが提供している「OCN モバイル ONE」は、NTTレゾナントが提供する形になりそうだが、NTTによると具体的なことは決まっておらず、OCN モバイル ONEをレゾナントに移管するのか、新ブランドを立ち上げるのかも含めて検討していくとのこと。NTTレゾナントは端末事業の「goo Simseller」を運営しており、OCN モバイル ONEとのセットで端末を販売しているが、通信事業も一体となることで、より効率的な運営が期待できそうだ。
法人事業はNTTコミュニケーションズが一元的に担当し、モバイルと固定を融合させたサービスに注力する。スマートライフ事業でも、ドコモがNTTコムやパートナー企業と連携して、新規ビジネスの創出を目指す。また、ドコモとNTTコムで設備の効率化やモバイル・固定融合のネットワーク構築などを推進していく。
NTTコムウェアは、新ドコモグループのソフトウェア開発を支援し、サービス創出力を強化する役割を担うとしている。
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