ドコモの丸山氏、5G時代におけるドコモの事業とその先の6Gについて語る(3/3 ページ)
NTTドコモ 代表取締役副社長の丸山誠治氏が、オンラインで開催された「docomo Open House 2021」で「5G時代到来と持続的成長へのドコモの挑戦」と題して講演した。同社の事業概要を語るとともに、6Gの展開について示した。
5Gの先、「6G」は?
丸山氏は10年後に実用化が予想される「6G」についても語った。ドコモは2020年に6Gに関するホワイトペーパーを公開している。
5Gの特徴である高速大容量、低遅延、多数端末接続はさらに進化。そこに、「超高信頼通信、超低消費電力というような、さまざまな端末やサービスに特化したものもサポートした方がいいのではないか」と指摘した。また、現在のエリアは陸上がメインだが、「海の中、空、宇宙まで」カバーすることも期待する。
NTTグループとして提唱している「IOWN構想」も紹介した。IOWNはInnovative Optical and Wireless Networkの略で、最先端の光関連技術や情報処理技術を活用して、未来のコミュニケーション基盤を提供しようというものだ。
IOWN構想を実現する要素は大きく3つ。ネットワークはフォトニクス(光光学)を使った超低消費電力かつ高機能なもので構成(オールフォトニクスネットワーク)。デジタルツインコンピューティングで、デジタル上に社会を高精度に再現し、未来を予測。全てのICTリソースの最適化、効率的な管理・運用を一元的に実施するコグニティブ・ファウンデーションからなるという。6GとIOWNは同時代に提供される予定だ。
その時代には、「あらゆる生活、産業にドコモの基盤が入っていく。消費や流通、フィンテック、MaaS、ヘルステックといったさまざまな分野でも役に立ちたい」と丸山氏は意気込む。
それぞれの分野で、今はビッグデータが蓄積されている。「それとわれわれが持っている会員データを組み合わせ、5G/6Gの技術も使って豊かな社会の役に立ちたい」として、具体的な事例を挙げた。
1つ目はエンターテインメント。新型コロナウイルス感染症の拡大でコンサートやスポーツ観戦が制限されているが、ドコモの技術を活用したライブビューイング、多視点映像など新しい楽しみ方を提案している。
エンタメでよく使われているXRは、実用的な用途でも活用が進んでいるという。家具店で家具の実際の大きさを確認したり、自分に似合うファッションを選んだりする際にもXRは活用でき、「XRのソリューションは飛躍的に広まっていくのではないか」と期待した。
また、金融の安心安全、建設現場の労働力不足、効率化にもドコモの技術は貢献できるとした。
新型コロナの影響でオンライン医療、遠隔医療のニーズが高まっている医療・ヘルスケア分野でも、5Gを使って高度化に取り組み、医師たちの負担低減に取り組みたいとした。
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