「Pixel 9 Pro Fold」と「Pixel Fold」を徹底比較 弱点だったカメラ画質が改善 “次”に期待したいことは?:発売当日レビュー(2/4 ページ)
Googleの折りたたみスマートフォンに新顔が登場した。「Google Pixel 9 Pro Fold」だ。先代「Google Pixel Fold」から何が進化したのかを比較レビューする。
アスペクト比が異なるインナーディスプレイとカバーディスプレイ
続いて、折りたためるディスプレイでコンテンツがどれほど見やすいのかを確認したい。結論からいえばカバーディスプレイもインナーディスプレイもPixel Foldより満足度が高い。
カバーディスプレイは5.8型のフルHD+(1080×2092ピクセル)から、0.5型大きく解像度もやや向上した6.3型のフルHD+(1080×2424ピクセル)となった。どちらも有機ELパネルを採用するが、横幅が削減された分、Pixel 9 Pro FoldはPixel Foldよりも握りやすくなった。
このカバーディスプレイには、プレビューを表示しながらアウトカメラで撮影する機能も用意されている。これ自体はPixel Foldでもできることだが、Pixel 9 Pro Foldではカバーディスプレイにアニメーションを表示させ、子どもにカメラを向いてもらえる仕掛けが加わっている。新製品発表イベント「Made by Google」では子どもが不機嫌そうな顔をせずに済むと紹介されていた。
自分も相手も同時に翻訳結果を確認できる「デュアルスクリーン通訳モード」もカバーディスプレイを生かした機能で、Pixel 9 Pro Foldでも利用できる。翻訳結果をカバーディスプレイとインナーディスプレイの両方に表示できるため、翻訳結果の提示を理由に自分のスマホを相手に手渡したり、自分側を向いたディスプレイを相手側に向けたりする必要がなくなる。
実は「横長」から「微妙に縦長」になったインナーディスプレイ アプリにどう影響?
インナーディスプレイは7.6型フルHD+(2208×1840ピクセル)から、0.4型大きく解像度もやや向上した8型フルHD+(2076×2152ピクセル)へと進化した。最大輝度は1000ニト(HDR)/1450ニト(ピーク輝度)から1600ニト(HDR)/2700ニト(ピーク輝度)となり、より明るく表示できるようになった。
ただ細かいスペック値よりも、気になったのがアスペクト比(横:縦)比だ。Pixel Foldが「6:5」で横長だったのに対し、Pixel 9 Pro Foldは「ほぼ1:1」で微妙に「横長」となった。これが、意外とコンテンツを見る時の印象に影響する。
例えば、Webベースのビュワーで夏目漱石の「こころ」を読んでみたのだが、Pixel Foldではしっかりと見開き(2ページ)表示となったのに対して、Pixel 9 Pro Foldは1ページのみの表示となった。ところが、本体を90度回転させると、今度は逆にPixel Foldは1ページのみの表示、Pixel 9 Pro Foldは見開き表示となった。
アプリの実装次第だが、「PIxel Foldでは横開きで見開きで使えていたのに、Pixel 9 Pro Foldではできない(向きを変えないとダメ)」といったことは、意外と起こるかもしれない。
次に「dマガジン」アプリで雑誌を開くと、先ほどと挙動が異なった。Pixel Foldでは通常の向きでは見開き表示の状態となるが、本体を90度回転させると、1ページが中央に表示される(左右には余白が出る)。
一方でPixel 9 Pro Foldでは、そのまま開いても、90度回転させても見開き表示となる。ただし、ピンチアウトすれば拡大できる(≒1ページ表示にできる)ので、実用面ではそれほど問題にはならないだろう。
では「YouTube」アプリではどうなるか。くの字型にして机上に置くと、どちらも「上半分に動画、下半分にコントロールパネル」という表示となる。この基本的なUIに変更はないようだが、折りたたみスマホの利便性はこの辺りにもあるため、UIに関する大幅なアップデートがあれば、適時試してみたい。
ところが、本体を目いっぱい開いてYouTubeの動画を視聴すると、インナーディスプレイのアスペクト比がもたらす問題に直面する。一般的なアスペクト比である「16:9」の動画を拡大せずに視聴すると、どちらの機種も上下左右に何も表示されない領域がどうしても出てしまう。90度回転させたとしても同様だ。
16:9のコンテンツに適したのはインナーディスプレイなのだろうか――そこでふと「カバーディスプレイならどうだろう?」という疑問が芽生えた。
Pixel Foldのカバーディスプレイは16:9に近いアスペクト比なので、あまり余白がないので見やすい。ただし、画面の片方の端部がインカメラに掛かってしまうので、その点が気になる人はいるかもしれない。
それに対して、Pixel 9 Pro Foldのカバーディスプレイはアスペクト比が変わった影響で左右の余白が増えてしまった。ただし、映像がインカメラに掛からなくなるので、ある意味で見やすくはある。
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