6年ぶり復活の「らくらくホンF-41F」実機レビュー ドコモ3G停波の受け皿にとどまらない魅力は?(3/3 ページ)
FCNTは8月7日、NTTドコモを通じて4G対応フィーチャーホン「らくらくホンF-41F」を発売した。その基本性能から細やかな配慮までを徹底的にレビュー。単なる3G停波の受け皿にとどまらない、本機の真の魅力に迫る。
まだ「らくらくホン」を求めるユーザーは存在している
ここまでお伝えした通り、らくらくホンF-41Fは「見る、聞く、使う」に徹底的にこだわって開発されたことが分かる。フィーチャーフォンに比べて大きなボディーのスマートフォンは静電式のタッチパネルのため、ぬれた手では操作しづらい一方、横幅が抑えられ物理ボタンでの操作が可能ならくらくホン F-41Fは、スマホユーザーから見ても魅力の1つといえる。
余計な機能がなくシンプルな操作体系が気に入り、通話メインのサブ機にも適しているとも感じる。しかし、フィーチャーフォンのヒンジを作るメーカーは全盛期と比べると数少なく、端末メーカーにとってもこうした端末を企画・開発し続けることは困難なはずだ。では、なぜFCNTは今あえてらくらくホンにチャレンジしたのだろうか。
FCNT 統合マーケティング戦略本部 マーケティング統括部 副統括部長の正能由紀氏は、発表会で「らくらくスマートフォンも、自信を持って選択肢としてお伝えできるが、一方で、加齢による身体能力の低下などの理由から、どうしてもらくらくホンでないと使えないという、さまざまな事情を抱えた人がいらっしゃるのも事実」と話し、そうしたユーザーの声に応えて市場に投入するのがらくらくホンF-41Fであるという考えを示していた。au(KDDI)とソフトバンクでは、既に3Gを停波しており、残るNTTドコモは2026年3月末に停波する。らくらくホンF-41Fは3G対応のフィーチャーフォンからの受け皿になりそうだ。
今回のレビューを通して、らくらくホン F-41Fは、単なる3G停波の「受け皿」にとどまらない、使う人に寄り添うさまざまな工夫が凝らされたフィーチャーフォンだと感じた。物理ボタンの操作性、見やすいディスプレイ、聞きやすい通話機能、そして万が一のときの安心機能など、携帯電話に求められる本質的な要素が高いレベルで追求されている。シンプルさを求める方、スマートフォンの操作に戸惑いを感じている人にとって、らくらくホン F-41Fは確かな選択肢となるだろう。
(製品協力:FCNT)
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