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Google Pixel 10の使い勝手が「改善された」と感じた理由 新UI「Material 3 Expressive」も試す(1/2 ページ)

Googleが8月28日に発売したばかりの「Google Pixel 10」シリーズ3機種。いざ実機で操作すると、Google Pixelの使い勝手は最新機種Pixel 10で「確かに改善された」と感じた。UIが具体的にどう改善されたのか、ここでは3つのポイントに絞って見ていこう。

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 Googleが8月28日に発売したばかりの「Google Pixel 10」シリーズ3機種。AIアシスタント「Google Gemini」は1つ前のPixel 9シリーズから継承し、通話やメッセージの内容に応じて文脈に合ったコンテンツを表示する「マジックサジェスト」など、さまざまな新機能を搭載。Proモデルでは「超解像ズームPro」で遠くの被写体に鮮明に寄ることが可能だ。

 いざGoogle Pixel 10シリーズの実機を体験すると、Google Pixelの使い勝手は最新機種Pixel 10で「確かに改善された」と感じた。Google PixelにおけるAI戦略や、ハードウェアの凄さについては別記事に任せるとして、UIが具体的にどう改善されたのか、ここでは3つのポイントに絞って見ていこう。


ストレート形状のスマートフォンGoogle Pixelシリーズの中でベーシックなモデルとなる「Google Pixel 10」と「Google Pixel 9」

その1:ホーム画面のUIだけで、Pixel 10が「本当にAIファーストなスマホだ」と感じた理由

 まずはホーム画面について。特に注目したいのは、初期状態で表示されるウィジェットだ。Pixel 9シリーズ以前にもウィジェットはあったが、Pixel 10ほど多くは配置されていなかった。さらにPixel 10では、Google Geminiに即座にアクセスできるウィジェットが用意されており、必要な情報に瞬時にアクセスできる。

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 日頃、Geminiを使っていて感じていたのは、「サイドボタン長押し以外の方法で、Geminiを即時起動できないものか」という点だった。確かにサイドボタンは目につきやすく押しやすいため、大きな不満はない。

 しかし、電源を切ろうとするときにGeminiが起動してしまい、単純に電源メニューを開きたいだけのときにはストレスになっていた。サイドボタンに割り当てる機能は設定で変更できるが、電源メニューを優先するとGeminiの即時起動が難しくなるというジレンマがあった。


Google Pixelにおけるサイドボタン

基本的にサイドボタンの長押しで起動する「Google Gemini」

 そこで便利だと感じたのがウィジェットだ。Pixel 10では、初期状態でGeminiのウィジェットがホーム画面の最初のページに配置されており、しかも片手でアクセスしやすい位置にある。Gemini Liveへのショートカットもあるので、起動後、例えばカメラを花に向けると、それに関するテーマについてGeminiと会話できる。まるで人同士で雑談を楽しむような体験だ。


テキストベースでやりとりするGeminiと、動画や音声でやりとりできるGemini Liveへのアクセスが手軽になったPixel 10のウィジェット(画像=左)。Pixel 9シリーズにはウィジェットが貼り付けられていない

 Pixel本体とGeminiの連携だけでなく、ウィジェットの配置にまで配慮されている点に「本当にAIファーストなスマホだ」と実感した。つまり、ウィジェットのデフォルト配置によって、AI体験を即座に開始できるようになった。ただし、Geminiのウィジェット自体は目新しいわけではく、Pixel 9でも体験できるとだけ補足しておく。

その2:アンテナピクトが4段階になり見やすく

 次に挙げたいのが、アンテナピクトの改善だ。Pixel 9では圏外なのか、あるいは弱い電波を拾っているのかが分かりづらかったが、Pixel 10では4段階表示となり、直感的に把握できるようになった。

 1本なら圏外に近く、2~3本なら中間、4本全て立っていれば圏内で安定した通信環境にあることが分かる。視覚的な理解が格段にしやすくなった。


アンテナピクトも見やすくなった。Pixel 10では4段階に分けて電波の感度が表示される(写真=左)。細かいところだが、Pixel 9(写真=右)からの改善点だ

その3:Material 3 Expressiveを試すとさらに改善を実感

 最後に挙げたいのは、Googleが5月の「The Android Show: I/O Edition」にてアナウンスしていた「Android 16の新デザイン」だ。Android 12から導入しているデザインコンセプト「Material You」を「Material 3 Expressive」と呼称して画面のカスタマイズ性を向上した他、見やすさにも直結するアップデートが施された。

 ぱっと見で分かりやすい明らかな違いは設定画面の視認性だ。Pixel 10では通知バーを表示した際、壁紙がぼかされて透過表示されるようになった。Pixel 9では黒に近い塗りつぶし表示だったが、Pixel 10では全体に統一感が出ている。


少し伝わりづらいが、Pixel 10の方は壁紙が透過できるような見栄えだ

 さらに、設定内の類似する項目は色分けして整理され、直感的に区別できるようになった。Pixel 9では全て同じ色で表示されていたため見分けがつきにくかったが、Pixel 10では情報を一目で把握できる。


Pixel 10(画像=左)とPixel 9(画像=右)の設定画面を横に並べて比較すると、やはり色分け表示のPixel 10の方がPixel 9よりも見やすいと感じる

 一方で、Wi-FiやBluetoothなどが並ぶクイック設定パネルは同系色で統一されている。細かく色分けすると逆に見づらくなる可能性があるため、このバランスは妥当だろう。

 また、通知を閉じる際の触感的なフィードバック(振動)も得られる効果が加わり、より閉じたことが分かるようになった。手元のPixel 9と10の両方で試したが、ハッキリと本体が振動したのはPixel 10だ。といっても、本体が机上から落下するほど、強い振動ではないので、手にしたときに分かる程度と伝えておこう。

 フォントも変更されている。例えば、設定アプリ内にある「表示サイズとテキスト」という項目ではPixel 9は項目名が細い書体だが、Pixel 10は太い書体が用いられている。デフォルトでの文字サイズはPixel 9の方が大きく、Pixel 10は小さくなってしまう。ただし、これは設定内での違いにとどまり、ChromeでWebサイトを閲覧する際に、フォントやサイズの大きな違いは確認できなかった。


「表示サイズとテキスト」という項目。フォントが異なるだけでなく、文字サイズの違いも分かる。ただし、Webサイト閲覧時にフォントやサイズに関して大差を感じることはなかった
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