「小型iPhone SEを復活させて」──手放せない理由SNSで話題 どこが“ちょうどいい”と評価されるのか(2/2 ページ)
MMD研究所が10月21日にスマホ利用調査を発表したのを機に、SNSで「iPhone SE」が大きな注目を集めている。調査結果を受け、SNSではなぜSEシリーズを使い続けるのかという理由や、ユーザーのこだわりについて関心が高まった。加えて、日本特有のスマホ市場の傾向についても言及する声が多く上がり、今回の発表を巡って多数の意見が交わされている。
iPhone SEは「ちょうどいい」の象徴か 復活を望む声が根強い
今回のSNSでの議論を総じてみると、iPhone SEが首位となった背景には、単に価格の安さだけでなく、「ホームボタン」「指紋認証」「片手操作」「小型サイズ」という複合的な要素があることが分かる。特に、スマートフォンの価格やサイズについては年々上昇傾向にあることから、iPhone SEは「ちょうどいい」のかもしれない。画面大型化と高額化が進むiPhoneにおいて、SEは“手頃で使いやすいスマホ”という象徴的な存在になっている。
MMD研究所の調査結果は、こうしたユーザー心理の表れといえる。SNS上では多くのSEユーザーが共感とともに自らの利用理由を語り合う場となった。「小型iPhone SEを復活させてほしい」という声も根強く、理想とされるディスプレイサイズはおおむね4~4.7型となっており、現在主流の6型クラスよりもはるかに小さい。
2025年3月には、「iPhone 16e」が登場したことにより、2月下旬には大手キャリアのオンラインショップで在庫切れが相次ぎ、中古スマートフォンの売れ行きが増加するなど、新製品ではなく旧製品に注目が集まる異例の事態となった。
iPhone SE(第3世代)は、ホームボタンと指紋認証のTouch ID、4.7型の液晶ディスプレイを搭載したモデル。「iPhone 8」をベースとするボディーの横幅は67.3mmとスリムで、丸みを帯びた縁のおかげで持ちやすい。新品の価格は6万円台からだった。
一方、iPhone 16eは、6.1型の有機ELディスプレイや「iPhone 16」と同等の「A18チップ」を搭載し、生成AI機能「Apple Intelligence」に対応する。価格は、高機能化だけでなく円安の影響を受け、iPhone SE(第3世代)の最低容量よりも約3万円高い9万9800円からとなっている。
iPhone SE(第3世代)とiPhone SE(第2世代)は、ホームボタンやTouch ID、4.7型液晶を備え、6万円台から買えるスリムな筐体が特徴だ。対してiPhone 16eは、6.1型有機ELやA18チップを搭載し、生成AI「Apple Intelligence」にも対応する。ただ価格は高機能化と円安の影響を受け、SEの最低容量より約3万円高い9万9800円からに設定された(※画像左側はiPhone SE 第2世代)
伊藤忠グループのBelongでコンシューマ事業部門長を務める大野正稔氏は、iPhone SEについて「ホームボタンが付いており、2025年現在となってはユニークな端末」とし、「ホームボタンがあって、コンパクトなサイズ感で、手頃な価格」と評価している。
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中古スマートフォンの販売サイト「にこスマ」への訪問者数と販売数は、「iPhone 16eが発表された週と前週を比較すると、およそ2倍に増えていた」(大野氏)という。「期待されていたホームボタン付きのiPhone SE(第4世代)が出ず、結果としてiPhone SEの新品在庫がなくなり、なくなく中古に手を出す人が増えた」ことが要因となっており、いまだに根強い人気があることが分かる。
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