第1回 サイズ、スタミナ、通信速度の違いは?――基本性能を横並び比較:モバイルWi-Fiルーター徹底比較(2/2 ページ)
スマートフォンの普及で注目を集めているモバイルWi-Fiルータ。本コーナーでは、ドコモの「BF-01B」、日本通信の「BM-MF30」、イー・モバイルの「Pocket WiFi」、UQ WiMAXの「URoad-7000」の4機種をレビューする。第1回は基本スペックを比べた。
約100時間起動できる「Pocket WiFi」
イー・モバイルのPocket WiFiはモバイルWi-Fiルーターの火付け役ともいえるモデル。上下の通信速度は他社に劣らないが、問題は「エリアが混雑しているのでは」という点。これは後の回で実際にテストをした際にも触れるが、確かに混雑が疑われた場面があったものの、BF-01Bとほぼ同じようにスムーズに使えた。時間とエリアに少し気をつかう程度だ。
Pocket WiFiはディスプレイにステータスが表示されるが、操作していないときはすぐに消えて、省エネの工夫が施されていることが分かる。バッテリーが約100時間持つのも納得だ。
申し込みが必要で従量制となるが、海外ローミングに対応している点も大きい。利用できる国は米国やアジアの各国、欧州など。1回の通信あたり25Kバイトまで50円で、超過分は1Kバイトごとに2円かかる。メール利用が現実的だろうが、使えないよりはよい。また、設定は必要だが海外のSIMを装着できるので、日本国外での利用はSIMを別途用意するのも手だ。
通信速度はナンバーワン――「URoad-7000」
URoad-7000はWiMAXで通信をするので、速度面ではほかの機器よりも有利だ。さすがに下り40Mbpsの最大速度を出すことはないものの、他社よりも毎回速く、大容量通信にはとても心強い。
URoad-7000は最大10台の同時接続ができ、2つのSSIDで5台ずつが接続できる。チームで外出して作業をするといったときは、このルーターがあると便利だろう。端末の幅は広いものの、薄いので携帯しやすく、ドコモのBF-01Bほどかさばらない。
連続通信時間の3.5時間はほかのルーターよりも短く、使用時間の後半はバッテリーが熱くなったのが気になった。
今回は都内と横浜市中心部で利用したが、どのエリアでも特に問題なくつながった。ただし通信状況のランプを見ると、通信強度が「強」ではなく「中」の場合が多かった。部屋の中にいても、ほんの少しの移動でランプの色が変わる。首都圏はともかく、地方のユーザーはUQのサービスエリアを事前にチェックしておきたい。サービス開始当初と違って、WiMAXの利用可能な範囲は大きく広がっており、人口カバー率は90%に達している。各自治体の中心部ではつながると期待していいだろう。
関連キーワード
Pocket WiFi | URoad-7000 | ルータ | バッテリー | BF-01B | モバイルルータ | ポータブルWi-Fi | サービスエリア | WiMAX | イー・モバイル | 華為技術(Huawei) | NTTドコモ | ローミング | シンセイコーポレーション | UQ WiMAX | Wi-Fi
関連記事
- ドコモブランドのモバイルWi-Fiルータ「BF-01B」、9月25日発売
NTTドコモが、同社ブランドのバッファロー製モバイルWi-Fiルータ「BF-01B」を9月25日に発売する。あわせて、定額データプランの割り引きキャンペーンの受付期間を延長する。 - iPad Wi-Fi版をモバイルWi-Fiルーターで外に持ち出す――「BF-01B」編
iPadをフル活用するなら、Wi-Fiだけでなく3Gも搭載していたほうが便利だが、モバイルWi-Fiルーターと組み合わせて利用するという選択肢もある。特にドコモのネットワークが使える「BF-01B」とのペアはなかなか快適だ。 - 何ができる? SIMロックは?──バッファロー「ポータブルWi-Fi」、機能を速攻チェック(前編)
FOMAネットワークを利用できるポータブル無線LANルータが今、熱い。そのうちの1つ、バッファローの「ポータブルWi-Fi」で何ができるか、早速試した。 - 日本通信、SIMロックフリーのWiFiルータ「b-mobile WiFi」正式発表
FOMA網で使えるバッファロー製品に続き、日本通信もb-mobileSIM対応WiFiルータを投入。本体価格は1万9800円、“2年縛りなし”や月額2000円台で運用できるメリットがある。 - 日本通信、モバイルルータ「b-mobileWiFi」の特別エントリーパックを発売
日本通信が7月29日から、「b-mobileWiFi」に「b-mobileSIM U300」の1カ月分をセットにした「b-mobileWiFi 特別エントリーパック」の販売を開始する。 - b-mobileWiFiとb-mobileSIM U300、セット利用で最長6カ月の無料期間をプレゼント
日本通信は、b-mobileWiFiとb-mobileSIM U300をセットで利用すると1年パッケージには6カ月分、6カ月パッケージには3カ月の無料期間を付与するキャンペーンを実施中だ。 - SIMロックフリー時代の無線LANルータ「b-mobile WiFi」利用ガイド(前編) ■■PCのほか、スマホユーザーなどにも利用シーンが広がっている「ポータブル無線LANルータ」。広いエリアでより安価に──のニーズに応える「b-mobile WiFi」の使い勝手を検証する。
- SIMロックフリー時代の無線LANルータ「b-mobile WiFi」利用ガイド(後編)
SIMロックフリーと、“余計な機能なし”が特徴のポータブル無線LANルータ「b-mobile WiFi」。後編は通信速度やバッテリー動作時間など、より深く本機の魅力を探っていこう。 - イー・モバイル、上り最大5.8Mbpsの3G対応モバイルWi-Fiルータ「Pocket WiFi(D25HW)」
電車や屋外でもWi-Fi対応のゲーム機などを楽しめる3G一体型モバイルWi-Fiルータ「Pocket WiFi(D25HW)」が登場。最大5台までの同時接続に対応する。 - 写真で解説する「Pocket WiFi」
ポケットに収まる小型ボディを実現した「Pocket WiFi」は、イー・モバイルの3Gネットワークを利用して、無線LAN対応機器のインターネット接続を可能にするモデルだ。実際どのくらい小型なのか、またどのように利用するのか、詳細をチェックした。 - 「iPadとも親和性が高い」――イー・モバイルが狙う、モバイルルーター市場の拡大
イー・モバイルが「新世代Wi-Fiキャンペーン」を5月26日から実施。同社のデータ端末購入者を対象とし、「データプラン(にねんM)」と「データプラン21(にねんM)」の基本使用料を1000円割り引く。イー・モバイルは同キャンペーンにより、モバイルルーター市場のさらなる拡大を狙う。 - 「1日200円弱」で海外定額データ通信:海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「台湾」編
日本と同じように、海外でも安心して「データ定額」で利用したい──。ちょっとしたコツで、海外でも手軽に「格安な」定額モバイルインターネット環境を入手できる。今回は台湾・台北でプリペイドSIMカードを活用する方法を紹介する。 - WiMAX Speed Wi-Fi「URoad-7000」ロードテスト:第1回 URoad-7000、バッテリーは山手線換算で「何周ぶん」か
高速・快適なモバイルWiMAX通信を無線LAN対応機器で使えるようにする“WiMAX Speed Wi-Fi”「URoad-7000」。実利用でバッテリーがどれだけ持つか、「山手線換算」で計測した。 - これでイチキュッパなら安いヨ、たぶん──WiMAX対応の無線LANルータ「URoad-7000」ファーストインプレッション
最近、“より便利”にモバイルデータ通信を利用できる小型無線LANルータが続々登場している。今回はそのうちの1つ、シンセイ「URoad-7000」のファーストインプレッションをお届けする。 - 「WiMAX 2」で家庭の固定網は不要に――UQが目指す新しい無線世界
UQコミュニケーションズが2012年に導入予定の次世代通信規格「WiMAX 2」では、下り最大330Mbpsの通信が可能になる。同社の要海氏は「無線で100Mbpsが出れば固定網は必要なくなるのでは」と自信を見せる。 WiMAX 2とはどんな規格なのか。そしてWiMAXの優位性とは――。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.