高感度で画質も上々、ただし操作性にはやや難あり――「Xperia arc SO-01C」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(3/3 ページ)
「Xperia arc SO-01C」は、ケータイ向けに開発された裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を搭載しているのが特長の1つだ。裏面照射型CMOSセンサーは、薄暗い場所での撮影に強いと言われるが、画質はどの程度向上しているのだろうか。
カメラとしての使い勝手はイマイチかもなあ
かくしてカメラ性能はなかなか素晴らしいのであるが、使い勝手はと言われると、ちょっと残念なのである。
まずは撮影。Xperia arcの標準のカメラは、画面上にシャッターボタンがない。タッチ撮影をオンにするか、ボディ側面のシャッターボタンを押すことになる。タッチ撮影をオンにすると、いわゆる「フルスクリーンシャッター」となり、画面上のどこをタップしても「AF+撮影」が行われる。押しやすいところを押せばいいので慣れれば便利。また、タッチ撮影をオンにした状態で画面を押しっぱなしにするとフォーカスロックがかかり、画面から指を離すとシャッターが切れる。
ボディ側面に付いているシャッターボタンからも、半押しによるAFロックは可能だが、前モデルよりボタンが小さくなり、押しにくくなったのである。これが一番残念。
ともあれ、あまり凝った撮影をしないのなら、撮影モードを「シーン検出」(シーン自動認識オート)に、タッチ撮影をオンにし、メインの被写体を中央に置いて、画面の適当なところをタップ、というのがお勧めだ。何より簡単にサクサク撮れる。
もうちょっと凝ったことをしたい人は、撮影モードを「シーン検出」から「標準」に変える。そしてメニューボタンを押すと、細かい設定が可能になる。ホワイトバランス、露出補正、AF方式、手ブレ補正のオン/オフなどだ。ちなみにISO感度はオートのみである。
AFはマクロや無限遠を含めて6種類。ここから「タッチフォーカス」を選ぶと、指で触った場所にピントが合う。「タッチ撮影」をオンにしていると、ピントが合った後に自動的に撮影される。
そして、ボディのシャッターボタンを使うのである。
カメラ機能を思い切ってシンプルにして、フルオートのままきれいな写真がさくっと撮れる、というのはすごくいい方針で、確かに「シーン検出」のままにしておけば十分きれいな写真を撮れる。でも、もうちょっと使い勝手は上げられるかなと思うわけである。素直に画面にシャッターボタンを置くか、あるいはボディのシャッターボタンを大きくて押しやすいものにして欲しかったかな。
で、他社の多くのスマートフォンでシャッターボタンが描かれる位置に何があるかというと、直前に撮影した画像のサムネイルが5枚並んでいる。そしてここを中央に向かってスライドしてやると、正方形のサムネイルがずらっと現れて、その場で即再生できるのだ。いちいちギャラリーを呼び出さなくてもカメラ内で撮影した写真をチェックできるのは確かに便利である。
そんなわけで、基本のカメラ性能はかなりのデキ。カメラアプリの機能は抑え気味で使い勝手に不満はあるが、考えてみたら、多機能なカメラを楽しみたい人は、そういうカメラアプリが出たら、マーケットで購入してそちらをメインにしちゃえばいいんじゃなかろうか。
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