片手の中に“究極”を――格好良さと使い勝手を両立させた「Xperia UL SOL22」:開発陣に聞く「Xperia UL SOL22」(1/2 ページ)
「“究極”まで追求した使い勝手」は、Xperia ULを貫くコンセプトだ。フラッグシップモデルながら、幅広い層に使ってほしいという思いが込められている。デザイン、カメラ、UIなどに共通する“究極”のユーザビリティについて開発陣に話を聞いた。
Xperia ULは、「Xperia Z」をベースにau用端末として最適化したモデルだ。Xperia Zとも比較しつつ、Xperia ULのデザイン、カメラ、UI(ユーザーインタフェース)などの特徴を開発陣に聞いた。
Xperia ULで目指した“究極”の使い勝手
「Xperia ULは、使い勝手を究極まで追求し、KDDI向けに最適化したもの」と企画担当の板倉氏は説明する。使い勝手の追求は、見た目や触り心地などのデザイン、カメラやUI、キーボード入力の操作性など端末全体を貫く大きなテーマだ。「格好良さ+使い勝手=安心というコンセプトがある」と同氏が言うように、Xperiaの持つ洗練されたかっこ良さを残しつつ、初めてスマートフォンに触るような新しい層にも安心して使ってほしいという思いも込めている。
Xperia ZやNTTドコモが2013年夏モデルとして投入した「Xperia A SO-04E」とのユーザーの棲み分けはなく、「Ultimate(究極)」を意味するULという名前も、「ほかの製品は関係なく、あくまでXperia UL単体での究極を目指したという意味を込めた」(板倉氏)という。Xperia ULは、最新のものを好む既存のXperiaユーザーが満足するフルスペックと、初めてスマートフォンを使うユーザーにも受け入れられる使い勝手を両立させたモデルだといえる。
シンプルで洗練された、“感覚を揺さぶる”デザインに
Xperia ULのデザインは、形状や素材、加工技術、カラーなど細部に至るまで精緻に作り込まれている。特に端末の形状とカラーは、「KDDIさんからもさまざまな要望があった」という(板倉氏)。
デザイン担当の石田氏は「Xperia ULは、フラッグシップモデルながら多くのユーザーに受け入れられるものにした。2013年のテーマであるオムニバランスデザインの特徴である、どこから見ても、どこから持っても同じ陰影と感覚を再現するシンメトリー性をさらに追求した」と説明する。
「Xperia ULは側面に内向きの傾きが付いていて、片手で持つときに自然と持ちやすい角度を示唆してくれる。どこから見ても同じシャープネスで、親指でディスプレイをアクセスしやすい角度でもある。サイドキーの押し心地にも配慮した」(石田氏)という。端末下部のイルミネーションや、背面中央にあるメインカメラ、FeliCaマーク、Xperiaロゴ、auロゴなども、シンメトリー性を演出するために位置をそろえた。横から見ても、側面の4G LTEロゴとカメラキー、背面のauロゴが一直線に並んでいる。
また、形状で最も苦労した点は「端末上部と下部に、側面と同じ厚みを実現した」ことだと石田氏は語る。「KDDIの前モデルであるXperia VL SOL21までは、端末上部や下部にカメラやアンテナなどいろいろな機能が入っており、側面を薄くして上部と下部を厚くするデザインが多かった。今回ようやく側面と同じ厚みと上部と下部でも実現できた」と続けた。
デザイン担当の片山氏は「色で奇をてらうのではなく、持ったときに感覚を揺さぶるデザインと質感にしたかった」と話す。Xperia ULの背面には、カラーと装飾、文字を一体で印刷することで無駄な突起や異物感を排除する「インモールド加工」を施した。凸凹のないロゴは長く使っても剥がれず、塗装仕上げにありがちな塗装垂れや塗装溜まりの心配もない。
Xperia ULのカラーはWhite、Pink、Blackの3色だが、カラーごとに加工技術や質感もそれぞれ異なる。明るくフレッシュな発色のPinkは、「Pinkの中でもいくつか候補があり、誰にでも受け入れられる素直で自然なPinkを選んだ」と片山氏は話す。Pinkがつややかなグロス仕上げで、ナチュラルな発色をする一方で、Whiteは「より反射感があり、磨き上げた陶器のような質感に仕上げた。厳密にいうと手触りが同じPinkとWhiteでも、背面を構成する層が異なる」と続けた。マットなコーティングとしっとりとしたラバーの質感のBlackは「赤ちゃんの肌のようなきめ細やかさに近付けた」という。
また、「プラスチックの樹脂の質感と金属の質感にアクセントを付ける」(片山氏)ためにXperia Zと同じくXperia ULの電源キーもアルミ削り出し技術を施した。側面のカラーや背面のカメラリングの色などもカラーによって異なり、細部にまで“究極”を求めた。
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