ドコモ、タッチ操作で複数機器に電話番号を転送できる新技術――SIM入れ替え不要:1回線で2台持ちが可能に
ドコモは、スマホの契約情報をほかのスマホやタブレットにタッチ転送できる新技術を開発した。すでに発表されている「ポータブルSIM」機能を、専用デバイスなしで実現する。
NTTドコモは3月2日、スマートフォンやタブレットに装着されたSIMカード内の契約情報(電話番号や加入者情報)を、SIMを搭載しないスマートフォンやタブレット、各IoT機器等にタッチ操作で転送できる技術を発表した。
ドコモは2014年6月に、スマホやタブレットのSIMを抜き差しすることなく、1つの電話番号で複数の端末を切り替えて使う「ポータブルSIM」を発表。これは対応デバイスからNFCやBluetooth経由でSIM内の契約情報を移すことで、SIMを物理的に差し替えなくても、ユーザーの回線契約や電話番号を複数の機器で使えるようにする仕組みだ。
今回発表された技術はポータブルSIMの専用デバイスを使わず、2つのスマホ(親機と子機)間でダイレクトに契約情報を切り替えられるというもの。ドコモが開発したAndroid向けのアプリ(ポータブルSIMアプリ)と、ドコモの協力により米クアルコムが新たに開発したSIMを制御する組み込みソフトウェアとを組み合わせることで利用できる。
ドコモはポータブルSIM機能の活用例として、スマホ(親機)からカーナビ等の車載器(子機)へ電話番号を切り替え、運転者の特定やスマホで利用している音楽等のクラウドサービスをカーステレオで再生したり、検索した目的地の情報をカーナビへ引き継いだりすることが可能になる――と案内している。
またクアルコムが開発したソフトウェアは、同社が2015年夏に提供する携帯機器・小型通信機器向けのチップセットに搭載される予定で、このチップセットには電話番号を送信する親機側の機能だけではなく、受信する子機側の機能も搭載。同チップセットを採用することで、ポータブルSIMアプリ対応の親機や子機を容易に開発できるという。
ドコモではポータブルSIM機能をスマホで実現することで、複数のIoT機器との連携を身近なものとし、SIMの情報による認証を用いたより便利なサービスや商品の早期普及を目指すとしている。
関連記事
- 特集:Mobile World Congress 2015
- NTTドコモの小型認証デバイス「ポータブルSIM」が「CEATEC AWARD 2014」を受賞
NTTドコモの小型認証デバイス「ポータブルSIM」が「CEATEC AWARD 2014 ライフスタイル・イノベーション部門 準グランプリ」を受賞。 - ウェアラブルの展開も視野に――ドコモが「ポータブルSIM」のデモを実施
SIMカードを抜き差しすることなく、複数のスマホやタブレットで電話番号の切り替えを可能にする「ポータブルSIM」をドコモが開発。CEATECでデモを実施している。 - 「ポータブルSIM」って何なの?
スマホやケータイを複数持つユーザーに朗報? 1本の回線契約で複数の端末を利用できる「ポータブルSIM」ってアイデアを知ってますか? - すべてをそぎ落とせばSIMが残る――ドコモが「ポータブルSIM」で見据えるもの
ドコモが開発している「ポータブルSIM」は、スマホをかざすだけでSIMの認証ができる小型デバイス。携帯端末の新しいカタチを生み出す可能性を秘めているといえるが、どのような経緯で開発することになったのか。ドコモの担当者に話を聞いた。 - ドコモ、スマホをかざして電話番号を切り替えられる「ポータブルSIM」を発表
NTTドコモが、SIMカードの入っていない複数の端末で、電話番号を切り替えられる小型デバイス「ポータブルSIM」を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.