Intel、LTEモデムも統合した“SoFIA”世代と14ナノ“Cherry Trail”世代の「Atom x3/x5/x7」を正式発表:Mobile World Congress 2015
「x3」「x5」「x7」と3系統に分かれたAtomの新世代ラインアップが登場。その処理性能は最大で従来モデルの2倍に達する。
ラインアップはSoFIAな「x3」とCherry Trailな「x5/x7」
Intelは、スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress(MWC) 2015にて3月3日(現地時間)、モバイルプロセッサ「Atom」の新しい製品ラインアップを正式発表した。Atomの新ブランドについては、2月25日(米国時間)に「Atom x7」「Atom x5」「Atom x3」の名称と、それぞれが想定するデバイスについて公開している。
今回登場するAtomは、「Atom x3-C3130(3G)」「Atom x3-C3230RK(3G)」「Atom x3-C3440(LTE)」「Atom x5-8300」「Atom x5-8500」「Atom x7-8700」の6モデルだ。それぞれの主な仕様は以下の通りになる。
Atom x3は、開発コード名「SoFIA」と呼んでいたシリーズで、低価格のスマートフォンやファブレット、タブレットへの搭載を想定している。64ビット長命令に対応し、長時間のバッテリー駆動が可能だ。プロセスルールは28ナノメートル。
OSはAndroidまたはモバイル版のWindowos 10をサポートする。3GまたはLTEモデムをSoCに統合するほか、無線LAN、Bluetooth、GPS(GNSS)が利用できる。LTE対応のAtom x3-C3440ではNFCもサポートする。なお、統合するグラフィックスコアは、ARMのMaliシリーズを採用する。
Intelが測定したベンチマークテスト「MobileXPRT 2013」では、MediaTekのMT6582(1.3GHz、4コア4スレッド)とQualcommのMSM8226(1.2GHz、4コア4スレッド)のスコアを1とした相対結果で、Atom x3-C3130は1.5、Atom x3-C3230RKは1.8を出している。また、QualcommのMSM8916(1.2GHz、4コア4スレッド)のスコアを1とした相対結果で、Atom x3-C3440は1.6に達している。
Atom x5とAtom x7は、開発コード名「Cherry Trail」と呼んでいたシリーズで、ハイエンドタブレットや薄型軽量な2in1 PCへの搭載を想定している(Intelの構想では価格が350ドル前後からAtom x7シリーズで250ドル前後まで、Atom x5シリーズで200ドルまでのデバイス)。
こちらも64ビット長命令に対応するほか、グラフィックスコアとして第8世代のIntel Graphicsを統合する。このグラフィックスコアでは、実行ユニットをAtom x5シリーズで12基、Atom x7シリーズで16基組み込む。
OSはAndroidに加えて、“フル機能”のWindowsも対応する。また、ともに外付けのモデムモジュールを用意して3GとLTEのデータ通信に対応する。LTEではカテゴリー6をサポートして、下り最大300Mbpsのデータ通信が利用できる。
Intelが行ったベンチマークテストでは、Atom Z3795(1.59GHz/最大2.39GHz、4コア4スレッド)と比べてAtom x7-C8700(最大2.4GHz、4コア4スレッド)はGFXBenchで2倍、3DMark Ice Storm Unlimitedで50%増のスコアを出した。
Atom x5シリーズとAtom x7シリーズを採用するデバイスの開発は、現在ASUS、Acer、Lenovo、Dell、東芝、Hewlett-Packardで進めており、2015年第1四半期には最初の製品が登場する予定だ。その価格は119〜499ドルを想定している。
また、Intelは、開発中のLTEモデムモジュール「Intel XMM 7360」の概要についても公開している。Intelとして第3世代となるLTEモジュールで、3xキャリアアグリゲーションに対応して下り最大450Mbpsのデータ転送が可能になる。さらに、LTE Broadcast (eMBMS)とVoice over LTE(VoLTE)、デュアルSIMもサポートする。Intel XMM 7360と搭載したデバイスは2015年第2四半期に登場する予定だ。
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