「新型Rollyではありません」――しゃべって動くBTスピーカーの狙いをソニーモバイルに直撃:Mobile World Congress 2015
ソニーモバイルが「MWC 2015」でお披露目したBluetoothスピーカーの名前は「BSP60」。かわいらしい球体型ロボットを思わせる新製品の特徴を担当者に聞いた。
前回の記事では、「Xperia Z4 Tablet」を中心に開発のコンセプトや技術的な工夫などをXperia企画担当者や開発担当者に聞いた。
今回は、スペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2015」でZ4 Tabletと合わせて発表されたBluetoothスピーカーやヘッドセットなどのアクセサリーに着目。開発を担当したソニーモバイルコミュニケーションズ 商品企画(コンパニオンプロダクツ)統括部長の宮澤秀右氏に新製品の狙いや特徴を聞いた。
「Rolly」っぽいけど名前が味気ないBTスピーカーの狙い
かわいらしい球体型の「BSP60」は、音楽を再生したり、目覚まし時計となってアラームを鳴らしたり、Xperiaスマートフォンと連携して電話をかけたりすることができるBluetoothスピーカーだ。NFCに対応し、Xperiaをタッチしてペアリングすると、Xperiaを介して天気情報なども教えてくれる。オフィス、プライベートシーンの両方で利用することを想定して企画されたということだ。
現在は試作品なので実際に返事はできないが、最終的には日本語を含む複数の言語でしゃべることができるようになる。ユーザーが「OK!スピーカー」と話しかけると、BSP60が「I'm listening」と応答し、さまざまな情報を教えてくれるという。なお、正面に配置されたパネルをタッチ操作することも可能だ。
BSP60はあくまで「Bluetoothスピーカーの延長線上に位置するもの」(宮澤氏)で、主にスピーカー機能と先述したボイスコマンド機能という2つの機能を持つ。OSはソニーモバイルのウェアラブル端末「SmartBand Talk」に採用した独自開発のものだという。
その見た目や動きはかつてソニーが発売した踊る小型音楽プレーヤー「Rolly(ローリー)」を思わせるが、今回の名前はBSP60と実に事務的で味気ない。日本ではシャープがスマートフォンのエージェント機能に「emopa(エモパー)」という名前を付けているが、今後エージェント機能を増やしてパートナー的な存在になることを考えると、もっと親しみのある名前を付けた方が親近感がわくように思う。宮澤氏は、BSP60という型番のままのネーミングにした理由を語った。
「日本だと無機物を擬人化する文化がありますが、欧州では偶像化する行為自体がタブーです。『OK!スピーカー』という呼びかけや、BSP60という名前など、もっと愛着がわくものがあるのではないかといろいろ検討しましたが、グローバル展開する製品なのでニュートラルなものに落ち着きました」。今後はユーザーのフィードバックを受けながら次につなげていくとしている。また、SIMの搭載については「検討の余地は十分ある」と答えた。
また、「Rollyの後継機として開発したのではなく、あくまでXperiaのエンハンサーとしてどういう進化があるのか」という視点から開発をスタートさせたと話す。シンプルにスピーカーとしての機能を追求しつつも、室内でのボイスコマンド操作をいかに楽しむかという将来像を示した形だ。
カジュアルユーザーを狙う 首掛けタイプBluetoothヘッドセット
オーディオ関連のアクセサリーでは、形状記憶素材を使用した首掛けタイプのBluetoothヘッドセット「SBH70」を発表。防水性能を備え、本体には容量125mAhのバッテリーを内蔵する。宮澤氏は「左右の重量の配分が半々になるように設計しました」と説明する。
スマートフォン向けということで、音楽再生はもちろんハンズフリー通話、音声によるスマホの操作などにも対応する。密閉型ではなくオープン型のイヤフォンで、「耳に浅く入れたり深く入れたりできるため、いろんな耳にフィットします」と宮澤氏は強調する。価格は79ユーロとお手頃で、ブラック、ホワイト、ブルー、ピンク、ライムという5色のカラーをそろえたり、NFCのワンタッチ接続に対応したりすることから、アクティブでカジュアルなユーザー利用を想定している。
スポーツシーンなどで使うとオープン型は外れにくくないのか聞いてみたところ、「通常使用で落ちないようには気をつけて設計しています」と回答。今後もさまざまなバリエーションの製品を出す上で、「今回はカジュアルユーザー向けにオープン型イヤフォンを提供するということになりました」と狙いを語った。
オーディオ関連のアクセサリー以外にもウェアラブル端末など、さまざまな展示が目立ったソニーモバイル。Xperiaの体験をよりプレミアムなものにするための周辺機器が、今後ますます充実していきそうだ。
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