ほかではできない体験を――ASUSが「ZenFone 2」で実現する5つの体験:「禅太郎」初お目見え
ASUSの「ZenFone 2」がいよいよ日本に上陸する。SIMロックフリースマホの“頂点”に君臨するZenFoneの新モデルは、ユーザーに5つの“体験”をもたらすという。
ASUS JAPANは4月20日、SIMロックフリースマートフォン「ZenFone 2」の国内販売を発表した。同日から予約受け付け開始、一部モデルを除き、5月16日に発売する予定だ。
同日、同社は都内で本製品の発表会「Experience 2morrow〜他ではできない体験を。」を開催、ASUSTek Computer(ASUS)会長のジョニー・シー氏がZenFone 2の商品説明を行った。本記事では、発表会の模様をお伝えする。
拡大するSIMフリースマホに「ワンランク上のぜいたく」を
冒頭、シー氏はGfKの最新市場調査結果を引用し、「日本のおよそ60%のスマホユーザーがSIMロックフリースマートフォンを試してみたいという意向を持っている」と指摘。SIMロックフリースマホ市場が広がる中で、「誰でも気軽に体験できる、ワンランク上のぜいたくを届ける」(同氏)ASUSの姿勢を体現したものが、ZenFone 2であることを示唆した。
1.デザインに宿る「禅の精神」
「たくさんの汗をかき、涙を流し、寝る間も惜しんで作りあげた」(シー氏)というZenFone 2は、本発表会の副題でもある「他ではできない体験」が製品の特徴を表すキーワードになっている。シー会長はその体験を5つに分けて説明した。
まず、デザイン面に触れたシー氏。「シンプルさ、平穏さ、そして同心円を融合し、美しさと力強さの究極のバランスを取った」(同氏)というデザインは、「禅の精神」と表現された。最薄部3.9ミリのボディ、人間工学にもとづいたキー配置など、その至るところにその精神が宿っているという。
デザイン面では、画面占有率72%の狭額縁設計も特徴だ。画面サイズは、5.5型と前モデルの「ZenFone 5」よりも大型化したが、ボディサイズは約77.2(幅)×152.5(高さ)×10.9(奥行き・最厚部)ミリと、「5.5インチの画面が、(ZenFone 5と同じ)ほぼ5インチのボディの中に収まっている」(同氏)。画面解像度もフルHD(1080×1920ピクセル)に向上している。
さらに、「ユーザーの個性を大切にする」(同氏)取り組みとして、画面のカラーテーマを追加したことや、背面カバーのバリエーションとして、グラデーションがかかった「Fusion Series」と、特殊な表面加工を施した「Illusion Series」を用意していることを紹介した。
2.手のひらに宿る「性能怪獣」
CPU、グラフィック、メモリ、通信、タッチ反応――全てにおいてハイパフォーマンスを目指したZenFone 2を、シー氏は「性能怪獣」(パフォーマンス・モンスター)と表現した。
「コア数が多ければ常に良いものではない。コアのアーキテクチャが重要だ」(シー氏)とするCPUは、「とびきりパーフェクトなコア」(同氏)を4つ搭載するIntel Atom Z3560/Z3580を採用。ARMアーキテクチャCPU(Cortex-A53・Krait 400)と比較して処理能力の高さをアピールした。グラフィックチップについても、「(昨今のQualcommチップセットに搭載される)Adrenoよりも高パフォーマンス」(同氏)を発揮するPowerVR 6430を採用している。
また、メインメモリは現行のスマホでは最大となる4Gバイトを搭載。デュアルチャネル(2Gバイト×2)構成とすることによって、「マルチタスキングがスイスイ行えて、バッテリードレイン(バッテリーが急速に消費されること)を防ぐことができ、データ転送も高速になる」(同氏)。ただし、発売当初はOSの都合で全容量を使うことはできない。今後のOSアップデートによって全容量を生かせるようになる予定だ。
タッチパネルは60ミリ秒の高反応速度のものを採用し、ほとんどタイムラグのない操作を実現した。LTEモデムは下り最大150Mbps(理論値)の通信に対応するものを搭載、無線LAN(Wi-Fi)も最大433Mbps(理論値)のIEEE802.11acに対応し、通信面での快適さも訴求した。
3.写真に宿る「千里眼」
ZenFone 2はカメラ撮影機能にも注力している。ASUS独自の「PixelMaster」は、ZenFone 2で「PixelMaster 2.0」に進化、その特性を、シー氏は「千里眼」と表現した。
メインカメラは有効約800万画素から約1300万画素に強化された。シーン撮影では、逆光下でもきれいな写真が撮れる「スーパーHDRモード」、ZenFoneまかせできれいな写真が撮れる「オートモード」、暗部でも鮮明な写真が撮れる「ローライトモード」など、いずれも進化を遂げている。千里眼の言葉が示すとおり、「(被写体が)見えるべき姿で見える」(シー氏)ようになった。
インカメラは有効約200万画素から約500万画素に強化、F2.0/85度の広角レンズを組み合わせた。最大で約140度のパノラマ撮影ができる「自分撮りパノラマ」機能も追加され、自撮りがより楽しめるようになった。
4.困ったときの「急速充電」
ZenFone 2では、「常にクラウドに頼る生活になっていて、バッテリー切れは一大事」(シー氏)という理由から、ASUS独自の急速充電技術「BoostMaster」を搭載している。3000mAhのバッテリーを、わずか39分で0%から60%まで充電できるこの技術は、「危険な加熱を伴わない」(シー氏)安全性が特徴。ただし、純正の対応ACアダプタ(最廉価モデルはオプション、それ以外は同梱)と組み合わせることで実現する。名刺サイズで1万50mAhの容量を持つオプションバッテリー「ZenPower」と組み合わせることで、バッテリー切れのリスクをより軽減できる。
5.ユーザーに寄り添う「誠心誠意」
ASUS独自のユーザーインターフェイス「ZenUI」を始めとするソフトウェアの進化は、「誠心誠意」という言葉で表現された。
ZenUIにおいては、スリープ状態から特定機能を起動できる「ZenMotion」、画面表示を縮小して、片手操作できるようにする「片手モード」、子ども向けに起動アプリの制限ができる「キッズモード」、初めてスマホを使うユーザーにも分かりやすい「簡単モード」が搭載された。
2つのロック解除パスワード/コードを使い分けることで、2ユーザーが別領域でデータ保存できる「SnapView」は、「もう(スマホをシーン別に)2台持ちする必要はない」(シー氏)という意味で注目に値する新機能だ。Android 5.0からスマホでも対応した「マルチユーザー」機能をもとにした機能で、デバイスの管理者でも、追加されたユーザーアカウントで保存したデータの管理を行えないことが特徴だ。
全てを“体現”する新キャラクター「禅太郎」
「禅の精神」「性能怪獣」「千里眼」「急速充電」、そして「誠心誠意」――これらのキーワード、そしてASUSのDNAを体現するキャラクターとして「禅太郎」(ZenTaro)という新しいキャラクターが登場した。「ZenFoneの魅力をみんなに伝えるために過酷なトレーニングに耐え抜いた、選ばれしエリート」(説明まま)とのこと。今後、ZenFoneのあるところに出没することが予想される。
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