米国版を一足先に入手!――10.8型タブレット「Surface 3」ファーストインプレッション
Windows 8.1を搭載したMicrosoftの10.8型タブレット「Surface 3」が日本でも発売されます。米国在住の筆者が一足早くWi-Fiモデルを手に入れたので、開封リポートとファーストインプレッションをお届けします。
2015年5月5日、Microsoftの2in1タブレット「Surface 3」が米国で先行発売されました。日本ではY!mobileからLTEモデルが発売されることがアナウンスされましたが、サンフランシスコ在住のドリキン(筆者)がさっそくWi-Fiモデルを入手したので、一足お先に開封レビューを行いたいと思います。
Surface 3の基本性能――ライバルはiPad Air 2と新しいMacBook?
Microsoft Surfaceは、Microsoftが自ら開発して販売しているWindows搭載PCです。Microsoftのビジネスモデルは、もともとはWindows OSやOfficeなどのソフトウェアを開発して他社のハードウェアメーカーにソフトウェアのライセンスをするというものだったので、自社でPC自体を作ることはなかったのですが、2012年に初のMicrosoft Surfaceを発売して以来、ハードウェアの開発にも力を入れています。
Surfaceシリーズ最大の特徴は、まず2in1タイプのタブレットスタイルであること。「Surface Type Cover」と呼ばれる別売りのハードウェアキーボード内蔵カバーを装着すると、通常のノートPCのように使える拡張性とSurface Penによる手書き操作も見逃せません。
名前の通りSurface 3は、Microsoft Surfaceシリーズの3世代目にあたるデバイスです。初代と2世代目は、あまり評判が上がらずビジネス的にも厳しかったのですが、3世代目で完成度が一気に高くなり、口コミで徐々に人気が上がり売り上げを伸ばしています。Surface Pro 3シリーズが発売されている日本でも、Surface 3について気になっている人も多いと思います。
そんな勢いに乗ってきたSurfaceですが、先日、Appleから発売された12型の新しいMacBookの発表とほぼ時を同じくして発表されたのが、新しいSurface 3シリーズです。
位置付けとしては、名前の通りSurface Pro 3からProが取れたローエンドモデルという見方もできます。サイズもProの12型から10.8型とiPad Airに近くなり、CPUもProシリーズのCore iシリーズからSurface 3ではよりタブレットに最適化された低消費電力の最新のAtom x7プロセッサを採用しています。
主なスペックをまとめると下の表のようになります。
スペック | Surface 3 | Surface Pro 3 | iPad Air 2(Wi-Fiモデル) | 新しいMacBook |
---|---|---|---|---|
CPU | Atom x7 | Core i3/5/7 | A8X | Core M |
クロック (Turbo Boost時) | 1.6(2.4)GHz | 1.5〜1.7(3.3)GHz | 1.5GHz | 1.1〜1.3(2.9)GHz |
メインメモリ | 2G/4Gバイト | 4G/8Gバイト | 2Gバイト | 8Gバイト |
画面サイズ | 10.8型 | 12.0型 | 9.7型 | 12型 |
解像度 | 1920×1280 | 2160×1440 | 2048×1536 | 2304×1440 |
ピクセル密度 | 214ppi | 216ppi | 264ppi | 226ppi |
画面比率 | 3:2 | 3:2 | 4:3 | 16;10 |
サイズ(ミリ、幅×高さ×奥行き) | 267×187×8.7 | 292.1×201.3×9.1 | 169.5×240×6.1 | 280.5×196.5×3.5〜13.1 |
重量(グラム) | 622(887※) | 800(1095※) | 437 | 920 |
※Surface Type Cover装着時。 |
比較対象として、Surface Pro 3だけでなく、iPad Air 2と新しいMacBookを追加しました。こうやってスペックを一覧で比較してみると、Surface 3はiPadのライバルでもあり、MacBookのライバルでもあるという非常に絶妙な位置にある製品だと感じられます。
実際、筆者の第一印象もこのスペック表と同じで、Surface 3はiPadキラーにも新しいMacBookキラーにもなるデバイスだなと感じました。
Surface 3開封の儀
筆者の購入したモデルはメインメモリ4Gバイト、ストレージ128Gバイトのハイエンドモデルで、価格は599ドルです。
タイプカバーも使わず、Metroアプリをタブレットとしてだけ使うのであれば、2Gバイトモデルでも十分かもしれませんが、カバーも装着してWindowsのデスクトップアプリも利用したいと考えると、4Gバイトモデルを購入した方がよいと思います。
ということで、さっそく開封写真を見ていきましょう。
形状は汎用(はんよう)のMicro USBながら、ACアダプターの出力は5.2V/2.5Aと高出力になっている。またUSB端子部分には通電を確認するLEDランプがあり、抜き差しが簡単にできるよう工夫された形状をしている
本体下側面にはSurface Type Coverを装着するための溝と特殊な端子が配置されている。端子部分はSurface Pro 3と共通で、Pro用のType Coverを装着して使うこともできた。(逆ももちろん可能)
上からSurface 3、新しいMacBook、Surface Pro 3を並べてみると、MacBookとSurface Pro 3はほぼ同じサイズで、Surface 3が一回り小さいことを確認できた
ファーストインプレッション:10.8型のサイズ感が絶妙
冒頭にも書いたとおり、この新しいSurface 3は、時にiPadの置きかえ、時に新しいMacBookの置きかえになる絶妙なポジションのデバイスだと感じています。これは中途半端という意味ではなく、どちらの長所も取り入れたバランスのよいデバイスだという意味です。
iPadに外付けキーボードなどを装着して、ビジネスなどでもiPadをバリバリ活用したいけど、いま一歩iOSの制約が厳しいと感じてる人や、できるだけ軽量で小型のノートPCをどこでも持ち運んで使いたいけど、新しいMacBook買うほど予算がない人などには最適なデバイスだと思います。
最近、格安Windows 8.1タブレットが人気ですが、SurfaceはやはりMicrosoft自ら作っているだけあって、完成度やクオリティがほかのタブレットと比較しても頭一つ抜けています。Windows8.1タブレットの購入を検討している人は、Surface 3を待つのも1つの選択肢だと思います。
単なるSurface Pro 3の廉価版ではなく、デバイスとしては着実にProからも進化しているところもポイントが高いと思います。特にSurface Type CoverのキーボードはProのタイピング感覚と比較しても確実にタイピングしやすくなっていて、個人的にはかなり気に入っています。
無段階から3段階に変わったキックスタンドも、コストダウンという意味合いが大きいでしょうが、逆に角度の調整の自由度が減ったことで安定度が増し、膝の上で使うときなど、従来よりかなり使いやすくなったと思います。
何より個人的に一番気に入っているのはサイズです。10型に小型化されたことでiPad並みの機動力を得たので、どこに行くにも持っていきたくなるし、持っていっても負担にならないというのが素晴らしいです。
Surface Pro 3の最大の問題だったバッテリーの持ちも大幅に改善されている感じで、本当にiPad感覚で使うことができます。いざという時にはMicro USBで充電できるのもポイントが高いです(ただし通常のMicro USB充電アダプターではアンペアが足りずに充電できないか、できても充電にかなり時間がかかる可能性があります)。
今後は、実際にもう少し長く使ってみた後で、使用感やレビューなどもリポートしようと思っています。ご期待ください。
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