「SIMフリースマホはこう使え!」〜台湾の場合〜:SIM通
日本人にとって海外旅行しやすい場所の1つ「台湾」は、SIMフリースマホが非常に便利に使える地域でもあります。では、現地のSIMカードはどうやって契約すればいいのか? 台北に出かけて実際に試してみました。
地理的に近く親日家が多い台湾は、日本人にとって海外旅行しやすい場所の1つです。台北市の繁華街・西門や、あちこちの夜市を楽しんだことをある人も多いのではないでしょうか。そして台湾は、SIMフリースマホが非常に便利に使える地域でもあります。
台湾では、日本から持参したSIMロック解除済みのスマホに、現地の安い通信会社のSIMカードを挿して使うことができます。これまでのようにキャリア契約のSIMロック機種を持ち込んで割高な国際ローミング料金を支払ったり、現地のモバイルWi-Fiルーターをレンタルしたりするのはコストや利便性の面で逆に不自由。現地のSIMカードはどうやって契約すればいいのか、台北に出かけて実際に試してみました。
桃園国際空港では入国審査通過後の到着ロビーで、両替カウンターと同じように台湾の通信業者のSIM販売カウンターを利用でき、プリペイドSIMが購入できます。台北松山空港も同様。今回は「中華電信」のプリペイドSIMカードを購入しました。
中華電信のプリペイドSIMカードは利用日数で契約を選ぶことができます。データ通信は使い放題。リーズナブルな価格が魅力です。
- 1日間 NT$100(約400円)
- 3日間 NT$250(約1,000円)
- 5日間 NT$300(約1,200円)
- 7日間 NT$450(約1,800円)
- 10日間 NT$500(約2,000円)
- 30日間 NT$900(約3,600円)
利用料金は前払い。これは日本におけるプリペイドSIMと同じ扱いですね。なお購入時には、写真付きの証明書(パスポートや免許証など)が2つ必要です。
SIMカードは、カウンターの店員さんがセットしてくれます。「SIM Free?」と聞かれたら「Yes!」と答えればそれでOK。ちなみに中華電信のSIMカードは、スマホにセットすることでAPN(アクセスポイント)が自動で設定されます。挿して再起動した後に、データ通信をしているか確認すれば問題ありません。急いでいるのにカウンターが混雑していてとても待っていられないという時には、自分でSIMカードを挿してもよさそうです。
持参した機種は、ASUSのZenFone2です。
ZenFone2は、裏蓋をあけてSIMを挿します。デュアルSIMスロットの機種ではありますが、1つは2G(GSM)通信による通話専用スロットなので、今回のように3G通信を行う場合、国内で使用しているスロットと同じスロットを利用します。
高速通信が必要な人は、最近普及し始めたLTEのプリペイドSIMが中華電信にもあります。
- 3日間 NT$300(約1,200円) 音声通話+NT$100
- 5日間 NT$500(約2,000円) 音声通話+NT$300
- 7日間 NT$700(約2,800円) 音声通話+NT$350
- 10日間 NT$800(約3,200円) 音声通話+NT$400
- 15日間 NT$1,000(約4,000円)音声通話+NT$400
3Gと比較すると割高ですが、十分にお手ごろな価格です。LINEやFacebookメッセンジャーなど、電話の代用にできるSNSやメッセージアプリがデータ通信で利用できるので、音声通信の追加契約はしなくても不自由はないように感じます。
プリペイドSIMの購入は街中のキャリアショップでも可能です。とはいえ空港に到着してすぐにスマホを使用したい人が多いようで、ビジネスとプライベートの関係なく、空港で契約するのが一般的なようです。
なおプリペイドSIMは使い切りなので、帰国時に返却する義務はありません。しかし契約日数が残っていても、日本国内では利用できないので要注意です。
このようなプリペイドSIMの販売は世界各国で行われており、日本国内のMVNOも複数の企業が、海外からの旅行者に向けたビジターSIMを販売しています。しかし日本ではまだ、到着した空港ですぐに購入できるシステムは十分に整っていないのが実情。2020年の東京五輪にむけて日本は観光客の増加を目指していますが、通信インフラを気軽に利用できる環境の整備も、大切な“おもてなし”といえるのではないでしょうか。
(文:甲斐寿憲)
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