豪華な材料がズラリと並ぶ「Xperia Z4」 コストの増減を分解リポート:バラして見ずにはいられない(4/4 ページ)
先代の「Xperia Z3」と見分けが付かないほど、限定的なモデルチェンジだった「Xperia Z4」。しかし使われている部品や製造コストにはかなり差があるようだ。
テレビアンテナは合理的な外付け方式
インターネット経由であらゆる情報が入手できる昨今。ニュースも例外ではない。スマホならさまざまなニュースアプリが利用可能だ。しかしこれらはすべて、ネット接続が前提であり、回線が混み合って接続できなくなったり、災害でダウンしてしまうと利用できない。そうなると大半のスマホはただの“板”と化してしまう。
しかしスマホによってはテレビやFMラジオなどが受信できるものもある。“放送”は“通信”と異なり、利用者数が増えても最新の情報を同時に受信できるメリットがある。防災の日を前に、災害対策という視点で、放送対応のスマホ選びをしてみるのもよいだろう。
さて国内向けのZ4は地上波のワンセグ/フルセグ受信に対応している。テレビ用ICはソニー製で、メイン基板上に実装しているのを確認した。アンテナは内蔵式ではなく、ヘッドフォン端子にアンテナを組み込んだケーブルを挿し、ここにヘッドフォンを接続して視聴する。
Z4はグローバルモデルであり、テレビ非対応のモデルも生産しなくてはならない。数個のICならともかく、スペースを取るテレビアンテナの内蔵を前提とした設計はできないだろう。こうした事情は他社も同様で、外付けアンテナのみのスマホがここ数年でかなり増えている。ただし、いざテレビを見ようとした場合、製品に付属のアンテナがないとテレビが映らない問題もある。
いっそのこと、アンテナとチューナーを一体化して、テレビ機能そのものを筐体の外に出すという考えもある。これならどんな端末でもテレビ視聴が可能だ。実はそうした周辺機器はすでに登場している。まだサイズ的な問題はあるが、スマホ用のイヤフォンマイク程度の大きさになれば、使い勝手はぐっと増すだろう。
結論
“SONY”のロゴは世界で最も良く知られている商標の1つで、日本のものづくりのレガシー(資産)だ。しかし世界の先進国が“ものづくり 4.0”への環境整備を着々と国策として進めているのに対し、日本政府がこの分野に割り当てた予算はゼロである。
これまでは個々の企業のガンバリでなんとかなっていた部分もあろうが、大型合併案件が進む中では、大企業でさえ単独の努力にも限界がある。政府としての方針や支援体勢は、これからの製造業には不可欠だ。
例えば日本のものづくり広報として有能な人を任命し、世界の情報収集および日本との協業の重要性を世界に発信する必要もあるだろう。世界の人々が日本メーカーのロゴを覚えているうちに、早急な対策が必要だ。
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