午前中の速度が改善、UQ mobileが一矢報いる――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線2月編):通信速度定点観測(1/2 ページ)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。2月のau回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。前回は2016年2月編のドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたが、今回はau系MVNOだ。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。
通信速度の調査方法
今回、テストを行ったのは、au回線を使った以下の3サービス。
- UQ mobile
- mineo
- au(LTE NET)
いずれも下り最大150MbpsのLTEサービスに対応したものを使っている。このうちauのLTE NETはMVNOではなく、auのスマホに通常提供されているインターネット接続サービス。いわば“本家”の通信速度となる。LTE NETは、一部のau端末では下り最大225Mbpsの通信が可能だが、今回使用しているURBANO L03は下り最大150Mbpsまでの対応となる。また、mineoはau VoLTE非対応のSIMを使っている。
調査条件は以下の通り。
- 計測端末:URBANO L03
- 計測アプリ:RBB TODAY SPEEDTEST
- 計測時間帯:平日午前(8時50分〜)、午後(12時20分〜)、夕方(18時〜)の3時間帯。
- 計測場所:JR横浜駅西口(午前、午後、夕方)、東京都港区のアイティメディア社内(午後のみ)
- 計測回数:各時間帯・場所で1サービス、上下3回(平均値を掲載)
通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定した。本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。
au回線の測定は1台のURBANO L03を使って順番に行ったため、測定時間は分単位では異なる。測定時はドコモのMVNOを含めた3台同時になり、やや各SIMの測定間隔は広がっている。全てのサービスを同時に測定したわけではないことをご理解いただきたい。
午前はUQ mobileが68Mbpsで絶好調! 他の2サービスも◎
今回の測定は2月24日(水)にJR横浜駅西口前、2月29日(月)に東京都港区のアイティメディア社内で行った。まずは横浜駅での午前中の測定結果をお伝えする。
1月のau系MVNOの午前中の成績は、LTE NETこそ下り平均60Mbpsを超えて好調だったが、UQ mobileとmineoは大きく速度が落ち、特にmineoは6Mbps台という、これまでにない数値が出てしまった。
しかし2月は改善された。トップはUQ mobileで本家を抑えて下り平均68Mbpsで堂々1位。その本家au(LTE NET)は62Mbps、そしてmineoも59Mbpsであり、3サービスともドコモ系MVNOを圧倒する速度でテストを終えた。
ただし、いつものように上りの通信速度はさほどでもなく、1位のUQ mobileが平均6.97Mbpsで1位。au(LTE NET)は3Mbps台後半、mineoが2Mbps台だった。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 9:02 | 68.55 | 6.97 |
mineo | 8:57 | 59.05 | 2.63 |
au(LTE NET) | 8:52 | 62.92 | 3.86 |
午後は先月と比べトップも速度が落ちる 31Mbpsでau LTE NETが1位
横浜駅での午後(ランチタイム)は、ドコモ系MVNOと同じく、au回線もネットワークが混雑するので速度は落ちる傾向にある。
2月はau(LTE NET)が今回もトップながら、1月(61Mbps)の半分となる下り31Mbps台。それでも本家らしい十分な速度ではある。
一方、UQ mobileは1.44Mbpsと苦戦し、mineoはわずか0.46Mbps。どちらも動画のようなコンテンツを扱うのはつらそうな速度だ。もっとも、これが典型的なMVNOの速度なのだが……。
上りの通信速度は相変わらず遅いものの、2〜4Mbps台なのだから低速安定といったところ。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 12:28 | 1.44 | 3.46 |
mineo | 12:39 | 0.46 | 4.53 |
au(LTE NET) | 12:23 | 31.53 | 2.28 |
夕方はLTE NETが好調、UQ mobileが持ち直す
11月、12月、1月に続き、2月もランチタイムよりは夕方の方が通信速度は上昇した。下り平均で0Mbps台がない分、ドコモ系MVNOよりは好印象……かもしれない。
トップはまたもau(LTE NET)で、下り平均53.4Mbps。1月とさほど変わらずだが、十分な通信速度だろう。
12月と1月よりは遅いものの、UQ mobileが下り平均13.6Mbpsに持ち直した。mineoは1.1Mbpsでランチタイムよりは良い。1月も同じような傾向だ。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 18:12 | 13.6 | 4.52 |
mineo | 18:07 | 1.1 | 3.91 |
au(LTE NET) | 18:00 | 53.4 | 4.86 |
関連キーワード
UQ mobile | LTE(Long Term Evolution) | MVNO | UQ mobile | mineo | 格安SIMカード | URBANO L03 | 通信速度定点観測
関連記事
- 鬼門はやはり「12時台」、特にmineoが不調――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線1月編)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。1月のau回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。 - 昼はMVNOが苦戦するも、UQ mobileが夕方に好調――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線12月編)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。前回のドコモ回線に続き、今回はauの回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。 - MVNOと本家auの差が大きく開く――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線11月編)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。前回のドコモ回線に続き、今回はauの回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。 - UQ mobileがまたも本家超え、mineoは厳しい結果に――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線10月編)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。前回のドコモ回線に続き、今回はauの回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。 - UQ mobileが本家より速いことも――「格安SIM」2サービスの実効速度を比較(au回線9月編)
格安SIMを選ぶうえで料金と並んで重要な「通信速度」。本企画では主要な格安SIMサービスの通信速度を月に1回、横並びで比較する。前回のドコモ回線に続き、今回はauの回線を使ったサービスの測定結果を紹介しよう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.