実は“キャリア品質”のWikoスマホ 日本市場での勝算を前田社長に聞く:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/3 ページ)
フランス発のスマートフォンメーカーとして急成長を遂げているWikoが日本に参入。1万円台のスマートフォン「Tommy」を発売した。日本では多くのスマホメーカーがSIMフリー市場でひしめき合っているが、勝算はどこにあると考えているのだろうか。
「ブリーン」が一番人気だけど欧州の売れ筋とは違う
―― Tommyについてですが、6色のうち、サン・イエローやホットピンク、グレイが発売されていません。こちらはいかがでしょう。
前田氏 今、話し合っている最中です。黄色はけっこう人気があるので、これは早急にという形で(議論を)進めています。話がまとまるかどうかは分かりませんが、MVNOの中に興味を示してくれているところもあります。オリジナルのロゴを入れた形でやってみたいというお話も、ちらほら出ています。そういった需要があれば、やってみたいですね。
―― 人気色はありますか。
前田氏 一番は、やはりブリーンです。これは欧州での売れ筋とは違っていて、あちらではトゥルー・ブラック、ブリーン、ホットピンク、サン・イエロー、フラッシー・レッドの順になっています。
―― 地味なブラックが一番人気なんですね。欧州は、もっとカジュアルな色が人気なのだと思っていました。
前田氏 欧州の方がもっとカジュアルに複数台持ちして、SIMの入れ替えも盛んですからね。「Fever」というイタリアでばか受けした機種があるのですが、こちらは木目調だったり、オレンジのボディーにグレーのストライプだったりで、カバーだけを変えられる形です。そういう(派手な機種も)売れましたね。
―― 背面のカバーだけ販売するということはあるのでしょうか。
前田氏 今、それは検討中です。ただ、買われた後、あまりカバーは変えないみたいなんです。Folioも2色、3色あって、着せ替えを楽しめますからね。
―― そのケースはキャンペーンだけで、販売の予定はないのでしょうか。
前田氏 どのルートで流すかを検討しています。ECを使うなどしないと、採算が合わなくなり、価格を上げると手に取りにくくなってしまうので。
まずTommyを日本で発売した理由
―― 若年層がエンタメガジェットとして持つというお話がありましたが、Tommyの傾向はいかがですか。
前田氏 基本的にはわれわれの想定したヤングジェネレーションがメインですが、けっこう上の層まで来ています。サポートにSIMの挿し方の問い合わせがあって、それをうちの技術(の人間)が教えることもありますね。もちろん、メインはヤングジェネレーションですが、それ以外がけっこういるということも分かってきました。
―― MVNOでの取り扱いはいかがですか。
前田氏 今メインでやっていただいているのがNTTコミュニケーションさんで、あとはUQ mobileさんにも推奨端末(正しくは動作確認端末)に入れていただけました。UQ mobileさんは、(冬春モデルから)ちょっと時期が遅れてしまいましたが、いつでもウエルカムと言われています。
―― 今後はもっと増えそうですか。
前田氏 ほとんどのMVNOさんが待っているのが、次の機種だと思います。そうなると、相乗効果で(Tommyも)上がると思っていますし、オンゴーイングでいくつか動いているものもあります。
―― 自社ECサイトがありませんが、ECでの売れ行きはいかがですか。
前田氏 Amazonさんが売れ筋のECサイトになっていて、購買層は若い方から上の方まで網羅しています。先週(インタビューは5月2日)は、売れ筋で15位になっていました。あとはNTTレゾナントさんのショップで、ここではMNPで買われている方もたくさんいます。
―― 最初がTommyだった理由は、どこにあるのでしょうか。
前田氏 まずは買いやすいところから、ですね。ある意味、フィードバックも欲しかった。あまり高いのを出し過ぎて、「こんなもの」と言われるよりは、安いところからです。
―― そういう意味だと、現状は想定通りでしょうか。
前田氏 これから伸ばしていきます。いろいろなところからきているフィードバックとしては、販促を継続的にやってほしいというもので、これは続けていきます。
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