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インタビュー

楽天はなぜFREETELのMVNO事業を買収したのか? 楽天 大尾嘉氏に聞くMVNOに聞く(2/3 ページ)

業績が低迷したFREETELのMVNO事業を承継した楽天。これにより、楽天モバイルの回線数は140万を超える。楽天はなぜ、FREETELの買収を決めたのか? 同社のMVNO事業を率いる執行役員の大尾嘉宏人氏に聞いた。

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設備の統合は簡単な話ではない

―― ブランド統合は2018年1月をめどにとのことですが、料金はどうされる予定でしょうか。

大尾嘉氏 今はFREETEL SIMも僕らが持っていて、契約も楽天としていることになっているので、あとは名前を変えるということです。11月末から12月頭に向け、サービス、料金チームが既存(のFREETEL SIM)ユーザーに対し、何ができるのかを検討しているところです。ちょうどFREETELのユーザーさんへのアンケートは取り終わって、今分析をしています。

―― 楽天とFREETELで設備が分かれていると思います。ここは二重投資になってしまいますが、どうされていくのでしょうか。

大尾嘉氏 おっしゃる通りです。ただ、どこまでできるかは(回線を両ブランドに貸す)ドコモさんも絡んでくる話で、実はまだ細かく分析ができていません。試算もこれからですね。統合の検討はしていないというとウソになってしまいますが、そんなに簡単な話でもないというのがお答えになります。

―― FREETELはカウントフリーも導入していますし、楽天モバイルとはずいぶん、仕組みも違う印象があります。

大尾嘉氏 僕らはカウントフリーをポリシーとしてやっていませんし、そこは変っていません。ただ、FREETELのお客さまにはそれをやっていたので、残して提供はしています。そこも、簡単ではない部分ですね。

―― 140万を超えた顧客基盤を、どう生かしていくのでしょうか。楽天経済圏の拡大にもつながるのでしょうか。

大尾嘉氏 うまくつながれば、(顧客基盤の大きさが)効いてくると思っています。少なくとも今、楽天モバイルは108万(契約)ぐらいになっていますが、楽天経済圏を活用しているお客さまは非常に多い。

 例えば、今Twitterでキャンペーンをやっています。アプリの中で支払額を表示できるのですが、ポイントでいくら払えたかも分かります。そのページのスクリーンショットをツイートすると、10人に1万ポイントが当たるというものです。これが僕らの想定を上回る数で、しかもスクリーンショットだけでいいのに、「こんなに安くなった」といったツイートまでしている方もいました(笑)。

楽天モバイル
楽天モバイルのTwitterキャンペーン。利用料金のスクリーンショットをTwitterに投稿すると、抽選で10人に1万ポイントが当たる

 やはり思ったのは、楽天スーパーポイントで支払いができるというのはすごくいい。楽天モバイルに入る前と入った後では、利用頻度や購入額も違ってきています。

 コンテンツ系のアップセルのシナジーもありますが、ダイレクトに感じているのは、マーケティングシナジーです。楽天カードも同時に契約していただくと、その時点で8000ポイントがもらえて、すぐに端末の購入に使える。お互いにマーケティングの原資を出し合ってサービスを提供しているということです。通信系以外のものと組み合わせられるので、それは大きいですね。

組織として強くなったので、事業譲渡が可能に

―― 先ほど、買収も視野に入っていたというお話をうかがいましたが、POM社以外にも可能性はあるのでしょうか。

大尾嘉氏 これは三木谷もまさに決算で言っていたことですが、経済条件が合えば、ありえます。積極的にどこかを買うと言っているわけではありませんが、MVNOが淘汰されるのは、一般的にありえることで、オーガニックな成長に加えて、事業譲渡で拡大していくのは僕らの中ではありだと思っています。

 ただ、これは、組織が脆弱(ぜいじゃく)だとできないことでもあります。なぜそれができたかというと、事業が4年目に入り、組織としてもかなり強くなってきたことがあります。FREETELを受け入れても、安定運用できる組織になっていたということですね。今なら、事業譲渡をしてもらったあとに、お客さまに対しても迷惑を掛けず、運用に必要な改善活動もしていけます。

―― FREETELは店舗も展開していましたが、こちらはどうするのでしょうか。人材もどうするのでしょうか。

大尾嘉氏 単純に、今は彼らが僕らの代理店になっている状態です。今はFREETELブランドですが、これが楽天モバイルになる、ならないに関わらず、いち代理店として販売してもらう契約になっています。

 運用のところもやっていただいていています。そことCS(カスタマーサポート)、オペレーションをやっていた方々は、受け入れたいと思っています。

 9月末に譲渡契約が決まってから、細かいことがいっぱいありました。お店の話もそうですし、SIMカードをどうするかという話もあります。そういうことを1つ1つ解決してきました。そうはいっても、ビリングシステムはすぐに動かせないといったようなことを1カ月やって、クロージングしています。

 そこから先のネットワーク統合はもっと長期の話で、それ以外のオペレーションをどうしていくのかもこれからの話です。ここについては、お客さまの安定運用に必要であれば、楽天モバイルの一員としてやっていただきたいと思っています。

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