「モバイルバッテリー」に寿命が来たらどうなる? 捨てるタイミングと方法をチェック!(2/3 ページ)
スマートフォンやノートPCのバッテリーが足りなくなった時に役立つ「モバイルバッテリー」。しかし、寿命が来たモバイルバッテリーを使い続けると、最悪の場合発火/発煙事故につながってしまうこともある。寿命が来たモバイルバッテリーは、どう処分すればいいのだろうか……?
古いモバイルバッテリーは「発煙/発火事故」のリスクが大きくなる
モバイルバッテリーには寿命がある。では、その寿命を超えて使い続けるとどのようなリスクがあるのだろうか?
モバイルバッテリーで使われているリチウムイオンバッテリーには、先述の通り寿命が比較的長いというメリットがある。また、軽量な割に大きな電圧/電流を流せるというメリットもある。
一方で、以下のようなデメリットもある。
- 衝撃に弱い(強すぎる衝撃は発煙や発火につながる可能性がある)
- 熱に弱い(高温になると劣化が早くなる)
- 寒さに弱い(低温では本来の性能を発揮できない)
- 満充電/過放電の状態が続くと劣化が早くなる
特に注目したいのが「衝撃に弱い」「熱に弱い」というデメリットだ。たまに「モバイルバッテリーが発煙(発火)した」というニュースを耳にするが、その原因の多くは「バッテリーにかかった強い衝撃(圧力)や高温」だったりする。端的にいうと、衝撃や高温によって蓄積されたダメージが原因で発煙/発火してしまうのだ。
消費者庁の事故情報データバンクを調べてみると、「リチウム電池内蔵充電器(≒モバイルバッテリー)」の事故情報が2022年3月31日からの1年だけで112件あることが分かる。同データバンクでは「注目事故情報」としてリンクが設けられるほどに発煙/発火事故が多いようである
もちろん、持ち歩いて使うモバイルバッテリーには、衝撃や熱に対する対策も施されている。とはいえ、衝撃や熱によるダメージは少しずつ蓄積されていくことには変わりない。モバイルバッテリーに強い衝撃や熱が加わらないように使うことは、必ず心掛けたい。
また、以下のような状態になったモバイルバッテリーは直ちに利用を中止して、新しいものに買い換えよう。
- バッテリーがボディーを変形させるほどに膨張している(劣化が相当に進んでいる)
- バッテリーのセル(コア)が大きく傷付くような破損をしてしまった
- 新品の時と比べて、充電に妙に時間が掛かる、または妙に早く終わる
なお、新品や使い始めてから日の浅いモバイルバッテリーでも、製造上の不手際が原因で発煙/発火に至ることもある。このような場合は、消費者庁が公開している「リコール情報」に掲載されることがあるので、随時チェックすることをお勧めしたい。
- →リコール情報(消費者庁)
モバイルバッテリーのリコール情報は、消費者庁のリコール情報サイトで「リチウム電池内蔵充電器」で検索すると調べやすい。3月31日時点で17件のリコール情報が掲載されているが、そのほとんどがモバイルバッテリーのものである
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