「モバイルバッテリー」に寿命が来たらどうなる? 捨てるタイミングと方法をチェック!(1/3 ページ)
スマートフォンやノートPCのバッテリーが足りなくなった時に役立つ「モバイルバッテリー」。しかし、寿命が来たモバイルバッテリーを使い続けると、最悪の場合発火/発煙事故につながってしまうこともある。寿命が来たモバイルバッテリーは、どう処分すればいいのだろうか……?
以前と比べると「コロナ禍」は落ち着きを見せつつある。スマートフォンやノートPCを外に持ち出す機会も増えたという人も少なくないだろう。外出が思ったより長引いて「バッテリーが持たない……」と冷や汗をかく機会も増えているかもしれない。
そんな時に役立つのが「モバイルバッテリー」である。先日、モバイルバッテリーを選ぶ上で注目したいポイントを4点まとめた。
一方で、モバイルバッテリーを購入/利用する際に忘れがちなのが「寿命」と「寿命を迎えた際の処分方法」である。スマホやノートPCのバッテリーと同じように、モバイルバッテリーにも寿命があり、寿命を迎えたら適切に処分する必要があるのだ。
しかし「何をもって『寿命を迎えた』と考えればいいの?」「寿命を迎えたモバイルバッテリーはどうすればいいの?」と疑問を持つ人もいるだろう。この記事では、これらの疑問を解消していく。
モバイルバッテリーの「寿命」 そのサインは?
スマホやノートPC、モバイルバッテリーは、ほぼ例外なく「リチウムイオンバッテリー」または「リチウムポリマーバッテリー」が搭載されている。基本的な仕組みは両者ともに一緒なので、以降はまとめて「リチウムイオンバッテリー」と呼ぶことにする。
リチウムイオンバッテリーは寿命が長い傾向にある……のだが、あることに代わりはない。同じスマホやノートPCを2〜3年使っていると「あれ、買った時よりバッテリーの持ちが悪いな……」と感じることがあるが、これがまさにバッテリーの寿命が近づいていることのバロメーターなのだ。
モバイルバッテリーもこのことは同様で、他のデバイスに給電(充電)できる時間が短くなってくると、内部のバッテリーが寿命に近づいているということを意味する。
リチウムイオンバッテリーには「充電サイクル(サイクルカウント)」という概念がある。これはバッテリーの満充電容量を充放電した回数を示すもので、例えば満充電容量が5000mAhのバッテリーであれば、5000mAh分の充電と5000mAh分の放電を行うと「1サイクル」と数える(参考記事)。
一般的に、リチウムイオンバッテリーの寿命は300〜500サイクルとされている。Windows 10/11やmacOSで稼働しているノートPCでは、充電サイクルをチェックする方法が用意されている。
iPhone/iPadや一部のAndroidスマホ/タブレットでは、バッテリーのサイクルカウントの代わりに定格(≒新品時)の満充電容量と比べた場合の満充電容量をチェックできる。定格容量と比べる場合は、一般的に50〜80%の容量にあると寿命とされている。iPhone/iPadの場合、定格容量の80%になるとバッテリーの交換を促すアラートが出てくる。
Windows 10/11には、バッテリーの状況をHTML形式で書き出すコマンドが用意されている。書き出されたHTMLファイルをWebブラウザで開いて、「CYCLE COUNT」と書かれた欄をチェックしてみよう
iPhoneやiPadの場合、端末設定の「バッテリーの状態と充電」で定格容量に対する満充電容量の比率を表示できるようになっている。ここの数値が80%以下になると、バッテリー交換を促す表示が出てくるようになる
……と、話がそれそうになったが、モバイルバッテリーには充電サイクルや満充電容量の比率を表示する機能はない。スマホ/タブレットやノートPCと比べると、モバイルバッテリーは充放電の頻度は少ないため、想像以上に長持ちはする。しかし、寿命と“無縁”ではいられない。
目安としては、iPhone/iPadや一部のAndroidスマホの基準を準用して、新品の時の7〜8割程度の容量(時間)しか充電できなくなったら買い換えを検討するようにしたい。モバイルバッテリーを使った回数を覚えているなら、500回くらい使ったら買い換えると考えればいいだろう。
市販されているUSB電流計測器を活用すれば、モバイルバッテリーが寿命なのかどうか計算することも不可能ではない。ただ、ここまでやるのはさすがに“逸般的”なので、本文で述べた方法で買い換え時を判断するようにしたい
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