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空飛ぶ基地局HAPSで「5G通信」実験成功 なぜ実現? 課題は? ソフトバンクが解説(2/2 ページ)
ソフトバンクは9月18日、成層圏を利用した通信基盤「HAPS(High Altitude Platform Station)」の研究開発に関するオンライン説明会を開催した。説明会では、八丈島で実施した実証実験の成果が報告されただけでなく、記者との質疑応答を交えながら、今後の技術課題や商用化への展望が具体的に示された。登壇したのはテクノロジーユニット統括 基盤技術研究室 無線技術研究開発部 部長 星野兼次氏。
Sceye製LTA型HAPSへの搭載を視野に
ソフトバンクは、2026年に開始予定のプレ商用サービスで、ソフトバンクが出資する米Sceye(スカイ)が持つLTA(Lighter Than Air)型の機体を運用する。今回、開発したペイロードはこれに搭載されるのだろうか? 星野氏は「商用化を想定し、Sceyeの機体への搭載を早期に実現することを視野に研究開発と商用化への取り組みを同時並行で進めている」と答えた。
HAPSは災害時の通信確保や、山間部・離島などに役立てる
HAPSは災害時の通信確保や、山間部・離島など従来の基地局整備が難しい地域での通信提供に大きな期待が寄せられている。今後、サービス料金や対応端末など具体的に情報が発表され、HAPSが持つメリットがどのように発揮できるのかに期待したい。
ソフトバンクでは、将来、4Gや5Gといった地上のネットワーク、GEO(静止軌道衛星)、LEO(低軌道衛星)、今回のテーマであるHAPS(高高度プラットフォーム)を、まるでオーケストラの指揮者のようにAIが自動で使い分ける方針で、利用者がネットワークを本当に必要とする場面で適切に使えるように整備していく。
ソフトバンクは、地上ネットワークと非地上系ネットワークを融合させ、いつでもどこでもつながる通信できる世界を目指す。ニュースリリースなどの資料では、「ユビキタス・トランスフォーメーション(Ubiquitous Transformation:UTX)」と表現されている
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