小寺信良
HDMIで揺れるハイビジョンテレビの難題(1/4 ページ)
筆者は映像機器のレビューなどを生業としている関係上、どうしても近日中に画質評価用に使える「イマドキのテレビ」を1台手に入れる必要性が出てきた。
つい昨年までは、レコーダーやビデオカメラなどの映像機器は、SD録画が普通であった。たまにHD機材があっても、筆者の仕事場にあるブラウン管式の放送用モニタは1080iまで対応しているので、D端子をコンポーネント端子に変換すれば、相手が民生機でもOKだ。
筆者が放送用モニタで映像評価していたのは、一般のテレビというのは追従性が高すぎて使いにくいからだ。何か絵が暗いとか、明るいとか、おかしなところがあっても、テレビのほうが勝手に追いついて、問題なく表示してしまうからである。
もう1つサブで使っていたのが、EIZOの「GAWIN M-10」という液晶モニタである。結構古いものだが、映像入力4系統のうちD端子が2系統あり、しかも当時にしては珍しくD4(720P)まで対応している。どんなソースがくるか分からない仕事では、とりあえず機材の出力からどんな解像度で出ているのか確認できるので、重宝した。ただこのモニタは、コントラストの浅い映像に対しての階調表現がヘタなので、画質評価にはまったく向かない。
そんなことから、出力確認はGAWINで、画質評価は放送用モニタでと使い分けてきたのだが、ここに来てそれでは対応できない事態が出てきた。デジタルで映像と音声の伝送が可能な、HDMIである。徐々にレコーダーではHDMI搭載機が増えており、ご存じの方も多いだろう。
もともとデジタルで記録するデバイスからの信号を、DA変換せずにテレビまで伝送できるわけだから、画質の面でも期待できるわけだが、筆者が直面している問題はそこではない。ソニーの「RDZ-D5」や松下電器産業「DMR-EX300」といったハイエンドのレコーダーでは、市販DVDなどを1080iにアップコンバートして出力する機能を備えている。ところがこの機能は、HDMIでなければ出力できないのである。例によって著作権がらみの縛りだ。
まあ実際には、HDMI云々というよりも、テレビがHDCP(デジタルコンテンツの不正コピー防止を目的とする著作権保護用システム)に対応しているかどうかが問題なのである。同じくデジタル伝送であるDVI端子を装備したプロジェクターなどでも、HDCP対応のものがある。これらはHDMI-DVIの変換ケーブルを使えば、使用することは可能だ。
だが現在、米国で主流となりつつあるHDMIのほうが、今後日本でもD端子を徐々に凌駕して、主要規格になっていくだろう。とくに上記のような、「HDMI端子からのみ出力されます」とカタログなど明記されたソリューションが登場してきた以上、「要するにHDMIって端子がないと困るんだねこれからは」という話のほうが、全然わかりやすいからである。
選択肢が少ないHDMI端子付きテレビ
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
Anthropic、「Claude Opus 5」公開 Fable 5に迫る性能を半額で――サイバー安全策は緩和、拒否時は自動フォールバックも
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
「iPhone高騰」はこれからも続く? 中国CXMTに近づくApple、メモリ競合へのけん制が不発に終わりそうなワケ【後編】
-
5
「ニューロマンサー」実写ドラマ、Apple TV+で2027年1月配信開始へ
-
6
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
7
海外の新作バカゲー「電車アタック」にマンガ家が感心した理由 ブッ飛んだ内容と完成度の高さ、そして“日本”
-
8
「めっちゃカメレオン」公式Discord乗っ取り 担当者PCがマルウェア感染、管理者が全員BANに 現在は復旧
-
9
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
-
10
スーパーに並んだ「ごちゃごちゃ生成AIポップ」が物議 “看板王”こと、きぬた歯科院長「これはアリ」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR