麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
CESで分かったデジタルの新しいトレンド(2/5 ページ)
――BD陣営はどのような動きを見せたのでしょうか。
麻倉氏: 一方、BD陣営の作戦は、従来の光ディスクの普及スタイルと同様にハイエンドから製品を投入し、次世代の良さというのを十分に浸透させた上で徐々にローエンドへ普及させていくという極めてオーソドックスな方針です。もともとセルソフトのリリース時期が違っていて、HD DVDは3月28日に出るのに対して、BDはそれから3カ月後ぐらいに出てくるスケジュールになっています。そういった意味で、CESにおけるHD DVDとBDの立場は明らかに違っているわけで、BDの方は発売日が近くなった時点でもう少しリアリティある動きが見られるのではないでしょうか。
――2つのフォーマットは今後どうなるのでしょうか?
麻倉氏: 会期中にワーナー・ホーム・ビデオのマーケティング責任者に、なぜBDも出すことになったかをきいたところ「次世代DVDが一本化できなかったということは、ある時期には両陣営のプレーヤーが市場に存在することになる。HD DVDプレーヤーを買ったユーザーはワーナーのタイトルを見れるがBDプレーヤーを買ったユーザーは見れないという状況は、すべてのユーザーにリーチをするというワーナーの立場からはあってはならないこと。だから両方出しすことにしたのだ」という答えでした。
――ワーナーとしても本当は1本化したいと思っているのですよね?
麻倉氏: そうですね。ただ現実問題としては、なんでも1本化しなければいけないというわけではないのです。ワーナーの担当者もその1例としてゲームソフトを挙げ、7つのプラットフォームでリリースしている「ハリー・ポッター」のゲームタイトルを見せてもらいました。そんなに数多くあっても、それなりにうまくハンドリングされているということです。すでにDVD/VHS/HD DVDと3つのフォーマットで出す予定でしたので、それにBDが加わって3つが4つになったとしてもそれほど影響はないというのがワーナーの見解です。ただしこの説明は、必ずしも100%正解というわけてばありません。確かにゲームには同一タイトル複数フォーマットがありますが、ゲームとビデオは異なるカテゴリーですね。それにゲームは、それぞれのフォーマットでできることが違います。
これからはメーカーの総力戦になるでしょう。499ドルプレーヤーに対してソニーの評価は「思ったよりも売れるとなれば、(低価格機投入は)考えなくもない」ということでした。このように、CESでの動きで今後のトレンドが分かってくるのです。
――次は2つ目のトレンド「大画面化」について、CESでの動きはどうだったのでしょう?
麻倉氏: アメリカのユーザーはとにかく大画面が大好きです。特にスポーツを大画面で観たいというニーズは非常に強いです。そのために大画面化が進んできたというのがここ2~3年の動きでしたが、今年のCESの大きな流れは、松下がデジタルのデバイスになって初めて“世界最大”という称号を得たということですね。103インチのプラズマテレビを展示して話題を呼びました。実は昨年まではこの“世界最大”は韓国勢同士の戦いで日本勢は蚊帳の外だったのです。一昨年はLG電子が開幕前日の記者会見で71インチのプラズマを披露して世界最大をアピールしたら、すかさず開幕初日のサムスンブースには80インチが展示してあったり、昨年はサムスンが102インチを展示して大きな話題を呼びました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
3
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
4
Google、プライバシーポリシーに「Gmail」「Googleフォト」のデータを広告に使う例外を追加 回避方法は
-
5
GMO不正アクセス、犯人側は「27日に顧客のPC攻撃」予告 GMOが端末回収、ホワイトハッカーが解析中
-
6
GMO、攻撃者による情報公開を確認 顧客データ含むか調査中 追加の見舞金も検討
-
7
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
-
8
「5年でバッテリーが使い物にならなくなる」は本当か テスラ「モデル3」5年目点検で分かったこと
-
9
GMO熊谷代表「社内ホワイトハッカーが事前に指摘」も対策遅れ、国に「能動的サイバー防御」要請 「責任転嫁では」SNSで批判も
-
10
「年齢は合ってますが、人間ではありません」 6歳の飼い猫に届いた“進研ゼミの案内” なぜ届いたのかベネッセに聞いた
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR