「ピグ」「プーペ」「ニコッと」女性になぜ人気 共通点を考えてみた
「ニコッとタウン」「プーペガール」「アメーバピグ」――アバターを使ったPC向けコミュニケーションサービスがここ最近、急成長している。それぞれ2007年以降にスタートし、ユーザーの過半数が女性。ニコッとタウンとアメーバピグは7割を、プーペガールは9割を女性が占めている。
この3サービスはなぜ、女性に受けているのだろうか。ユーザー層ど真ん中の記者(23歳女性)が遊んでみた感想や、3サービス運営者へのインタビュー(ニコッとタウンの記事、プーペガールの記事、アメーバピグの記事)などを元に考えてみたい。
日本人にとって「かわいい」アバター
3サービス最大の共通点は、アバターのかわいらしさだ。「女性は、かわいいかかわいくないかで判断して、かわいくないと思ったら二度と来ない」――プーペガールの森永佳未社長が指摘するように、「かわいいか、かわいくないか」は、雑貨や洋服を買う際など女性の日常に重要な要素。記者も、かわいいものを見付けるとつい買ってしまうし、かわいいサービスはつい遊びたくなる。
ニコッとタウンのアバターは甘い顔立ちで頭でっかちだが体はすらりスタイリッシュ。プーペガールは、人形を思わすぐりぐりとした大きな目ときゃしゃな体が特徴的だ。アメーバピグは2.5頭身に思い切ってデフォルメしたコミカルなアバター。それぞれデザインの方向性は異なるが、Second Lifeのような“萌えない”アバターなどとは異なり、日本人、特に女性がかわいいと思うデザインという点では共通している。
普段着られないような服を着られる楽しさ
3サービスともアバターの洋服を着せ替えて楽しめ、洋服好きの女性のハートをつかんでいる。現実の日常生活で着られるような普段着から、夏祭りなどイベント用の浴衣、コスプレ風ドレスやアイテムも販売。服のデザインにもこだわっており、重ね着でコーディネートも可能だ。
ネットサービスといえど、他人に見られるアバターの服はそれなりに考えてコーディネートしたくなる。相手の顔は見えないし、自分を表現するためのツールは服装や持っているアイテムしかない。気合いも入るというものだ。
アバター用の洋服は体形を気にせずに選べ、現実の洋服選びと同じかそれ以上に楽しい。記者も現実では、どんなにかわいいと思った服でも自分の体形や顔に合わなければ購入をあきらめるが、アバターなら気にせずにどんどん着せられる。
例えば、流行していてもなかなかコーディネートが難しくハードルが高いアイテム、コスプレっぽいドレスや服、足の太さが気になって着られないミニスカートやショートパンツでも、アバターなら引け目を感じることなく着られるのだ。
イベントに合わせた服やアクセサリーなどイベントアイテムが豊富な点も女子にとってポイントが高い。夏祭りやハロウィーンなどイベントごとにアイテムはどんどん増え、街中がイベントアイテム一色に染まることも。同じアイテムを身につけているという一体感も楽しさの1つだ。
重ね着も、アイテムの着回しも比較的楽だ。有料アイテムや500円ほどの高価なアイテムでも、複数のコーディネートで着回せると考えるとお得感があり、思い切って購入できる。1つ買うとこれも合うかも、あれも合うかも……と購買意欲がどんどん増していく。ふだん洋服を買う時と同じ心理で、衝動買いしてしまうのだ。
褒められるので頑張りたくなる
ニコッとタウンとアメーバピグでは、購入したアバターアイテムを身に付けて街に出ると、ほかのユーザーから褒めてもらえることがある。ボタン1つ押すだけでほかのユーザーを褒める機能が付いており、ユーザー同士が気軽に褒めあえる環境ができている。
かわいい服を褒めあうのは、女の子の日常にもよくある光景だ。「かわいい」という褒め言葉に女の子は弱い。気に入ったアイテムを身に付けているときや、真剣に考えたコーディネートが褒められればなおさらうれしい。
「もっといろいろな人に自分のコーディネートを見てほしい」という気持ちも生まれ、買い物や組み合わせに試行錯誤する。季節限定のアイテムなどを購入して身に付ければ、「それどこで買ったの?」といったコミュニケーションも生まれる。褒めてくれた相手を褒め返したり、かわいい服装のユーザーを積極的に褒めたくもなる。
プーペガールにはアバターを褒める機能はないが、ユーザーの手持ちの洋服写真を投稿し、それを褒める機能が付いている。現実で着ている洋服を褒められるとうれしさもひとしおで、もっと投稿してみようと思えるようになる。投稿すればするほど、アバターアイテムを購入するための仮想通貨が手に入るため、アバターにおしゃれをさせるのにも一石二鳥だ。
コミュニケーションに疲れない仕組みも
無理に密なコミュニケーションを取らなくてもすむ仕組みが整備されているのも、3サービスに共通している点だ。
例えばニコッとタウンでは、ほかのユーザーの「家」に入ってコミュニケーションを取ろうとすると、インターホンが自動的に鳴る。鳴ってから入れるまでにはタイムラグが設けられているため、訪問者に会いたくない時は、その間に外に出れば会わずに済む。
アメーバピグでは、自分の部屋に入れるユーザーを制限できる。プーペガールでは、お互いに友達登録する前に、一方的に気に入ったユーザーを登録できる「ファンプペ」という機能があり、最初から無理に交流しないで済む。
3サービスとも、初期段階で見知らぬ人と密にコミュニケーションをとらなくても済む仕組みで、アバターにオシャレさせながら1人だけでも楽しめ、操作に慣れてからコミュニケーションを始めてもいい。
おしゃべり好き・コミュニケーション好きいな女子は多く、アバター同士の交流も盛んだが、人間関係に気を遣うと疲れてしまうこともある。友達が増えてコミュニケーションに疲れたら距離を置ける――そんな気軽さが、ネットに不慣れな女性も入りやすい要因になっているのではないだろうか。
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