麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」

4K×2Kに舵をきるテレビとプロジェクター、IFA報告(3/3 ページ)

 IFAの直後に米国で開催された「CEDIA EXPO 2011」でソニーとビクターが初の4K×2Kプロジェクターを発表しましたね。ソニーの「VPL-VW1000ES」とビクターの「DLA-X90R」は、それぞれ自社のアプコンバーターを搭載しています。今年の秋は、高精細なプロジェクターがホームシアター分野の主役になるかもしれませんし、また今後はアプコン画質競争という観点で見るのも面白いと思います。

ソニーの「VPL-VW1000ES」

 次はCEATEC JAPANでしょう。ソニー、東芝、シャープの4K×2Kを横並びでチェックできる良い機会です。

――IFAに戻りますと、ほかにも新しいトレンドが見つかりましたか?

 デザインテレビの動向も面白いと思いました。最近、日本ではAQUOSの「F5シリーズ」で壁掛けテレビに再挑戦していますが、欧州でもユニークな動きが見られます。ドイツのLOEWE(ロエベ)は、B&Oのようなデザイン指向のメーカーですが、21:9のワイド画面を提案していました。21:9のアスペクト比はシネスコサイズの映画を観るときにちょうど良いのですが、同社の展示機は、これを縦にすると電子看板になるのです。

ドイツのLOEWE(ロエベ)ブースで見つけた面白いテレビ。21:9の画面を16:9と16:5に分け、小さい画面に関連情報を表示している

 ほかにも“鏡テレビ”とでも言いましょうか、横長のテレビの下がすべて鏡になっているものもありましたし、21:9の画面を16:9と16:5に分けて小さい方の画面に関連情報を表示するという試みも紹介していました。説明員に話を聞くと、いずれも商品化を前提にしたものではないそうですが、「インテリアを意識したとき、21:9画面はさまざまな提案ができる」と話していましたね。

テレビの下がすべて鏡になっている(左)。回転するテレビ(右)

 21:9といえば、オランダのフィリップスが先駆けです。今年もさまざまな提案を見せていました。例えば、21:9の裸眼立体視テレビ、偏光方式の3Dテレビ、液晶シャッター方式の3Dテレビ、そしてアンビライト。すべての方式の3Dテレビを手がけている点もユニークですが、テレビの背後に間接照明を取り付け、インテリア的に見せるアンビライトは日本のメーカーに見られない、いかにもヨーロッパ的な発想で面白い。

フィリップスブース。21:9の3D対応テレビやアンビライトなどユニークなテレビが多い

 アンビライトは進化していました。従来は画面の両サイドにLEDを配置し、映像のシーンに応じて光が変わるというものだったのですが、今年は画面の4辺すべてにLEDを設けた“フルLED”仕様です(笑)。テレビと壁のトータルな演出が可能になるといっていますが、このような発想は欧州だけのもの。CEATECはもちろん、CESでも見られないと思います。

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