麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
グランプリ「山猫」の衝撃――ブルーレイ大賞の舞台裏(前編)(3/3 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
DVDまでのパッケージメディアと根本的に異なるのは、修復やリマスターを経たBlu-ray Discは、劇場で見るリバイバル上映よりもはるかに画質が良いという点です。劇場公開用のフィルムは、編集したマスターネガからポジに、また配給などのために何世代ものコピーを経ていますから、最新のリストア技術を用い、手間暇をかけて修復したBDのほうが画質が良い場合が多いのです。
しかも、最近はオリジナルネガからスキャンします。35mmフィルムは4K、65mmフィルムは8Kでスキャンし、4Kで編集する方法が一般的。編集技術の確かさも加わり、監督が思い描いた独自の世界がよみがえります。現代に生きるわれわれは、BDで初めて名作の“本当の姿”を見ることができるといっても過言ではありません。
――リストアBDのトレンドは、今後も続きますか?
麻倉氏:続くでしょう。2012年にリストアBDとなる作品の中で、最も期待されるのは「アラビアのロレンス」です。CES取材の後、カラー・ワークスというソニー・ピクチャーズ内のリストア専用プロダクションを訪ねる機会がありましたが、そこで8Kスキャン/4K修復で一年がかり、のべ100人が作業を行っていました。あまりにも作業量が多いため、1つの画面を4つに分割して、それぞれに担当者を付けて並行作業するのです。
アラビアのロレンスは1962年公開の作品ですから、当時のスタッフに現役の方はいないと思いますが、2005年のリバイバル公開時に撮影監督関係が色調整をやり直していたので、今回はそのときの指示をベースに色を修正するそうです。スタジオで1998年に作られた2Kマスターと、今回の4Kマスターを比較するチャンスもありましたが、実際に見比べると、ノイズ量や色のりが全く違いました。やはり2K(BD)で出すなら4Kマスターを使わなければダメだと感じましたね。
――後編では、「ベスト高画質賞」「ベスト高音質賞」などを解説していただきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
麻倉怜士の「デジタル閻魔帳」
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
2
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
3
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
4
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
5
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
6
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
7
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
8
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
-
9
有識者はGoogleやX、Meta、ドワンゴを名指しで批判……総務省、偽広告や誹謗中傷に発信・拡散前の対策求める
-
10
暑さ対策が熱い! 「猛暑対策展」で感じた、転んでもただでは起き上がらない日本人のエネルギー
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR